御手洗潔のメロディ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1399
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733564

感想・レビュー・書評

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  • 長編より軽やかで、けれどトリックの鮮やかさは損なわれず、読みやすかったー。

  • 一見つながりのない事件が綺麗につながる「IgE」や御手洗潔の人柄が窺える「SIVAD SELIM」などバラエティに富んだ短編集。
    マイベストは「IgE」かな。
    やはり御手洗潔シリーズは面白い。ハズレがない。
    ただ、御手洗が海外に行ってしまうのは少し寂しい気もする...

  • 最後の短編は事件物では無いのだけれどエモーショナルな作品としてとても良かった。
    「異邦の騎士」への御手洗視点からの追憶(直接の語りは別人を通してではあるが)。

    ただレオナがいまだに御手洗と石岡への、男同士の絆に激しい嫉妬を抱えてるのは食傷。

  • 島田壮司やっぱり面白いぃ~!!!
    和製ホームズ&ワトソンだったら御手洗と石岡が一番好きかも。
    しかしSIVAD SELIMの石岡さんはちょっとウザいわね(苦笑)。
    どれもとんでもない繋がり方する事件だった。

  • 今回の短篇集はミステリを期待して読むとかなり拍子抜けする内容だとは思うのでその辺で評価はわかれると思う。
    ただ、御手洗と石岡のコンビが好きだって人には楽しめる要素が多いかと。

    『IgE』は御手洗・石岡が活躍する王道ミステリ。
    『SIVAD SELIM』も二人が出ますがミステリではない。色んな事であたふたする石岡くんがかわいかったり、痴話喧嘩したりとその辺が見どころ…かも…。
    『ボストン幽霊絵画事件』は御手洗がアメリカの大学に通ってた頃のミステリ。
    『さらば遠い輝き』はハインリッヒとレオナが出てきて、御手洗について話したりする内容。
    これは、『異邦の騎士』のとあるシーンで御手洗が石岡くんに対してどう思ってたかということがわかるので、やはりこのコンビが好きな人にはおすすめ。

    これを読んだあとまた異邦の騎士が読みたくなる。

  • 『IgE』破壊される便器、失踪する美人、傷つけられた木が導く殺人の予兆。駆けずり回って疲労を見せる探偵と、独り現場を任された友人の心労。
    『SIVADSELIM』御手洗の音楽的能力と、暖かい友情の話。友人の言いがかり心理はあまりに利己的盲目的で寄り添えなかったが、読後感は悪くない。直接内容に関わらないが他作品の事件に言及する描写もあるため、龍臥亭事件を先に読んでおきたかった。
    『ボストン幽霊絵画事件』異国で学生時代を送る若き日の探偵。白昼の看板狙撃、死体のない殺人、動く死者による壁画。いたずらまがいな細事から殺人事件を掘り起こす推理と行動力は健在。動機に人情的な要素は少なく、欲求のまま活動しているかのような活発さに若さを感じる。この短編集では一番シリーズらしさのある作品。
    『さらば遠い輝き』ドイツ人ライター視点から語られる、レオナとの邂逅。日本を離れて脳科学研究に勤しむ探偵の近況と、友人への想いの丈を垣間見れる貴重な話。なんの事件も謎解きも起きないけど、個人的にはレオナの心理展開に寄り添えなくて物語の真意を計りかねる。探偵の内面に改革を与えた友人への嫉妬?友人への愛情についてかなぁ?探偵の人間性に暖かみを感じることはもちろん、人間愛の性超越性を主張されたのか、もっとシンプルに愛情の本質を定義せしめるものだったのかと勘繰り煮え切らない。
    なんにせよ、御手洗さんに救われた石岡くんは御手洗さんの内面革命家だったわけですね。レオナは不憫だけれど、探偵と友人、互いの存在価値を物語る意味では素敵なエピソード。

  • 短編集
    『IgE』
    『SIVAD SELIM』
    『ボストン幽霊絵画事件』
    『さらば遠い輝き』

    『IgE 』のみ御手洗さん&石岡くんコンビが活躍する事件。
    『SIVAD SELIM 』は事件は起きないし(石岡くんには身の毛もよだつ恐ろしい事態が起きるのだが/笑)
    『ボストン幽霊絵画事件』は御手洗さんが大学生時代の海外の話
    『さらば遠い輝き』に関しては、御手洗さんも、石岡くんも話題に上がるのみ。
    かなり変化球な一冊だと思う。
    それでも、御手洗さん&石岡くんコンビが客観的に描かれていて、なかなか楽しめた。

    私はミステリー要素があって、少しホラーも含まれていた『ボストン幽霊絵画事件』がお気に入り☆

    (2014.10.8 読了)

  • 御手洗潔シリーズの短編集とは言ってもミステリでないものも含まれています。今までのシリーズ作品をそれなりに読んでいないとそれほど面白くはないかも知れないですね。作者自ら著したファンブックに近いものとも捉えられます。しかしながらミステリ部分はさすが、しっかりと読み応えがあります。

  • 嫌みな程御手洗潔が活躍する短編集。
    いやそんだけの手がかりじゃあ普通は全く解けないだろう!というような謎をスラスラと解いていくのはもはやご愛敬か。
    でも謎がいちいち島田荘司らしい奇想天外ぶりだし、御手洗潔の奇天烈なキャラも一度ハマると虜になるという不動のシリーズ。
    推理小説としてではなく、一つの読み物としてもかなり面白いのは島田荘司の文章の巧さに尽きると思う。特に「SIVAD SELIM」や「さらば遠い輝き」などのサイドストーリー的な小作品が、オールタイムベストで上位に位置するというのも納得する。
    「さらば遠い輝き」で終盤あの名作に通じるエピソードが描かれているのだけど、これがまた泣ける。レオナじゃなくても泣けるってそりゃ。
    御手洗シリーズはどんどんその世界を広げて行くのだ。

    この短編の中では、御手洗潔がホームズばりに相方とのディベイトでささいな事件から大きな殺人事件を論破する「ボストン幽霊絵画事件」が好き。
    御手洗潔はホームズに似ていると思う。ジャンキーではないけれど。

  • 長編と比べるとかなり読みやすい。ミステリーではない、短編も2編。

    でも、最後はうんちくもあって、さすが。

著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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