今はもうない (講談社文庫)

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著者 : 森博嗣
  • 講談社 (2001年3月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730976

今はもうない (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 帯に書かれた「結末は決して他人には語らないでください」。
    密室トリックもそれなりに楽しめたし面白かったけれど、この結末はまったく予想できなかった。
    でも、シリーズをまったく読んだことがない人にとってはそれほど衝撃的ではないかも・・・。
    「S&M」シリーズだが、実は他の「S&M」シリーズを読んでいない。
    やはりシリーズをある程度読んでからのほうが数倍楽しめるような気がする。
    仮定しては否定されていく、その過程で出てきた推理がなかなか面白かった。
    推理とは可能性をひとつずつ潰していく方法と、結果にたどり着くまでの過程を推し量っていくものがあるのだろう。
    この物語は可能性を潰していく手法をとっている。
    (それまで10で満足していたとしても)「なるほど、100のものに出会えば、10のものもマイナスに見えるということか」
    本筋とはまったく関係のない箇所だったけれど、妙に納得してしまった一文だった。
    何の不満もなかったはずなのに、比較対象が現れた途端、やけに今までのものが色褪せて見える。そんな瞬間が確かにある。
    人の気持ちは移ろいやすい。というよりも、実は自分にとって大切だと<思い込んでいた>錯覚もあるように思う。
    本当に大切なものには早々簡単にはたどり着けないのかもしれない。
    最後の最後に明かされる事実。
    それは想像もしなかったなぁと、ちょっと驚かされてしまった。

  • S&Mシリーズ⑧

    4~5年振りの再読。

    ・シリーズの中でも、ブレイク的な意味合いの異色作品。
    ・叙述式で、初めて読んだ時は騙されたが、再読時は話の流れに感心した。
    ・伏線もあり、意外と明確な?密室トリックも楽しめた。
    ・萌絵も睦子叔母も、西之園の血は争えないという事かな?
    ・最後に登場する男の子2人は誰?従兄弟?近所の子達?

  • またまたやられたー。気づきたかった。これは気づける要素はいろいろ散りばめられていた。ん?と思った部分もあったのにスルーしてしまった。うむ。
    まあ2人がどんだけ似てるねんっていう話。
    ただ事件自体はまあそれほど大げさなものでもなく。姉妹はややこしくていちいち確認せんと読んでた。
    推測とはいえきっちり結論は出されていてよかった。やっぱりそういう風に変えていきはったんやろか。やり方というのか趣向を。

  • 笹木という公務員の男の一人称で語られていくのですが、途中萌絵と犀川の西園寺家別荘までのドライブデート(?)が間に入ります。
    もちろん笹木氏の一人称もそうなのですが、ところどころあれ?と思いつつ読んでいくと、最後にその違和感の正体が明かされます。ああ、なるほどなと思うと同時にどんだけサバ読んでるんだよと苦笑しながら、違和感の正体にようやく気付きました。ネタバレ過ぎて詳しく書けないのが辛いところ。少なくとも笹木氏は微妙だし、そのハッピーエンドぶりも微妙です(笑)。事件も微妙で終わります。でもそれがこの仕掛けのいいところなのかも。ああ、やっぱり何一つ書けない。
    でも最後に出てくるあの老人は切ない。
    今は、もうないのです。

  • うーん、????

  • S&Mシリーズ。全体的に冗長であまりスピード感はなかったです。文章の印象から感じた雰囲気が話のオチと合わさり、最後に腑に落ちました。

  • 【シリーズ最高傑作】というのは、シリーズと共に成長してきた読者に対する敬意のある作品である。
    この小説はまさに、そういう作品だったと心の底から思う。
    まだシリーズが完結していないけれど、そう言い切れる位の作品だった。
    森博嗣の良さ、S&Mシリーズの登場人物の個性がどれも光っていて、このシリーズが既に折り返していて、終わりが見えていることがとても寂しい。

  • 3.5
    S&Mシリーズ8作目。睦子と佐々木県知事の昔が分かる。笹木目線で物語が進行し、時々犀川と萌絵の昔語りが幕間に入る形式。最後にそーだったのか感がありなかなか面白い。叔母とはいえ、萌絵と同じ感じだったよう。なかなか面白い。知的で鋭い西之園嬢に惹かれていく笹木。
    別作中の睦子やヒラリーのセリフを思い出した。「僕と結婚していなかったら、君はこの田舎町で、ガソリンスタンドやってる男の奥さんになっていたんだね」「何言ってんのよ。私と結婚していたら、あの男が大統領になっていたのよ」非常にかっこいい。

