聖の青春 (講談社文庫)

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著者 : 大崎善生
  • 講談社 (2002年5月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734240

聖の青春 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 映画を見たので読んでみる。映画を見たときは、一人暮らしさせちゃだめじゃんと思ったけど、そんな単純な話ではなかった。摂生して長生きしてほしかったけど、生ききったなあ。

  • これは...小説に軍配が上がるのは仕方がないです。
    (当方昨日、映画版を視聴したばかり)

    読んでみてわかりましたが小説は「本人を含む家族の手記を基にしたノンフィクション」で映画は「小説を基に再構成したフィクション(?)」という感じでしょうか。

    色々と内容が組替え直されているので小説のファンの方が映画を好ましく思えないというのも納得です。
    (まぁ確かに映画は色々と説明不足でしたね)

    ただ2時間に収めるには....仕方がないかなぁ....

    何にしても涙なしには読めない素晴らしい小説でした。
    (将棋に詳しい方なら尚、楽しめることでしょう)

  • 映画を見た後なのでどうかと思っていましたがまさに杞憂。
    周りの人は何回かは腹を立てることもあったと思うんだけれども、正直さ・素直さが頑固なまでにぶれないから、結局皆受け入れることが出来たんだろう。
    死を見つめつつ、いやだからこそ真剣に将棋に打ち込み、遊んだ主人公、その周りを取り巻く人々(特にお父さんと森さんが良い。いややっぱお母さんが一番凄いのかな。)全てが愛に満ちていて、陳腐な言葉ですが感動です。
    いやいや必読の書です、これは、本当に。

  • 圧倒的な現実の前になにも言うことはない、という感じ。彼が健康だったなら、と思わずにはいられないけれど、健康だったなら将棋とは出会わなかったかもしれないし、これほど打ちこむこともなかっただろう。将棋ファンですらない一読者が言っても仕方ないけれど、アルコールを控えて、外食ばかりしないで、彼を愛した人たちと彼の将棋のためにもっと生きて欲しかった。

  •  大崎善生のデビュー作、第13回新潮学芸賞、第12回将棋ペンクラブ大賞受賞、2001年1月6日/新春スペシャルドラマとしてTBS系列で全国放送、2016年11月19日/映画公開(wki調べ)

     昭和57年/中学生名人戦に参加するが聖はベスト8で敗退する。自信を失いかけた聖が新幹線の時間までの間、西日暮里将棋センターで強者相手に全勝するのだが、その中に真剣師小池重明がいた。その彼を負かし「僕、強いなあ」「がんばれよ」と励まされ聖はご機嫌に広島の帰路につくのだった。

    真剣師小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫) 団鬼六著 
    2014年8月22日 レビュー
     プロ棋士になるには厳しいルールがある。プロ棋士になれなかった真剣師の小池重明は、将棋ではアマはもちろん、プロにも負け知らずの生活破綻者なのである。将棋は確かに強いのだが、飲む打つ買うのデタラメな生活を続ける。結局、そんな生活にも終止符が打たれることになる。生涯、大好きな将棋との縁が切れない、彼の将棋を愛しつづける姿に感動を覚えた。

  • 「『命懸け』という言葉は自分には使えない」

     映画「聖の青春」の公開に寄せて、将棋の佐藤康光九段が述べられた言葉です。ずっしりと心に響きました。この言葉に、映画を観た方、本を読んだ方の多くが共感されるのではないかと思います。「命懸け」なんて、決して軽々しく言えるものじゃない。

     病気になった村山さんが、将棋という「翼」を手に入れた-筆者の大崎さんがそう表現されていることが印象的です。それは限りなく広がる、折れない翼でした。病気と闘い続けた生涯だったかもしれませんが、盤上ではそのようなことは関係なかったのだと思います。その手から放たれる一手には「揺るぎない強さ」を感じます。きっと、将棋という翼があれば、どこまでも行けたのだと思います。

     若くして亡くなった棋士のお話で、終盤は辛くて読めなくなるかもしれないと予想していたのですが、案外そうでもありませんでした。むしろ、村山さんが輝いて、まぶしくすら見えました。それは、村山さんが本当の意味で「生きて」いたからではないか、と思います。あらゆる欲望に忠実に、そして勝利に貪欲に。「かわいそうな人生」なんて印象は、微塵もありません。太く、短く、輝かしい炎が瞳の奥に見えました。

