有限と微小のパン (講談社文庫)

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著者 : 森博嗣
  • 講談社 (2001年11月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (870ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062732949

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有限と微小のパン (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • いろんな意味で衝撃的すぎた作品。

    2日で読み上げたけど、
    怖すぎて2日間とも満足に眠れなかった…。

    作風としては最初に戻った感じを受けました。
    それはもちろん、当たり前なのかもしれないけど、
    読んでいる時の、自分が受けた感覚さえも最初に戻った感じ。

    眠れなくなるくらい怖いのに、読まなきゃいられない本は
    今のところ、この著者の作品以外はない。

    それくらい面白いのだけど、私の好尚としては
    自分も一緒に推理して解いていきたい!!なので、
    今作品もそれには当てはまらず、満たされず、でした。

    逆に、これを予想できた人っているのでしょうか??
    私がシリーズ中、一番好きなのが2作目なのも自分で頷けた。


    喜怒哀楽と善と悪、正と偽と明と暗。
    これらを表現できて、判断できて、自分じゃない相手のそれを、
    見分けられる特異さを持っているのが唯一人間なのではないかと思う。

    だからこそ、自分じゃない相手の想いを汲めるわけだし、
    それに対処して何かを出来るのも、人間だからこそだと思う。

    中庸を求めるのが天才のすることではないのなら、
    天才なんかにはなりたくないなぁ…。

    技術に伴う、人の中身の根本の変化がリアルで怖かった。
    この人は、本当にすごい!と最終巻で再確認。

    次のVシリーズも楽しみ。

    そいういえば…
    私の解釈でいくと、先生は結局あの人に惹かれていた…
    うーん、違うか。「先生は…」というよりも「お互いに…」かな。
    もしくは、今回先生がそれに気づいた…ということでいいのだろうか??

    ズルズルと引き伸ばしたけど、
    結局、彼女にハッキリ『NO』と言ったと解釈しているのは私だけ??

    その解釈でずーっと引っかかっていたので、
    私は犀川先生は好きではありません。

    前述した、天才云々でいくと先生もそれにカテゴライズされると思う。


    追記:
    直後にまた最初に戻ると、全てに納得がいく。
    あぁ、そういうことなのか…みたいな。

    そこにまたゾクッとした。
    そうだそうだ。それがこの著者の作品の面白さだった。

  • S&Mシリーズ最終巻。870Pにも及ぶ長編でありながら一時も飽きることなく読めたのは、ストーリーもさることながら、圧倒的な四季の魅力のおかげとも言えると思う。 今回のトリックの壮大さには、本当に驚愕(というか、ある種がっかりというか…)しました。四季と犀川と萌絵の会話や、犀川の独特な思想は、最後まで予測不能でとても楽しめました。 そして、章の最初に挿入されている会話が、1作目から順に引用されていることに5章目にしてようやく気付きました(笑) 

    しかし、結局犀川先生は四季さんの方を…なのかな?ラストの萌絵ちゃんとの会話は、それを伝えたってことにもなるのかな。萌絵と犀川の関係を応援していた身としては、そう考えると少し悲しくもある。

  • ああ……そういうことか……!
    殺人事件の謎解きは、なんちゅーか、それってありなのか?と首をかしげる感じやけど(もちろんまんまと騙された)この最終巻はそこには重点を置いてないからいい気がする(笑)

    じゃあ何が中心なのかといえば、もう間違いなく真賀田博士だよね。
    シリーズ一作目の真賀田四季を最終巻でもう一度。このシリーズのラストにふさわしいキャスティングではないかと。
    犀川先生と絡むときの真賀田博士がかわいいなぁ、と思ったり。でも、そうなると萌絵ちゃんがなんとも切ないなぁ、と思ったり。

    とりあえず、S&Mシリーズ読了したので次はVシリーズに移行します。
    森ミステリーの中毒性と高さにビクビクしながら(笑)四季シリーズまでは読む予定。

  • シリーズ再読完了。
    随分忘れていた部分が多かった。
    特に四季に対する印象が記憶とだいぶ違い、ラストはなんとなくスッキリ爽やかな読後感を味わえた。10年の間に私が変わったということか、、成長か退化か、、実か虚か、、(笑)

    このシリーズは、本筋とは関係ない所でもイロイロと考えてしまって、まぁお腹いっぱい!
    会話一つ掘り下げるだけで、カウンセリング効果を感じたり、攪拌されたり忙しい。

    四季が萌絵に指摘する精神バランスの取り方にゾクッ。要は思い込みなのか?人の好き嫌いもまたプログラムでシステムでしかないのか?天才はそれをも凌駕してしまうのか、、、人間てなに?

