文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

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著者 : 京極夏彦
  • 講談社 (2001年9月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (1376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062732475

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文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 2012.7.1
    百鬼夜行シリーズ第4弾『鉄鼠の檻』
    『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』と読んできたけど、一番面白かった。作品の「出来」という面でいえば『姑獲鳥の夏』に劣るかもしれないが、1300頁を超える本作は本当に読み応えがあった。過去の作品に登場した人物が登場することもその一因であると思う。
    「禅」がテーマの本作は箱根の旅館の庭に立つ柏の木の上から、突然凍死した僧侶が落ちてくる。そして明慧寺の僧侶たちに憑いた憑物を陰陽師の京極堂が落とす。
    京極夏彦の知識の豊富さには脱帽せざるを得ない。また文章も本当に巧い。

  • 内容は相変わらず面白い。
    特に長台詞の押し問答や掛け合いが好き。

    犯人の動機についてピンと来なかったから間違いなく私は普通の人。禅の考えにピンと来なかったから、巻末のあとがきにネタバレと書かれてもどこからどこまでがそうなのかちっともわからなかった。

    段々人間の登場人物が少なくってる気がする。
    次作はもっと置き去りにされやしないかと不安だ。

  • 「レールの先の先を読め」というようなコピーのゲームが昔あったはずだが、これは「レールの元の元の更にその元を読め」といった本であった。
    いや、ミステリーって大概そういう物なのかもしれぬが。

  • 僧、僧、僧。成長しない迷子、仏教、禅。変わらぬというか濃くなった世界観、厚さも進化したような…。良い意味でだらだらとしていて、こっちもついついだらだらと読んでしまいかなり時間を費やしました。前三作と比べるとぞわりとくる要素が弱めな印象も。京極堂の憑き物落としはこれまで通り「超すっきり!」といったのが感じられなかったなぁ…。気に入ってないというわけではなくて、これもこれで普通に好きなんですが。宗教という檻に囚われてしまった人ならではの動機は衝撃的。シリーズを通し読みしようと思っていたのですが、体力が^^;

  •  ものすごく面白かった!
     冒頭で昔を懐かしみながら楽しそうに旅行へ誘っていた京極堂が、最後には時を止めた人を豪く憎いとまで言ったのがなんだか胸に残る。
     いろんな凝り固まった檻の、見出されて開かれていくのを読んでいるとスッとした。それぞれ克己していて嬉しくなる。
     山下さんが好きだなあ。最初は大分苛立たしかったけど、ちゃんと物事を受け止めるようになって格好良かった。山下さんをそこへ導いたのが、ついその前まで悩んでいた常信さんだったのも良い。菅野に最後の一押しをしたのは榎木津だったけど、久遠寺さんも、久遠寺さんの立場から言葉を紡いでいて素敵だった。
     榎木津さん今回特に優しかった気がする。ほんとにとても面白かった。

  • 前作の真言立川流に続き、今作では北宗禅なる仏教譚に及ぶのだけれど、いくら丁寧に読んだところで理解の外だ。それでも京極堂が披露する解説の欠片を分かった気になるだけで喜ばしい。禅が開花したのが禅発祥の印度ではなく、育まれた中国でもなく、日本であるのは、日本語に起因する。禅は言葉では表しきれず、日本語はその難しいものを伝えるのに比較的適している。というより、日本には高度な抽象化を日常的に受け入れる文化があったからだなんて、誠に筋のいい解説だ。相変わらず榎木津は愉快であって頼もしい。

  • 白と黒の世界に閉じ込められているような、そんな感覚に陥った。ちゃんと世界に色はあるのに、白黒で再生されている。
    この話の舞台になった寺の秘密に、そうきたかとおどろいた。今回の京極堂の蘊蓄は主に仏教、というか禅宗の話だったのだけど、なかなか興味深い話だった。理解できたかといわれれば、できてないんだろうけど。犯人の動機には理解できないところがある、ひとはいるんだろうなあ。わたしはすとんと落ちてきたのだけど。
    結界の中で生きつづけたひとたちは、ようやく結界から解放される。ただ最後の最後まで、縛られてしまうひともいた。その、執着の赤は白黒の世界の中でひときわ哀しみを放っていた。
    キャラ読みすれば榎さんがすてきすぎた。榎さんがかっこよかった。久遠寺翁とあのひとの再会シーン、ぐっときた。こう、深いところをえぐられた。

    (1376P)

  • 文庫本なのに厚さ5cm。
    重い。
    通勤途中で読んでたから、鞄が重かった。
    やっと開放される。
    意地と根性で読破!