  • 嵐の中、山荘で密室殺人が起きる。一人は娯楽室で映画が流れている状態で、もう一人は映写室で死んでいた。現場は密室状態。電話もつながらず、孤立した環境で事件を謎解く二人の男女。前作「夏のレプリカ」も異色作品であったが、この作品も異色である。主人公は、萌絵でも犀川でも無く、笹木という公務員。この作品が何故、一人称で綴られているのかが最大のトリックだろう。

  • やられました。おかしいなーとは思いつつもすっかりやられました。笑
    ただ笹木さんのキャラが私的にはイマイチ……
    私は硬派(というか無頓着?)な犀川先生が好きです。
    あとやはり密室系は最初に間取り図的なものがあった方がわかりやすいなーと……(文系脳にはちょっと難しい時も)
    これはトリック云々よりも叙述トリックに重点をおいてる印象、とりあえず黙って騙されて!笑

  • 一幕、二幕という章立てや、孤立した別荘での密室殺人という古典的な設定に何か仕掛けがあるんだろうなと思いつつ、ずっと語り手が『笹木』なのが喉に刺さった小骨みたいに引っかかっていました。この手の叙述トリックって綺麗に騙された感がないと、種明かしされた後、ズルイと思っちゃうんですよねえ……。前作で萌絵が叔母様に男性を紹介される場面って、今作のミスリードを誘う布石だったのかな?だとしたら、その先々まで考えた構想は素晴らしいですが、個人的にはS&Mシリーズの中で一番つまらないと感じました。だって、犀川先生の出番が少なすぎるんだもの。

  • 事件としてのミステリーはたいしたことないけど、それ以外に惹かれる部分がある。

  • 面白かった!
    事件自体の謎はもちろん、話全体に、そんな仕掛けがあったとは…!
    謎に満ちていて、色んな推論や思惑がそれらしく語られて、でもどれもが少しずつ違和感があって…。
    すっかりだまされてしまった。
    さすが、森さん!

  • 読了。

    なんだか苦手だわー。
    突然出てきた語り手笹木だれよー。
    この人の性格苦手だわぁ。
    なんか時系列おかしくないー?

    と文句たらたらで読み進めてましたが、
    なんとなんと。
    最後は綺麗にまとまった。
    最終章のノスタルジー好きだな。

    たまに出てくる作者の情緒的な表現も好き。
    三作目(本来の一作目)あたりから
    出てくる文学的表現があるから読んでこれたとこも。

    S&Mシリーズ残り二冊。
    終わりが見えてくると寂しいね。

  • 犀川の頭脳が乗り移ったか
     SMシリーズ第8作目。西之園家の別荘近くで起きた殺人事件が、ある男性による手記で語られていきます。前作「夏のレプリカ」もそうでしたが、これまでの形式とは趣向を変えており、ラブストーリーとしての要素が強いのも特徴です。
     隣り合う2つの密室に、2つの死体。事件の仮説が次々と浮かび上がっては、脆くも崩れ去っていきます。最終的な解答には不満な方も多いようですが、むしろ著者らしい終わり方だったのではないでしょうか。
     個人的に残念だったのは、もう1つの仕掛け。私にしては珍しく早い段階で気付いてしまったので、驚きが半減でした。
     いずれにしても、ある程度シリーズを追ってきた読者でないと良さが分からない作品ですね。

  • 最近このシリーズを読んでいるのは、会社の同僚に5冊纏めて貸して頂いたから。

    GW中に出来るだけ読んでしまおうと、必至で読んでいた為、
    少々犀川先生と萌絵ちゃんに食傷ぎみ・・・。

    と思っていたところにこの作品。

    何かあるだろう?と疑ってはいたものの、なるほどこの展開!

    このタイミングでこの話はとても良かった(*´▽`*)

  • 衝撃のラスト。森博嗣らしいどんでん返し。読み進めていくほど感じる違和感。萌絵が犀川以外とキス?なぜ?がラストで明らかになる展開。ただ、途中までのストーリーは正直長すぎて読み飽きる。

  • 作中で登場人物が言っているとおり、これはミステリーというよりは恋愛小説だ。けれど語り手が謙虚なせいで、婚約者がいるのに20も歳下の少女に無理矢理キスをする主人公(読者にはそう思える)が少し気持ち悪く、ラストのハッピーエンドが一番ミステリーに思える。ということも、もちろん作中で言及されている。

  • ひっかけられた…。


    「観察に先立って、確固とした目標がイメージできなければ、人はものを見たことにはならない、といっても過言ではない。認識するためには、予め用意された仮説が必要なのである。」「仮説を持たない者は、何も見ていない。」(278-279頁)

  •  S&Mシリーズもついに8巻目に突入!このままVシリーズにまで引き込まれるのか、この軌道を外れて他の世界に移れるのか、この作品にかかっている?

