華胥の幽夢 十二国記 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062732048

作品紹介・あらすじ

戴国王驍宗の命で漣国へ赴いた泰麒を待っていたのは。芳国王仲韃への大逆の張本人月渓に慶国王陽子から届けられた親書とは。才国の宝重華胥華朶に託された理想の王国への憧憬の行方は。そして、陽子、楽俊、十二国はいま-。あなたの心をふるわせ胸を熱くする十二国記珠玉の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    短編集なのでサクサク読書。
    理想を持つもの、清廉潔白であるものが王になっても堪えられないという皮肉。。。渋い。
    世界観が補強されて十二国ワールドを十分味わえる。

    とはいえ、長編の方が十二国記は好み。

    戴の続きか、まさかの廉王のほのぼの農耕日記か、なににせよ新作長編はまだかいな?

  • 久しぶりに再読。
    冬栄・戴、乗月・芳、書簡・景、華胥・才、帰山・柳

    「月に乗じて暁を待つ」
    仲韃を慕う余り、その転落に耐えられず討った月渓。その罪の意識に苛まれ凝り固まった心を解きほぐしていく青の言葉が泣ける。

    「責難は成事にあらず」
    この言葉、民主党に贈りたい。

    十二国全体の状況を帰山にておさらい。新刊に向けての準備を整えねば。

  • これまでのお話の隙間(裏側?)を垣間見する短編集。

    戴のふたり『冬栄』、芳『乗月』、ねずみくんとの近況やりとり『書簡』、才『華胥』、柳でのふたり『帰山』

    それぞれ短いながらも、登場人物たちの人柄が沁みて心に残るエピソード。どの国にも、考え方ややり方は違うけれど、国を治める立場の者として誠実であろうとする人たちがいることが、架空の世界ながら嬉しい。

  • 十二国が舞台の短編集。

    泰麒が漣を訪問した話。
    月渓が陽子の手紙を読んだ話。
    楽俊と陽子のやりとりの話。
    一代前の才王の話。
    陽子が初勅を出した頃の利広の話。

    これまでの物語とリンクしていて、短編集なのに読み応えありました。

    華胥が少し重かったですが、面白かったです。

  • 2020年12月17日
    当て字が多い。
    若い読者がこれを読むのが信じられない。
    身分や正義の矜持も現代のこの社会では理解が難しい。
    だからこそファンタジーなのだろう。
    国を続けることの困難さ、些細なことに気付かず滅びていくはかなさが恐ろしい。
    今の日本に言えることではないか。
    為政者が間違った方向に進んでいるのは、今なのではないか。
    批判は誰でもできるが、代案なきは意味ない
    まさにその通り。優れたトップを強く望む。

    2021年1月22日
    再読。
    月渓、青、祥瓊(しょうけい)の関係
    風の万里  黎明の空
    の読後にやっと合点がいった。
    主上を愛していたが、民を守るための苦渋の行動だった。それの罪悪感は半端ない。名声を手にすることなど望んでいない。
    でも民のため、芳国のため玉座に座ることを決意する。
    決断の仕方に感動した。

  • 5編の短編集。
    漣国におつかいに行く泰麒の話(かわいい)、陽子からの手紙をなかなか読まない月渓の話、大学に行った楽俊と陽子の文通(喋る伝書鳩?)の話、確信に満ち溢れた王の国が何故か傾く話、終わりが近いという噂の柳国で世間話をする利広と風漢の話。
    とにかく子供の泰麒がかわいくて仕方がなかった。華胥華朶の話の時系列がいつ頃だかわからなかった。采麟はあの後どうなるのだろう。

  • 短編集
    まあ、おもしろかったかな。

  • 泰麒の子供時代ホントに可愛い。
    表題作思わずグッと来た。

    この世界の理を少しずつ示している感じ。
    戴、芳、慶、才、柳

  • 十二国記7作目は短編集。彼や彼女のその後。そして、初めてのあの国の志だけは高かった王の物語が描かれている。幼い泰麒が訪れた先は戴と対極にある南の国・漣。南側は往往にしておおらかな傾向にあるが、廉王はかなりおおらか。とはいえ、一国の主人たるもの驍宗様とはタイプは違えどやっぱり王なんだ。表題の華胥は志は高かったが王としては未熟な采王・砥尚。理想を追い求めるのは悪くはないが、民の幸せ、国の繁栄というのがどういうことなのか。目論見が甘かった。国を治めるというのは一大事だ。

  • 再読。十二国記珠玉の短編集。乗月、華胥は丹念な思考の積み重ねに唸らされる。祥瓊がちゃんと落とし前つけようとしてたので良かった。書簡は陽子と楽俊の思いやりと信頼のあるやり取り。冬栄は泰騏一行のカルチャーショックがちょっと楽しい。帰山はなんでかぬくぬくした気持ちになる。炬燵で一家団欒してるような。お話はほぼ政治なのになー。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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