    禅宗について
    少し詳しくなった気がする。
    坊主が何人か死ぬわけだが、そっちには
    あまり興味が沸かず
    その舞台となっている特異な寺の設定に
    脱帽。

    「不立文字」ふりゅうもんじ
    禅は文献を重んじない。

  • ヤバい!! かなり好きだこの巻!前作がいまいちノリきれなかったから高揚もひとしお。人物相関図も定着してきて、京極堂の不機嫌の度合いが親→親戚→町内会→東京全土ww…と仏頂面のキャパが拡張していってるのも楽しみな見所になってきました。今回は木場修が影薄の代わりに前作の雪辱を果すかの如く序盤から榎木津節全開のご活躍!!! 榎さん神回といっても過言じゃないかな!? 回を追う毎にこの方の破壊力の降り幅もレベルアップしてるのも魅力の1つです。
    今回は禅寺が舞台なだけに兎に角坊主多しで名前覚える迄大変でした。 どうも私は美貌の容姿で冷酷な目というものに滅法弱いらしい。慈行和尚が榎木津と対峙する所なんて想像するだけで…(♡)。それだけに末路が無念でなりません。
    人は誰しも囲われた空間に生きている。家庭、会社、 学校…その檻の中で悩み迷いながら光を見出だしていく。日々修行なんですね。京極氏の書籍は知識が豊富に詰め込まれ読了後自分も少し高尚になれた気がしてしまいある意味麻薬です。

  • 1000頁あるからね~、根気がないと読めないわ。
    なんて思って読み始めたら、これがまた面白い!!
    1週間くらいで一気に読んじゃったわ~。

    まず、推理小説なのに奥が深い!
    犯人を解きながらいろんな勉強まで出来ちゃうとこが、今までの推理小説にない作品だな~ってほんと感心しちゃうのよ。
    もうね、目から鱗状態よ。

    する、シリーズ第四弾。

    友達にも自身をもって薦められる作品。
    これで、私は京極ファンになりました~。

    ほんと彼って頭良すぎ!!

  • 本の厚み5cm!
    『姑獲鳥の夏』から読み始めて、厚みには慣れてきました^^;

    厚みがあっても、苦にならないのは面白いことが解っているから。
    今回も期待に違わず、引きこまれていきました。
    過去の作品に登場した人物が登場するのも、すんなり読める一因かも。

    「禅」がテーマでしたが、悟りと言うことを10年ほど考え続けてきて
    この僧達との違いを感じました。
    悟ってもそれはその瞬間の事。普通の人間には生活が続くのです。

    私にとっての悟りは、足るを知ること。全てを受け入れること。
    頭ではわかっても、出来ない場合が多いですが・・・

    京極堂がなかなか活躍しないのが、待ち遠しかったけれど
    殺人場面の異様さ、舞台になるお寺の不思議さ、僧達の身勝手さに驚き呆れ、
    そして京極夏彦の知識の豊富さには参りました。

  • 300ページまで読み、一度挫折し、数年後、また最初から読み直した。

    何 で 4 0 0 ペ ー ジ ま で 我 慢 出 来 な か っ た ん だ 前 の 私 は 。

    400まで行ったら話は急展開し、そこからは止まることが出来ずに一気に読めて、それまでの鬱憤を晴らす勢いで立て続けに色々な事が起こり、もう楽しかった。

    舞台がお寺なので、序盤はその寺の説明や宗教全般の難しい漢字が並ぶ、馬鹿な私にはとても苦しい章でしたが、400越えてからはもうパラダイスでした。

    面白い面白い。私の好きな、不気味な童女の話や、ぼんやりとした薄気味悪い坊主や、謎の死体やら、益田くんの人間臭さや…凄いドラマ感に止まることは出来ませんでしたはい。

    あー何であの時挫折したんだろう。挫折した自分がアホ過ぎる。
    そう思わせてくれた一冊。そこからは、京極作品の長さが苦ではなくなった。

  • 読むのに時間がかかりました。
    ページ数のせいではなく、内容が濃いせいだと思う。
    今回のメインテーマは禅宗。

    お坊さんのフルネームを覚えるのが大変・・・
    禅宗のくだりを理解しながら読むのが大変・・・

    だけど、止められないんだなぁ、これが。

    過去の事件との絡みがかなり面白いです!