     プロローグや幕間として挿入される部分を除いては、笹木の軽妙な語り口で叙述され、今までの作品とは全く異なる構成だった。読者は、いつもよりもっと大胆な西之園嬢の行動に翻弄され、決して短くない物語を最後まで読み終えた時、全く別の角度からもう一度味わう特権が与えられる。

     最後に登場する5歳の萌絵が放つ台詞も気が利いているが、やはり真骨頂は、当時40歳の森先生が笹木の視点を借りて描く若さに対する羨望であり、西之園嬢との出会いで変化する心情である。もちろん犀川の言葉で語る、人生のスイッチバックについても聞き逃せない。

    『今はもうない』については、書きたいことがいっぱいあり過ぎて、まとまらないので、書評は、この物語を既に読んだ方と一緒に余韻を楽しむつもりで書いた。

     S&Mシリーズは、森先生ご自身が作家として羽化していくプロセスを楽しむための成長譚であり、『今はもういない』は、40歳になってある意味、人生の先を視てしまった森先生が、スイッチバックすることへの心情を笹木さんや犀川先生に託して語ったエッセイなのだと思う。

     2016年03月17日
    今はもうない >> S&Mシリーズもついに8巻目に突入!このままVシリーズにまで引き込まれるのか、この軌道を外れて他の世界に移れるのか、この作品にかかっている?

    思わせぶりな登場人物。不可解な手法を平然と使う森先生。その真意を知りたくて、フィクションにも関わらず、読者は分厚い次作に手を伸ばしてしまうのではないでしょうか?結末が『万能鑑定士の事件簿』のような物足らないものではないことだけを願います。

    第一幕は、笹本という男の一人称で語られるのだが、ちょっと現実離れした感じで物語が進むにも関わらず、まるでゴーストライターに書かせたんじゃないの?と思ってしまうほど読みやすく、引き込まれてページが進んでしまった。流石に8巻目にもなると森先生も筆が立つようになったのか?

    クローズドサークル×密室殺人という形は初めてか? What、Who、Howをどうやってこじつけていくのか? 後半が楽しみ♪

     2016/3/20
    昨晩〔実は今朝(深夜)〕『今はもういない』を読み終えた。この物語りでは、当時40歳の森先生が、自分自身が人生のスイッチバックにいるという心情を笹木と犀川に託し、無邪気で奔放な若かった頃の睦子と萌絵の若さと対比して語っている。森先生と同い年の私は、自分が58歳の今、ようやく当時の森先生と同じような気持ちに到達したことに気が付いて戸惑っている。

    今まで読んだ中で最も読みやすい物語。ミスリードを誘うための伏線すら、何度も復習していただく機会があり、返す必要が少なかった。しかし笹木が西之園嬢が慕っているという教授を思い浮かべるシーン、諏訪野が「モエお嬢様が?」とつぶやくシーン、西之園嬢が、両親のことを話すシーンは、読み飛ばしてしまいがちで、どんなニュアンスで話されたかをしっかり把握しておく必要があった~

    ずっと『今はもういない』だと思い込んでいたが、『今はもうない』だった…orz

  • あー!あーっ!!
    そういうことね!って思わずなるラスト。
    うわー。ネタバレなしで感想書けないレベルでアレです。アレ(笑)

    森さんで一人称怪しいなーとは思ったんだけど、そっち!?ってなりました。

    いやー。それにしても笹木さん、めんどくさいキャラですよね。
    三人称で描写されたらそんなことないんだけどなぁ。
    逆に犀川先生も一人称で描かれたらめちゃくちゃめんどくさいキャラなのかもだな(笑)

    それにしても、森博嗣氏の一人称初めて読んだけどなんか少し西尾維新氏とかぶったような。
    そういえばどこかで西尾氏は影響を受けた作家に森さんの名前あげてたような。なんだか納得。笹木さんとクビキリサイクルの語り部、似てる気がる(笑)

  • 笹木偉そうにひとり語りしてるけど誰だよ状態で全く進まず…子供が出てくるまで気づかなかった。いや見事に騙された。最後まで読んでよかった。
    最後の男の子2人は誰?

  • 笹木の女性たちを見る目がむかつく。何が年齢的に自分が最後の婚約者だ。萌絵の21歳と23歳は全然違うというようなセリフには激しく共感した。大学生年齢と社会人年齢だしねえ。そう考えると何気にこの年の差はハタチと19歳くらいの差があるような気がする。萌絵は尋常じゃないけど変なところで普通の女の子なことを言うのが可愛くて好き。

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