     そのように感じさせるのは、村山さんの生き方だけではなく、師匠の森先生の温かいまなざし、そして筆者の大崎さんの素晴らしい文章があってのことだとも思います。多くの人に読んでいただきたい、素晴らしい1冊です。

  • この本は29歳でこの世を去った棋士、村山聖(むらやまさとし)さんの将棋に懸ける人生が綴られたノンフィクション小説です。
    ネフローゼという重い腎臓の病の為に、幼い頃に多くの時間をベットで過ごさなければいけませんでした。その時に父親がトランプや花札などの遊べるものを持ってきたのですが、その中で将棋に興味を持ちどんどんのめり込んでいきます。
    そして、自分は将棋の世界に入って名人になるんだという意気込むのですが、親は身体の弱い息子が将棋という厳しい勝負の世界でやっていけないと反対します。しかし、そんな親の反対をきいても棋士になりたいと言って頑として譲りません。そこで親は最終手段として親戚一同(学校の校長など教育関係の方々)を集めて親族会議を開いて、棋士になるのをあきらめるように説得しました。しかし、それでも村山さんは将棋をやらせてくださいと頭を下げ、逆に 親族一同を説得してしまいます。世界に入って名人になるという決意の強さが伝わってとてもカッコいいと思いました。

    また、村山さんの病気はかなり重く、死と隣り合わせな生活をしているため、生きているものを慈しみ大切にしています。しかし、自分が将棋で勝ち上がって行くということは誰かを蹴落とすということで、自分のやっていることは誰かを殺しているのではないかと疑問を抱く場面がでてきます。それは、私が昔抱えていた痛みに似ているところがあってすごく共感できました。

    それと、この小説を読んで大好きになった人物がいます。それは村山さんの師匠である、森信雄さんです。村山さんの師匠なんですが、弟子に対してあれをしろ、これをしろということはなく、むしろ病気で伏せがちな村山さんのために西へ東へ奔走するような、そんなおっちゃんです。本当はもっといろいろあるのですがうまく書き表せません。

    実はこの小説は映画化されていて、友人が試写会のチケットがあたったということで一緒に観に行きました。その時に、開演前に壇上に上がってお話をされたのがこの森信雄さんでした。それだけで嬉しかったのですが、実際の声をきいて「村山くん」と関西訛りでしゃべられているのをきいたときに思わず泣いていました。そんな感じで呼んでたんだなぁって・・・とにかくそれくらい好きになりました。

    私は将棋の知識は駒の動かし方くらいで、戦術なんかは全然わかりませんし、知っている人も羽生善治さんくらいで将棋を全然知りませんが楽しく読むことが出来ました。漫画「3月のライオン」には村山さんがモデルとなったキャラクターが登場しています。それくらい魅力のある人物です。この本で村山聖の人生に、生き様にふれてみませんか。

  • あまりに壮絶。これがフィクションなら、ちょっとやり過ぎでしょ、とツッコミを入れたくなるくらい、残酷な運命。それでも最後まで読み切れたのは、聖を取り巻く人々の、決して哀れみではない愛情と、そしてそれを引き出す聖の力強い生き方に背中を押されたからか。名人村山を見てみたかった。

  • 将棋に関しては、駒の動かし方を知っている程度なので、詰将棋が凄いといわれても、正直いまひとつピンとは来ない。ただ本作、将棋のことを全く知らなくても、十分に戦いの熱さは伝わってくるように描かれていて、かつ、短い人生のすべてを将棋に捧げた気迫も、リアルに体感される内容になっている。谷崎や羽生といった圧倒的有名人が登場することもあって、いかに優れた将棋さしだったのかも浮き彫りにされてくる。最初から切ないクライマックスは分かっている訳だけど、それでもなお熱いものがこみ上げてくる物語でした。

  • 短く密度の濃い人生。普段我々が考えないように「死へ向かう人生」を意識すると見えるものが違ってくるのかもしれない。

  • 一気に読んで感動の一言。
    病のためにどれほど悔しい思いをしてきたかわからないのに、彼は純粋なままで卑屈さが一切ないというところに
    心を打たれた。私もそうなろう。


    −純粋さの塊のような生き方とありあまる将棋への情熱。それにかける集中力と桁外れの努力。勝利へのあくなき執着心と、体を貫く灼熱の棒のような名人への渇望。生きることに対する真摯な姿勢。− (p.1843)

    将棋の天才を超えて、自分の命を燃やして夢を叶える天才なのだと思った。

  • 胸がいっぱい。
    勇気をもらえる。もらわなければいけないとさえ思う。

  • マツケンが驚異の増量、東出くんは羽生さんそっくりに仕上げていて、役者さんて本当にすごい。これが実話なんだもんな。将棋は命を削るものなんだ。

  • 重い本だった。絶望の中から生きる目的を見つけ、努力し進み続ける強さに、最初から最後までずっと涙をためながら読んだ。もう少しだけでも幸せに生きて欲しかった。
    病気があったからこその彼の人生だったのだろうが、自分の子どもの病気を1年以上も見過ごすとは、このどうしようもない両親はさぞや悔やんでいるだろう。そして京都の灘蓮照というアホは小物で最低の情けない奴。

  • 2016.12.19読了。映画を観るにあたって読んだが、映画より100倍良い。村山九段のことは、その輪郭は知っていたが、ここまで将棋に生き、生かされた棋士であったことは、やはり本書を読むまでは知るべくもなかった。持ち時間29年の執念。そして、本書のもう一人の主人公が、師匠の森信雄七段であることも。ともかく彼らを活写する作家の筆致が見事。よく見知った人物をよくここまで客体化して書けるものだ。この処女作を書くにあたって大崎氏は退路を断っている。村山九段の生き様が、一人の作家の誕生を導いた。その事実にも励まされる。

    名言
    ・「お母さん、大変な病気にさせてしまいましたねえ」
    ・「冴えんなあ」
    ・「泳げなくても、僕は飛びこんだ」
    ・「今の俺は昨日の俺に勝てるか。」
    ・「神様除去」
    ・「死ぬまでに、女を抱いてみたい……」

    雑記
    ・なぜ姉の緑さんがほぼ出てこないのか?
    ・怒りの告発 灘蓮照、東京女子医大
    ・「肉丸君」 元ネタは『さすがの猿飛』?

  • 齋藤孝さんが紹介していたのを見て5年前くらいに図書館で読んだ本。映画化されて話題になってるので再読。

  • 松山ケンイチさんが主演で映画化されると以前ちょっとした呟きがきっかけでフォロー外の方から教えてもらった。
    原作が「聖の青春」だとも。
    その後カドフェスで聖の青春がリストされていたので、これを機にと読了。

    勝手なイメージでカドフェスはわりとライトな小説が多いから、見た瞬間に「思ったより厚いな」と思ったけれど(元々講談社と知り納得)、29年の人生が詰まっていると思うとそんな簡単な一言じゃ片付けられない厚さと重みだった。

    生きることと死ぬこと。
    病院で生活していると、常に隣り合わせのこの危ういバランスにとても辛くなる時がある。
    村山氏のように子どもの頃からそんな空間にいたら嫌が応でも考えさせられたことだと思う。

    森師匠との生活のそれぞれが暖かく、心地いい。
    「冴えんなぁ」の一言が愛に溢れていて、やりきれなくて、愛しいのに切ない。

    村山氏が亡くなったのは私が7歳の頃で、きっとまだ何も考えていなかったからテレビで彼を見た記憶がない。
    ただ、聞いたことのない「はあ」という照れたような、溜息のような囁きがふと聞こえるようで、ページを繰りながら村山氏に言い知れない親近感が湧く。

    将棋は正直、何一つわからない。
    途中解説図を付けてくれているがそれさえどういう意味なのか、どれほどすごいものなのかも申し訳ないことにわからない。
    勿体ない気もする。
    けれど村山聖という人間の片鱗を見られたこの本は確かに青空を見せてくれたと思う。

  • ただ強くなりたい。そう願った青年の記録。

  • 久しぶりの感動作品

  • 「東の羽生、西の村山」と言われたほど強く、皆から愛されたが、若くして病に散った故・「村山聖」九段についての傑作ノンフィクション。病弱である彼を支えて、パンツを洗ったり髪を切ってやった師匠である森信雄七段と村山とのかけがえのない「師弟愛」の物語であり、ライバルであり互いにぶつかりあった村山達若手棋士達の「青春」の物語であり、将棋連盟に勤務し「将棋世界」の編集長であった著者大崎と森の「友情」の物語である。読後の余韻の大きさが凄く、涙腺が何度も弛んだ。

  • ノンフィクションということで手に取った。

    重い病気に侵さながらも 命を削るようにすべてを将棋の為に使って生き抜いた 村山聖棋士

    将棋に疎いので 盤面などは分からなかったけど、師匠森との絆や友人たちとのエピソードは驚くとともに、本当に魅力溢れる人であったと想像がつく。

    ひたすらに 真っすