数奇にして模型 (講談社文庫)

  • 4836人登録
  • 3.48評価
    • (246)
    • (536)
    • (1195)
    • (42)
    • (9)
  • 381レビュー
著者 : 森博嗣
  • 講談社 (2001年7月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731942

数奇にして模型 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • S&Mシリーズ9作目。
    一言では説明できない複雑なミステリィ。
    2つの密室殺人事件、首なし死体、共通する容疑者。

    犯人の思考が一番のポイントだろうか。S&Mシリーズのこれまでの犯人だと論理的な印象で、動機を説明されれば納得できた(犀川先生的には動機なんて重要じゃないというスタンスだけど…)が、今回はだいぶ狂ってるなぁと感じる。結果とプロセス、どちらを重視するかの違いがこれほど大きいとは。長編9作目にして、こういう人を書けるってやっぱり凄いなぁって思う。

    異常な人と、正常な人って、どこが違うのでしょうか?

    【目次】
    プロローグ
    第1章 土曜日はファンタジィ 
    第2章 日曜日はクレイジィ
    第3章 月曜日はメランコリィ
    第4章 火曜日はバラエティ
    第5章 水曜日はドリーミィ
    第6章 木曜日はミステリィ
    第7章 金曜日はクリーミィ
    エピローグ
    解 説:森博嗣の時代の記憶 米澤嘉博

  • 再読。S&Mシリーズ第9弾。

    人間はどこまでが一つなのか。生きていればどうにか一つなのか。首が切り離された時、いったいどちらが人間なのだろうか。

    爪を切ったり髪の毛を切ったりしても、切り離された側に人間性を見出すことはできない。かつて自分の一部だったもの、はすでにただの有機物。けれど身体を真っ二つにしたらどっちが自分? 首を切り離したら?
    密室で見つかる首なし死体。首を絞められた死体のある密室。複雑に絡み合う人間関係と至高の思考。

    あまり深く考えてはいけない、ということを考えなければならない。好きにしてもOK。

  • 国枝桃子が正常と異常の境界線の導き方を西之園萌絵に丁寧に教えている場面が印象に残った。密室殺人が同時に2つ起きていて登場人物も多かったので頭の中で一旦整理するのに手間取った。「複雑に見える対象を単純化したがる人間」今回はこれが一番言いたかったんじゃないかな。好きにしてOK!

  • 正常と異常の違いだって?ミステリとミステリィの差みたいなものだよ
     派手な不可能犯罪で開幕かと思いきや、少し事情が違います。首を切断した理由にとりわけスポットが当てられており、ホワイダニットの要素が強いです。シンプルかつスマートなトリックは、シリーズ共通の読後感がありますが、これまで以上に森ミステリィの真髄というものを感じました。
     もう一つ言えるのは、犀川&萌絵にしても、新登場の大御坊らキャラクターの見所が5割増しだということ。それとミステリの部分は関係ないと思われがちですが、そうとも言えないのが本シリーズの魅力でしょう。
     正常と異常の問いかけが興味深いです。例えば、正常なミステリというのはあるのでしょうか。面白いミステリはいつだって異常ですし、そう思う私は正常なはずです。

  • 再読によるレビュー。

    あまり記憶に残らない話だった気がしたがとんでもない、とても美しい物語だった。実に「合理的」な殺人事件である。
    これも『詩的私的ジャック』と同じく、理解できない人には理解できない動機と行動なのかもしれないが、個人的にはとても論理的だと納得した。殺人を犯した犯人の行動の心理に意外性を感じること自体がおかしいのかもしれない。

    オプションもエイリアスもつけられない西之園のアップデートが完了しようとしています、金子くんが実に良い仕事をしている。
    代わりにと云ったら難だが、犀川が実に犀川らしくない行動をよく取っている。

    実に美しい終焉だ。ドラマは見た上で否定しているが、この回の最後はとても美しく仕上げてくださっていたのでそれだけで満足した。

  • 国枝女史の名言。
    「赤ちゃんのときには、笑うと泣くの中間とか、笑うと怒るの中間の感情があったのに、いつの間にか、別のものに離散化されて個別化される。わかる?大人になるほど、どんどん単純へ向かうんだよ。」
    「仲直りなんてしない方が得だよ。二度と喧嘩しないで済むんだからさ。」
    痺れますねー。

  • 話自体は面白いんだけど、萌絵ってどうしてこうもバカなんだろうかと首をかしげるしかない。何度かならまだわかるけど、毎回毎回死にかけてて、頭いいのならもう少し学習しろよと言いたくなる。事件の内容や真相はさすがだったけど、最後のコレで萎えてしまった。

  • 犀川先生がいろんな意味で体を張ります。
    萌絵の同級生「金子くん」がいぶし銀の活躍を見せ、惚れる読者が多数存在すると推測されます。

  • 最近読み返しました。
    ラストシーンを想像すると不気味なのにきゅんっとする。
    この作家さんのお話はどれを何度読んでも理不尽で美しいなと思います。

  • S&Mシリーズ9作目、2つの近接した建物で見つかった絞殺死体と首を切断された女性の死体。

    今回もやられました、「普通」にこだわったために真相を見逃しました。
    本作で興味深いのは、犀川先生も普通に因われていたこと、ただここでの普通とは「異常者への一般的な解釈」のことですが。


    >死は、単純化を望むのかもしれない。
    >死ぬまでには、認識したいからだろう。
    >何でも良い、鵜呑みにしたいからだろう。

    これを読んで直感的に「死ぬのが怖い」と感じました、死に際に自分の人生を認識・鵜呑みにする時に人生を後悔したらどうしようと。

    その直後、自分の生き方に自信が無いからそんな風に感じるんだな、と思いました。

    そしてこのレビューを書いている今は、まだ単純化が進んでいないから「生き方への自信」なんて青臭い認識をしたのだと思っています。

    つまり私はまだ若い、一通り経験したつもりでいましたが、まだまだ青いということですね。


    物語中盤の国枝助手と萌絵ちゃんの「正常と異常の違い」に関する議論、特に329ページ、森さんが伝えようとしている(もしくは私が森さんから受け取ろうとしている)概念の本質が書かれているように思います。
    でも、まだ完全には理解できていません。

全381件中 1 - 10件を表示

森博嗣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

数奇にして模型 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

数奇にして模型 (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

数奇にして模型 (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

数奇にして模型 (講談社文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

数奇にして模型 (講談社文庫)の作品紹介

模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。

数奇にして模型 (講談社文庫)の新書

数奇にして模型 (講談社文庫)のKindle版

ツイートする