  • 711頁の兄妹素敵すぎる。

  • 禅について、詳しく書いてありなんとなく分かったような分かってないような気持ちに。
    犯人の動機もこのテーマならではって感じがしていい。
    人の恋文渡す役がそれを忘れてて〜って展開が姑獲鳥の夏に既視感…

  • さすが弁当箱本と呼ばれるだけあってすごいボリューム。でもそのボリュームを苦と感じさせないところが、この本の魅力だなぁ。
    お馴染みのキャラの個性がお互いを引き立ててて面白い。とくに榎さんが〜(笑)彼らしさ炸裂してていいですね。
    ちょっと弱気になる京極堂も見れますし。
    シリーズ四作目ですが、少なくとも一作目は読了されてからのほうがオススメします。
    次の作品を読むの楽しみ

  • 京極堂シリーズで一番好き!
    妄執、ハンパない妄執!!
    動機、わけわかんない動機!!(笑)

    いやー読むの3度目だけど、何度読んでもおもしろい。

  • 箱根の山中にある謎の禅寺.京極堂でさえその存在を把握していないその寺で,禅僧を狙った連続殺人事件が発生する.
    1300ページを超える長編だが,ほとんど退屈せず読むことができる.京極堂シリーズで最も面白かった.
    また,会話が前作までに比べてコミカルである.
    憑き物落としの際,慈行と京極堂が対峙するシーンはまさに鳥肌もの.

  • ★4.0
    再読。初めて読んだ時は禅の何たるやが分からず、よく意味が分からなかった。が、何度となく読んでいるうちに、いつしか禅の魅力に取り憑かれてしまった。勿論それは、分かった気がする、というだけのものだけれど。箱根山で次々に起こる僧侶殺人事件、その背景には策略だったり煩悩だったりと僧にとってマイナスな部分が描かれるけれど、決して僧も禅も貶めることはない。加えて、またも過去の事件と現在が繋がる用意周到さ。それにしても、僧をも悟らせる榎木津のとんでもなさが凄く、惑わされてばかりの関口は意外に直感だけは鋭い。

  • 知識を持った上でそれを思考をした人でないと作れない小説だと思う。専門領域についての質問と回答は、どちらも伴っていないと書くことが難しい。結果それがオリジナリティーになっていて、このような小説は簡単には作れない思う。
    登場人物の行動・心境がストーリーの回すための歯車でないのもいい。

  • 禅宗の宗派(っていう言い方は違うんだろうな多分。)のあたりはよくわからなかったが、ラストがよかったので読後感は悪くない。どこまで広がっていくのかと思ったが綺麗に畳まれていたと思う。
    しかし、長すぎて一気読みが難しいので、登場人物が多いと混乱してしまうなぁ。
    今回は榎さんの格好よさが目立つ。あとは、ある意味悟った山下警部補。今後に期待。

  • シリーズ第4作。
    ひと癖もふた癖もある主要キャラ達にもよく馴染み、いい感じで作品世界に嵌まり込めた。

    仏教という1mmも興味のない分野が舞台なため、今まで以上に読みにくかったが……うん、面白し!


    ★4つ、8ポイント。
    2016.07.22.古。



    それにしても……

    小児性愛に男色、おまけに近親相姦とは・・・ちょいとやり過ぎでしょ、京極さん。心が疲れたよ。

  • お坊さんやお寺に対する見方が変わるような内容だった。
    京極堂の「敦子!」に少し胸キュン。じゃじゃ馬だの瘋癲だのと言ってても妹だもんね。
    京極堂の憑き物落としの場面はいつ読んでも謎解きの場面というよりもカウンセリングを連想する。閉じた世界から出られなくなって狂った人間たちに対するカウンセリング。

    にしても千鶴子と雪絵ってなんであんなに仲がいいんだろう。私が雪絵なら自分より男前な旦那がいて自分より経済的余裕があって自分より美人な女となんかツルみたくないですよ。
    つーか自分のカミさんが自分の友達のカミさんとも仲良くしてくれるって男にとって都合がいい話だよなー。
    京極先生は強い女や男に媚びない女を描いてるせいかフェミニストのイメージがあるようだけど、千鶴子と雪絵の性格や登場人物がほぼ美人だらけなことや男のみっともなさは書いても女のみっともなさは書かないことを考えると、それほどフェミな人ではない気がする。

  • 難しかった。一つだけ浮かんだ言葉は「思惑」。惑わされてはいけない、考えていることはみんな違うということ?
    重くて(実際の本の重量)て長くてまどろっこしくて集中力を終盤失ったので要再読。

  • 今回が一番面白く、読みやすかったです。
    いつも机上で事件が展開しているイメージがあったが、今回は箱根という舞台に移動していて、いつもよりも全体的に能動的な巻です。
    鳥口がよく頑張っていました。
    何を以て異常とするのか、自分の常識が本当に常識と言えるのか等、認識の相対が問われている作品であると感じました。
    禅宗や寺院経営などが詳細に書かれており、面白かったです。
    敦子や慈行の行動や描写で、伏線かなーと思った箇所があったのですが、回収されなかったので何でもなかったようです(笑)
    様々な人がかわるがわる憑物落としされていく箇所は『水戸黄門』が頭をよぎりました。

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文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)の作品紹介

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者-骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第四弾。

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