黄昏の岸 暁の天 十二国記 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731300

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は戴国、慶国、そして蓬莱。
    今までのシリーズの中では異色とも言える一冊。異色なのか転換なのかは今後のお楽しみというところか。十二国を巻き込んで、戴国の謎に迫る。
    今までの伏線として、戴国では王と麒麟が行方不明となり国が荒れていることが知られている。そんな中で景王陽子の元に戴国の将軍利斎が助けを求めて飛び込んできたことにより、初めて戴国の現状が他国に明らかとなる。内乱を討伐に出た王が行方不明となり、麒麟も蝕を起こして行方不明、王と宰輔を失った朝廷はいつのまにか裏切り者に牛耳られていた。
    逆賊として追われながらも慶国に助けを求めた利斎のために動こうとする陽子だったが、彼女の前に立ちはだかるのは「世界の理」の壁だった。
    読みどころは二つ。陽子の呼びかけにより、今まで他国と必要以上の関わりを持たなかった十二国が手を携えて泰麒の捜索にあたるくだり。そして、「世界の理」の壁に悩み、「この世界のありよう」に疑問を持ち始める陽子や利斎の姿がもう一つ。
    戴国の今後だけでなく、この世界の今後に大きな疑問を残しつつ物語はラストとなる。今まで一話完結といった構成だっただけに、謎が残りまくり、次にひっぱりまくりのラストに読者としては落ち着かない。次の新刊を読むまで、悩みはつきないのであった…(2001-4-23)

  • 王と麒麟を失った載国を救うべく陽子らオールキャストが奔走する
    世界の在り方を問う哲学も

  • 苦労人な泰麒。
    続きが気になる!

  • 登極から半年、戴国再興に燃える泰王驍宗。反乱鎮圧のため自ら文州に赴いた王の悲報に、留守を預る幼い泰麒は衝撃をうけ、大鳴動とともに忽然と姿を消した。王と麒麟を突然失い、偽王の圧政が始まった戴―。その行く末を案じ将軍季斉は命をかけて景王陽子に会うため空を翔けるが…。

    ------------------------

    ようやく、『魔性の子』で一体何が起きていたのかが分かった。

  • 「黄昏の岸 暁の天 十二国記」小野不由美
    ファンタジー。暗赤色。
    十二国記シリーズ第六作。

    今回は、重い重い・・・。いろいろ詰まった一作。
    軸になるのは泰王驍宗と泰麒の隠遁、戴国の荒廃。
    慶・雁両国が主導し、諸国が協力して泰麒を探すわけですが・・・。
    天意とは何か。民意とはなにか。国のあるべき姿、王と麒麟の役目、
    十二国の国体と歴史など・・・。
    陽子という胎果を通じて語られるメタフィクションもどきというか、
    天が作り給うた世界への疑念が続々と湧いてきます。とてもいい。

    あとは若干ショッキングなのが泰麒の変容。「魔性の子」を読むべきなんでしょうね。なんかホラーって銘打ってあるんですケド・・・。
    なんにしろこれからの戴が一筋縄でいかないことがわかりました。
    結局驍宗は出てこなかったのが驚きだ!

    全く以てハッピーエンドではないですね。バッドエンドではないんだけど。
    小野不由美さんはこういう作品が得意なんでしょうか。そんじょそこらの(って卑下はしないですけどね、)ヌルいファンタジーなんか足下にも及ばない感じ。
    といって読ませ方は相変わらずうまくて、脱帽です。
    この内容でこの分量は、全然物足りない。分冊でもっと読みたかったですねf^-^;

  • 登極から半年、戴国再興に燃える泰王驍宗。反乱鎮圧のため自ら文州に赴いた王の悲報に、留守を預る幼い泰麒は衝撃をうけ、大鳴動とともに忽然と姿を消した。王と麒麟を突然失い、偽王の圧政が始まった戴―。その行く末を案じ将軍季斉は命をかけて景王陽子に会うため空を翔けるが…。

  • はい,読みました.

    小野不由美の十二国記シリーズですよ.

    今回は泰麒が謀反で角を折られて蓬莱へ飛んじゃう話.

    で,戴の女将軍が命からがら慶国の景王へ助けを求めにやってきて

    なんやかんやあって泰麒を見つけ出して連れ戻すってお話ですよ.

    天帝とかそこらへんの天上世界というか,神々の世界が

    お役所仕事チックというか,

    天の世界にも法律的なものがあるとか,なんだか残念な感じ.

    そして天の理の抜け穴を探すとか,なんだかなぁ・・・.

    うん,面白かったよ.

    戴国に帰っていった後にどうなったのか気になるけどなっ!

  • 十二国記、一冊飛ばして今回は戴国にまつわるお話。
    『風の海~』のその後であり、『魔性の子』の裏(表?)でもある作品です。

    玉座についてから半年、内乱鎮圧のため自ら文州に赴いた泰王・驍宗。
    戴国の麒麟・泰麒は留守を預かり、王の無事を祈っていたがそこへ悲報が届く。
    衝撃をうけ、大鳴動とともに姿を消した泰麒。
    それから6年、王と麒麟を失った戴国では偽朝のもと圧政が布かれ急激に荒廃がすすんでいた。
    戴国の行く末を案じた将軍・李斎は命からがら慶国王の景王・陽子のもとへ直訴にやってきたのだが。。。
    泰麒は戻ることができるのか、そして驍宗の行方は!?

    『魔性の子』で疑問に思っていたことがするすると解けていきました。
    それにしてもなんでまた泰麒ばかりがこんな苦労しなくてはいけないのでしょうか。不憫でなりません。
    その後の苦労もしのばれます。続きが早く読みたいです。

    しかし今回は豪華絢爛、各国の麒麟たちのがんばりには拍手です!
    王と麒麟のペアってほんと個性的で面白いですね~。天帝の采配でしょうか。
    いいコンビになっている国は長く続くことができそうですね。
    陽子もたくましくなって!延王をやりこめちゃうなんて、なんと頼もしい。
    けれどもまだ修行中で、そこがまた魅力的でした。陽子、がんばれ~!

    これであと2冊になってしまいました。

  • 「人は自らを救うしかない、ということなのだ」


    十二国記シリーズ
    泰麒と陽子のお話です
    陽子の登極から約2年ほどです
    「風の万里~」で影がチョー薄かった浩瀚が大活躍です(笑)
    今回、陽子と同じように漠然と受け入れてきた
    「天」というものに疑惑を感じます
    一体天とはどういうものなのか、どういう仕組みなのか
    不安に感じます
    また氾王と氾麟が初登場しますが二人ともすごいキャラでびっくりします
    一方でいまだなぞの国、舜が気になります
    話にも登ってこないので…

  • 買いなおし。十二国は何回読んでも面白い

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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