旅人たちのピーコート (講談社文庫 く 33-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733267

感想・レビュー・書評

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  •  初めての海外旅行体験は、その後の旅行になんらかの影響を及ぼすと思う。いまではすっかりアジア貧乏旅行のカリスマとなった著者の、最初の旅行先は意外にもアメリカだった。でも20代前半に、そのころ日本でいちばん情報量が多かったのがアメリカ。しかもまだのんびりとした時代のこと、いろんなことがあったけれど、楽しかった記憶が著者を海外へと導いたに違いない。
     タイトルの「ピーコート」は、厚手のウールのショートコートのこと。著者はギリシャ旅行の旅先で、同じような境遇の日本人旅行者からピーコートをもらう。そのコートを着て、極寒のヨーロッパを旅したという。そのコートがなければどれだけ辛かったことだろう。そして、ヨーロッパの一人旅でもそんな親切に出会える幸運。著者の本が、どの地域の話であってもやさしく、明るいのは、そんな体験があってのことだろう。1979年のアメリカ留学、その20年後のアメリカ再訪までの間に旅した、世界各地でのできごとと、思い。自然体で旅する著者のスタイルは、旅を楽しむ武器でもあったのだ。

  • どの海外旅行者にも必ず一度は訪れる初めての旅行。戸惑いや不安は旅行を重ねるに従って徐々になくなり、自分なりのスタイルができてくるのでしょうが、初めての経験は、誰にとっても出発点として常に振り返れる場所であり思い出です。

    本書は蔵前さんの初めての海外旅行「僕のアメリカ一人旅」が収録されていて、他の著作とは少し違った趣。『旅行人』の編集の合間に短期で訪れたインド・ラダックやイエメンの旅行記もなかなか面白かった。

  • 思わず旅に出たくなっちゃう蔵前仁一(くらまえ じんいち)氏の旅エッセイです。

    ☆詳しいレビューは<a href="http://ihuru.blog46.fc2.com/blog-entry-61.html" target="_blank" title="コチラ">コチラ</a>

  • 旅行エッセイものはたくさんあるけど蔵前さんのはよく読みます。蔵前さんはイラストが上手くてとっても楽しい。どれも楽しく読めるけど今回は「南インド定食を食べつくす」は特に面白かった。食堂の臨場感やカレーの匂いまで感じられます!

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著者プロフィール

蔵前仁一
1956年(昭和31)鹿児島県生まれ。旅行作家・グラフィックデザイナー。
慶應義塾大学卒業後、80年代初頭からアジア・アフリカを中心に世界各地を旅する。
個人旅行者のための雑誌、『旅行人』編集長を務め、多くの旅行作家を輩出、
バックパッカーの教祖と呼ばれた。
『ゴーゴー・アジア』や『ゴーゴー・アフリカ』(ともに凱旋社」)をはじめ、
『旅で眠りたい』(新潮社)、『あの日、僕は旅に出た』(幻冬舎文庫)、
『よく晴れた日イランへ』(旅行人)など著書多数。

「2018年 『テキトーだって旅に出られる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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