幻惑の死と使途 (講談社文庫)

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感想 : 543
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730112

感想・レビュー・書評

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  • 西之園萌絵が中々に探偵していた。

    自作は関連しているらしいので次も楽しみである。

    最後の引田天功氏の文章も興味深かった。

  • S&Mシリーズ6作目!
    今作は今までとどう違うとか
    そんな次元の話でなく
    そもそも奇数章しかないという
    トリッキー仕立て。

    中身はと言うと、
    いつもの知的な会話が少なめ…
    というかテーマがマジックだからか
    一貫してショーテイスト。
    効果音が聞こえてきそうなほど。

    S&Mならではの2人の知的な会話は
    当然あるけれど、少し物足りない。

    いつもの理系アプローチが少なかった印象。
    理系×ミステリーではなく
    マジック×ミステリーという感じ。
    普段より取っ付きやすい印象はあるけれど。

    萌絵も劇的な出演が多め。
    特にお決まりの謎解きタイムは演出過多では…?
    ちょっとお遊びが過ぎるというか…
    犀川も引っ張られたのか、いつもより前に出る感じ。

    S&Mは大好きだけど
    良い意味で人間味の無い感じが好きだったから
    今作の温度を感じる風味がなんとも…

    最後の最後のS&Mは良い。

    印象に残った言葉は
    「人は幻惑されたい生きものなのだ。」
    という序盤の部分。

  • 564ページ……中々読み応えがありました汗

    マジック×ミステリィ×生きる目的

    脱出ショー中に殺された、天才奇術師・有里匠幻。犯人、今回もノーマークな人過ぎて、びっくりびっくり笑笑

    ○印象に残ったフレーズ
    _________
    あることに熱中すると、それとは関係の無い事を学ぶことが出来る。
    _________
    作中ではスポーツや勉強を例に挙げていますが、
    森さんの作品も同じ。ミステリィを楽しむために読んでるのはもちろんなのですが、「人生」や「学問」、「仕事」…毎回、様々なことについて深く考えさせられます。
    「学び」や「気づき」という言葉で表されれば印象いいですが……もしかしたら、トリックから注意をそらせるための「ミスディレクション」でもあったりして……。

    今回は、「人は何のために生きるのか?」がポイントだったような気がします。
    犀川先生の回答、一瞬、ん?、となりましたが、納得。答えの数が無限に思えるような壮大なこの問いにも、理系・数学・論理的に導き出していく過程が面白いです。証明問題みたいです。一般化し、文字という数値で並べ、腹落ちする回答。言語化できてしまうことに驚きです…。

    萌絵ちゃん、犀川先生、人間味溢れる(?)周りのキャラクターにも愛着湧いてきました笑S&Mシリーズも後半戦……ゴールデンウィークで完走出来たらなぁ!

  • 殺害現場がマジックショーのステージ、被害者がマジシャン、容疑者もマジシャン、怪しいポイントだらけで結末は全く読めず完全に騙された。
    犀川、萌絵、国枝助教授のキャラクターも回を重ねる毎に味が出てきて面白い。

  • 1997年作品

    どうしても、先入観を持ってしまって簡単なトリックを
    見過ごしてしまう。
    所々の犯人のセリフや犀川先生のヒントで、わかりそうだが
    、証拠を残さず可能か気になった。
    最近はDNA鑑定が進歩しているので、20年前もそれなりの技術があった気がしたが・・・。

    何処かで、フェードアウトできないのは性か。
    したたかな女性にのめりこんだのか?

    犀川先生の過去がわかるときがくるのか?あと1冊。

  • s&mシリーズ。再読。伝説的な手品師が大脱出の直後に死亡。葬儀の後、死体ごと消失する派手めのミステリィ。プロットはまぁコレしかないけど、トリックを楽しむべきか。
    事件自体はわりとシンプルでミステリィ部分だけであればもっとギュッと短くてもよいと思う。
    犀川と萌絵のモヤモヤしていらいらするやりとりが長いような気がします。哲学的で軽妙な会話はとても楽しいですし、インターネット黎明期なので、未来予測のようなコメントも流石だと感じるのですが。
    萌絵のキャラクターは好きになれない。思わせぶり過ぎる。

  • S&Mシリーズ第6弾。

    天才マジシャンがマジック中に殺される。
    殺害されたマジシャンの遺体が霊柩車から消える。

    マジックって不思議だから面白いんだけど、
    タネがわかってしまったり、
    だんだん時代にそぐわないものも出てきてるんだなあと。

    それでもマジックってミスリードというか、
    わからないまま運ばれてしまうこともマジックなのであれば、私が森博嗣さんの本を読んでいることも、
    マジックと同じような不思議を味わいたいからかもしれないです。

    ドラマチックで面白かったです。

    本作と同時期に起こった事件「夏のレプリカ」を読み始めました。
    S&Mシリーズも折り返し地点。
    早く最後まで読み切りたいです。

  • 相変わらず鮮やか。でもちょっとずるいなとも思う。
    この時点でmixiやTwitterの登場の予想と、それらのもたらすコミュニケーションの弊害について書かれているのがおもしろい。

  • 久しぶりに最初から面白いと思えた。
    そして、「私もそうだと思った!!」という感想。

    決して裏切らない内容だと思う。
    そして「その気持ち、何となく分かる」とも思った。

    10年以上も前に書かれているとは思えないほど、
    いろんな要素が現在(いま)に当てはまっています。

    著者には未来が視えていたのか、
    10年という永いと思えた歳月に変化がなかったのか。


    今作品は事件の内容等ではなく、
    作中の背景と書かれている表現に惹きこまれました。

    改めてこの方の凄さを感じた作品です。
    次の『今はもうない』を読むのが楽しみ!

  • 【2022年71冊目】
    一度読んだことがあったので、再読だったにも関わらず全然覚えてなくて、犯人が明らかになったとき「えーっ」って言いました。予想外のトリックでそんなんあり?!って思いつつ、面白かったので完敗です。S&Mシリーズで一番好きかもしれません。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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