有限と微小のパン (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (870ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062732949

感想・レビュー・書評

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  • 最初から最終巻を想定して執筆している壮大さに驚いた

  • S&Mシリーズ最終巻、めちゃ分厚い!
    読み応えあるなぁと思いながら本を開くと、あっという間に読み終わっちゃった。

    今回は色んな意味で騙された…
    全ては装飾に過ぎない。
    トリックが壮大で、謎解きを読んでてもありえなく無い?って思った。

    真賀田四季博士が再登場し、萌絵たちを翻弄していた。
    ただただ凄い。存在感が文面からも伝わってくる。
    塙社長も天才だとあったけれど、真賀田博士に圧倒されて最後はフィードアウトして行った感があった。

    これでS&Mシリーズは最後だけれども。
    もっと萌絵の心理面での安定や二人の恋愛面での進展を見たい。
    面白かったから、まだまだ続いて欲しかった!

  • いろんな意味で衝撃的すぎた作品。

    2日で読み上げたけど、
    怖すぎて2日間とも満足に眠れなかった…。

    作風としては最初に戻った感じを受けました。
    それはもちろん、当たり前なのかもしれないけど、
    読んでいる時の、自分が受けた感覚さえも最初に戻った感じ。

    眠れなくなるくらい怖いのに、読まなきゃいられない本は
    今のところ、この著者の作品以外はない。

    それくらい面白いのだけど、私の好尚としては
    自分も一緒に推理して解いていきたい!!なので、
    今作品もそれには当てはまらず、満たされず、でした。

    逆に、これを予想できた人っているのでしょうか??
    私がシリーズ中、一番好きなのが2作目なのも自分で頷けた。


    喜怒哀楽と善と悪、正と偽と明と暗。
    これらを表現できて、判断できて、自分じゃない相手のそれを、
    見分けられる特異さを持っているのが唯一人間なのではないかと思う。

    だからこそ、自分じゃない相手の想いを汲めるわけだし、
    それに対処して何かを出来るのも、人間だからこそだと思う。

    中庸を求めるのが天才のすることではないのなら、
    天才なんかにはなりたくないなぁ…。

    技術に伴う、人の中身の根本の変化がリアルで怖かった。
    この人は、本当にすごい!と最終巻で再確認。

    次のVシリーズも楽しみ。

    そいういえば…
    私の解釈でいくと、先生は結局あの人に惹かれていた…
    うーん、違うか。「先生は…」というよりも「お互いに…」かな。
    もしくは、今回先生がそれに気づいた…ということでいいのだろうか??

    ズルズルと引き伸ばしたけど、
    結局、彼女にハッキリ『NO』と言ったと解釈しているのは私だけ??

    その解釈でずーっと引っかかっていたので、
    私は犀川先生は好きではありません。

    前述した、天才云々でいくと先生もそれにカテゴライズされると思う。


    追記:
    直後にまた最初に戻ると、全てに納得がいく。
    あぁ、そういうことなのか…みたいな。

    そこにまたゾクッとした。
    そうだそうだ。それがこの著者の作品の面白さだった。

  • S&Mシリーズ10作目
    集大成とも言える話。800ページを超える超大作にも関わらず、一気に読んでしまった。真賀田四季の世界観が凄い。

  • このシリーズを読みすすめていくにつれて普段自分から出る言葉や巡らせる思考の陳腐さが鮮明になってしまい落胆しながらも、彼らの魅力的な会話にのめり込むことになり、たくさん考えてたくさん文字を辿って、すごく楽しい読書体験だった。言いたいことというか感想というか感謝というか、それらがどくどくと流れてきますが、とりあえずここまでで、、。

  • 要所々々、難解な箇所はあったけど
    真賀田四季の圧倒的存在感にゾワゾワさせられました。全く想像出来なかった驚愕の結末!とても面白かったです

  • 有限の生と、微小の死を。

    *****

    ついに、ついに!最終巻!
    S&Mシリーズ全10作の10作目(最終巻だから当たり前…)!
    最終巻って、いつも読み終わると「あ~終わっちゃった・・・」という気分にさせられるけれど、今回は小説10冊に及ぶものを読んだことがなかったからか、「ついに」と身構えていたからか、「寂しい」よりも達成感の方が大きかった。
    そして、私としてはラストがこれしかない、ってくらいに思えた。

    先ず、登場人物リストが載る作品と載らない作品がS&Mシリーズにはあるが、今回はきちんと冒頭にあった。

    それを見て、「!!」。
    今回の『有限微小(略)』にはある大物ゲスト登場。
    来る時べき時が来た、のでしょうか。
    舞台は長崎。
    萌絵の許嫁(親同士が昔、決めた)、登場。
    そこで起きたという「死体消失事件」の謎も解けぬままに、新たな事件が起きてしまう。
    解けない謎、不確かな自分の「存在」、「生と死」。

    読んでいると、ひっぱりこまれてぐるぐるぐるぐる回されてしまうような状態に陥る森作品。

    あの一作目があったから、この十作目がある。

  • 脱帽…ストーリーとスケールが凄いです

  • シリーズ最終作なだけに、原点に立ち返ったようなストーリー展開は面白かった。
    虚構と現実が入り乱れる話の複雑さが非常に印象的だった。

  • ラスボス(真賀田四季さん)出た!!!シリーズ最後らしい
    トリックの大枠は正直ずるいなぁと思ったけど、犯人とか殺人の諸々とか含めて考えるとさすがだなぁって感じ
    犀川と四季さんの場面好き

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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