  • S&M シリーズ最終巻。
    その分厚さに驚いたけれど引き込まれて1日で読了してしまった。

    ミステリーそのものも面白いけれど、
    頭のいい人の思考が覗けるこの本に
    いつのまにかどハマりしていた。

    犀川先生と西之園萌絵の会話が
    真賀田四季初め数々の天才の言葉が
    きっとこの先の人生で何度も思い出されるのだろう。


    もっとこの人たちの物語を読んでいたかった。

  • 日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は。S&Mシリーズ第10弾・傑作長編。

    小説に登場する天才の多くは、そのパフォーマンスだったり、他の登場人物による評価によって「天才だ」とイメージする(させられる)ことがほとんどだが、このシリーズではそれだけではない。その思考・発想、あるいは存在そのものに「天才だ」と圧倒させられる。
    この作品の何作か前から、1とは、ひとりとは?と、語られてきたが、ここにきて、ようやくその答えらしきものに辿りついたような気がする。
    ミステリー自体は、天才のすることだから、何でもありかな?と思いきや・・・どんでん返しが。ずっと語られている思考・思想から想像がついてしまう人もいるでしょうが・・・

  • S&Mシリーズ最終作という事で結構な長編なのだが....
    「ある人物」を中心に話が進み、その付属としてミステリーがちりばめられている感じ。
    ただ、謎自体は「大どんでん返し」という方法で解決になるわけで...ただ単にミステリー作品としてみればそれ程でも...といった感じもする。
    天才の言葉には時々置いていかれそうになるが、なかなか興味深い。

  • やはり。

    真賀田四季。
    犀川との再会。萌絵はそこにはいないも同然。

    私は森博嗣に傾倒しているようだ。作家としてではなく、科学者としてでもなく。

    ひとつの思考として。

    犀川と四季。二人の語る言葉が理解できる…そうして、わからない。

    天才の観る世界は…単純で美しい。
    私はもう、森作品から離れられない。

    装飾から解かれ、私もまた自分の中の統合されない複数の意識そのままで生き、あるいは死んでいたい。

    四季と犀川。次はいつ?

  • S&Mシリーズ完結編。とりあえず最初に思ったのは分厚い。とにかく分厚い。しかし、読んでいて途中でだれることはなく、逆に展開が気になってどんどんページをめくってしまう。ただ通学・通勤で読むことはオススメしない。面白くとも重いものは重い。内容的には圧巻の一言。どう考えても無理だろうという状況がものの見事に説明される。いや~それは思いつかんだろうと思うこと請け合い。そして伏線も最後の最後に見事な回収。事件の真相とは別に「あの人」と犀川先生の会話がやはりテンションが上がるというかぞくぞくする。そんな一冊。

  • 4+
    そう来たか・・・そう来たか・・・。
    本作の仕掛けの意外性は『F』以来のインパクトだな・・・。

    それにしても面白かった。シリーズ10作面白かった。
    前半5作では、萌絵は、探偵役(犀川)が事件に介入するための単なる装置に過ぎなかった。しかし後半では役回りが変わり、単なる装置は探偵役も兼ねることになる。これにより萌絵の回復、成長、覚醒、開放などが端的に描かれ、シリーズの構成としても良い展開であったと思う。故に元々スーパーな存在であった犀川の出番は減るのだが、その存在感だけは常に際立たせて描かれていた。シリーズ最終作でかつての役回りに戻っても、違和感なく読み手を物語に誘うことが出来るのは、そのバランス感覚の賜物である。

  • 読み終わってしまった。。寂しい…。 四季があの人→後からじわじわビックリ。もっと読みたいシリーズだなぁ。犀川先生の推理や発言、まだ読みたい。

  • 森 博嗣さんすごい!の一言に尽きます

  • S&Mシリーズ全10作品の完結編です。

    第1作目「すべてがFになる」の真賀田四季が再び登場。
    彼女が主人公の、彼女にしか紡げない極上のラブストーリーでした。

  • もうすぐ終わってしまう…
    どんな結末なのかしら
    20110830



    読み終えました。
    切なくて、でも、なんとなく
    希望が持てる
    終わり方でした。
    犀川先生恋してるじゃん(><)
    20110831

  • 読み終わるのが惜しくて、ずっと結末を見なかった本。期末テストと帰省を挟み一カ月以上前によんだストーリーを思い起こしながら上島珈琲で読み終わりました。あーあ、終わっちゃったっていうのが大きくて感想をうまく書けそうにありませんが・・・ やっぱり最後はびっくりさせられちゃいました。あなたが!?っていう。大好きです。犀川先生もえちゃん博士!

  • ああぁ...とうとう読み終わってしまった(>_<
    犀川&萠絵シリーズの第十作目の最終巻。

    本好きにとって「読書中」は、
    幸せな時間であると同時に、
    「近い将来読み終わってしまう」という
    強迫観念にもさらされている時間で(^ ^;

    幸せな「読書中」は、永遠には続かない。
    ちょうど全ての生命は、生まれた瞬間から
    死の瞬間への「ゆるやかな傾斜」を
    歩み始めているのと同じように...などと
    中途半端に哲学的風な話はおいといて...

    本作は、全860ページの大作(^ ^;
    文庫本で定価1,200円!!(^ ^;
    読み応えたっぷり!

    いやはや、今回も、森節炸裂で。
    今作は特にSFっぽい描写が多く、
    また第一作目のキーとなる人物が
    前作で少し匂わせられていた通りに
    最終作で再度登場(^o^)

    今回も荒唐無稽なスケールとパワーで
    無茶苦茶に引っかき回してくれます(^ ^;

    また、今作を読むと、やはりこのシリーズの
    「主役」は犀川先生なのだな、と再確認。
    今作の萠絵ちゃんは、振り回されてばかりで
    ちょっとかわいそうなくらい(^ ^;

    いや~、とにかくこのシリーズ、
    ハマりまくりましたことよ(^ ^;

    取り急ぎストーリーを追いかけて読んだだけで、
    二度三度読むとまた新たな発見がありそうで。
    時間があらば、ぜひまた読んでみたいっす(^ ^

  • ■「F」から始まり今ここに終結、そして拡散?
     萌絵たちが訪れたテーマパークで次々と起こる不可解な事件の背後には――。

    日本最大のソフトメーカ「ナノクラフト」の経営するテーマパークを訪れたN大生西之園萌絵と友人たち。そこでは「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。革新に存在する、偉大な知性の正体は……。

  • S&Mシリーズ⑩(終)

    4~5年振りの再読。

    ・①『すべてがFになる』以来、再び、真賀田四季博士が登場する。相対?または相反する?内容。
    ・長崎のテーマパークを舞台に、壮大な世界が広がり、真実とは?虚偽とは?複数の殺人事件?殺人風事件?が発生する。
    ・警察を含めて、ほぼ全ての登場人物が虚構で、まさかの芝居なんて、読み切れず、想像が付かない。
    ・現実と虚構、リアティーとバーチャル・・・絶妙な世界観だった。
    ・最終巻に相応しく、重厚で読み応えのある作品。

  • たどり着いたな、という印象。どうして論理的に世界を解体していくと、こういう詩的な、どこか宗教的といってもいい雰囲気が生まれるんだろう。なんだか矛盾しているようで面白い。いろいろなところに自分の名前を残していく四季は結局見つけてもらいたがっていて、理解されたがっていて、孤独で悲しい。「神様、よくわかりませんでした」

  • いつも通りの読んでる間のすいすいすい感そしていつも通りの読み終わったあとの残尿感。
    S&Mシリーズって、犀川先生と萌絵ちゃんじゃなくて犀川先生と真賀田博士のお話やったのね。と思った。まさかこんな終わり方というか、こんな気持ちにさせられる終わり方が待っていたとは。最後萌絵ちゃんの圏外感が凄かったな。
    数奇にして模型とか他の巻もそうやったけど、こんなに分厚くても、読み終わってみてこんなに分厚いお話を読んだっていうような感じはしない。ふしぎー
    森博嗣氏の他の本も読んでみたいなーとは思い中。
    しっくり来させる終わり方って難しいやんなって思うけど、この人の場合はそこに敢えて感を出してこられてる気がしてしまうからまあ何とも。

    あとはまあどうでもいいことやけど、塙博士の最初の見た目の描かれ方が確か「おでこが広めのロン毛」やったと思うんやけどそれで私の中でどうにも落武者みたいなイメージが出来上がってしまって、どう頑張ってもイケメンには直せなかった。
    あと、専門の人に聞きたいのは、ここに描かれている(多分)当時の近未来的な技術って、いまと照らし合わせたらどんなもんなのかっていうところ。森博嗣氏の予測通りに世の中の技術は進歩したのか否か。それ以上なのか以下なのか。ど素人なりの勝手なイメージではそれ以上やったんかなーって思っている。

  • とりあえず分厚い文庫だった。
    でも、読み始めたらあっという間。

    犀川先生と萌絵ちゃんのシリーズ。真賀田四季博士が出てきます。対決…ではないか。争ってはいないから。対面というか、真賀田博士の遊びに入り込んだかんじ。

    現実と虚構の世界が入り交じっていて、現実に属すると思っていたものが虚構だったり…。やがて、その境目や違いの定義すら分からなくなっていった。その感覚はなんだか心地よくって、すっかり真賀田博士の創った世界に私も取り込まれてしまったよう。

    ともあれ、犀川先生がいつになく優しくて、萌絵ちゃんの手を引いて、ユーロパークのアトラクションから抜け出すとことか、いゃあ、良かった。

  • 圧倒的なボリウムがあるのだけど、一気に読める。動機ではなく、人の命を奪うという行為の表象をえがくとこうなるのだと。Fになるからここまできちんと軸が通っている。ラストも爽快感がある。

  • 現実と虚構をテーマにしたのは面白かったが、ミステリーとしての面白さとは違うかな。

    「人間の能力とは、現象を把握することだ。現象と現象の関係を結ぶことだよ。それはつまり、問題を組み立てる、何が問題なのかを明らかにすることだ。」(459頁)

  • 【あらすじ】
    日本最大のソフトウェアメーカー「ナノクラフト」。長崎県に本社を構え、その傍で大規模なテーマパークを経営していた。社長の塙理生哉は事業の中心となる非常に優秀なプログラマであり、また萌絵が幼い頃の許婚でもあった。研究室のゼミ旅行の先乗りで長崎を訪れた、萌絵と2人の友人。しかし、彼女らを待ち構えていたかのように続発する奇妙な事件。意味深なメッセージ。一方犀川はナノクラフト製のゲームに現れる不可思議な演出の話を聞き、予定を変更して即座に長崎に向かう。現実離れした出来事、質感の伴わない相手との対話。一連の出来事の背後に見え隠れするある存在。すべては、あの天才によるものなのか、それとも……。
    【感想】
    これで、犀川先生と西之園萌絵のコンビの物語が終わってしまうんだ…そう思うと読むのがすごく惜しいという反面、この分厚い本の中にどんな世界が広がっているのだろうという好奇心が相まって、なかなか読めずにいた。でもいざ読み始めるともう止まらなかった。一気に読んでしまった。ここに来てやっと、真賀田四季が姿を現す。そしてみんなを弄び、操り、あり得ないような事件を次々と起こしていく。ナノクラフトというハイテクな研究や仕事が行われている会社が経営するテーマパークに来た、反町愛と牧野洋子と萌絵、この3人組がわたしはみんな全然違うタイプだけどこのトリオは大好きだ。そんな3人や犀川先生それらを取り巻くみんなを、いろんな危険がどんどん襲う。それが、これでもかというほどで、よくこんなにもまあ思いつくなと思った。でも、それほどの恐怖を与えられるのは逆にすごいなとも思った。真賀田四季は何者なのか。結局のところ、わたしにはわからなかった。これは、四季シリーズを読むことで少し何かわかることがあるのだろうか。とにもかくにも、S&Mシリーズは本当に楽しむことができた。わたしに森博嗣の楽しさを教えてくれた、大切なシリーズだった。

  • 3
    S&M最終作。長崎のソフトメーカーナノクラフトで起こるVRを扱った殺人事件の話。真賀田四季が登場。株主の萌絵のための狂言に絡めた話への導入があっさりだし事件の動機とかは詳細に語られず事件の話よりも真賀田四季と犀川、萌絵との絡みが主題な感じ。
    君が親の夢は子供に嫌われる。道具等の比較で人間の価値は研ぎ澄まされた思考。生と死、現実と虚構の境界は、煙草が吸えるか否か程度らしい。VRとの絡みで現実との境の曖昧さやAI社会への導入が感じられる。四季との話はまだまだ続きそうな感じ。

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