数奇にして模型 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6898
感想 : 455
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  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731942

感想・レビュー・書評

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  • また、やられた!(笑)

  • 模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見。一方、M工業大でも女子大学院生密室殺人が起こる。2つの事件の謎にN大助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が迫ります。
    S&Mシリーズの第9作。

  • かなり久しぶりの森博嗣。
    お馴染みのメンバーが作品に彩りを与えてくれているが、物語自体はいまひとつ。

    犯人の不自然な言動を「一般人にとっては不合理な行動に思えるが、特異な人間である犯人にとっては別段おかしな思考ではない」という作者にとって都合の良い論理で済ませるのは、読んでいてゲンナリしてしまう。
    2つの殺人のどちらも動機は弱いというか、無理やりだし。
    それに、クライマックスで探偵役の主人公と真犯人が格闘を繰り広げるなんて、「推理小説」としては下等な手だとしか思わないので、これもゲンナリしてしまった。

    単純に物語の質としては星2つが妥当だが、金子くんや大御坊といった脇役たちが、実に生き生きと描かれていて退屈なく読破できたので、星3つにしておく。

  • 異常と正常、複雑と単純、創造と破壊、排泄物
    犀川先生の口癖は、もしかするとの意味の「あるいは」

  • 結構面白かった。

  • 模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。

  • 模型交換会会場でのモデル女性の首切り死体。同じ日、M工業大で起きた女子大学院生の密室殺人。この二つの殺人を行えたのは、首切り死体とともに昏倒していた大学院生のみ…そんな状況から始まるシリーズ9冊目は、犀川、萌絵だけでなく、とにかくサブキャラが印象的で飽きさせません。正直に言うとミステリとして括ったら好きじゃないです。でもこの人間模様や事件を収束させるまでの過程が本当に面白かった。形と型、正常と異常をはじめ、そこかしこに散りばめられた名言や定義が印象的です。そして読後、表紙に戻ったとき題名の妙に唸るのです。

  • 初読
    2013.09.28

    再読。これは結構流れが劇的で人間が怖い話だったのでよく覚えていた。危ない橋を散々渡ってきた萌絵ちゃんだけど、今回は本当に危機一髪でしたね。人間の本性なんて、わからない。見えている部分は、型でしかない。
    模型のコアな世界が知れて面白かったです。
    ただ、全体的に見て狂気的というか、ちょっと気味が悪い人が多かった。
    2020.07.31

  • 再読

  • S&Mシリーズ第9弾。

    事件そのものと、展開のスピード感はこれまでで群を抜いて面白い。「今はもうない」が叙情的にシリーズ1番なら、この作品は論理的に1番面白い。
    萌絵の従兄であり犀川の高校の同級生である大御坊安朋のキャラが特に際立ち、喜多助教授と犀川研の金子勇二が大活躍して、国枝助手も相変わらずの存在感。

    単純化への動き、複雑への尻込み。コモンセンスと呼ばれる幻覚。「正常」と「異常」の定義や、「単純化」に関する考察など、なるほど~と唸る論理展開が面白い。
    国枝助手の論理にはホント、痺れるわ~

    犯人の行動が理解できないことに不安を覚え、「異常」のレッテルを貼ることで安心を得ようとする心の動きが意味のないことだと分析する彼らの論理に深く納得。
    そもそも、事件の真相なんて本当には理解できるわけないんだな・・・とつくづく思う。
    色々な意味で面白い作品でした。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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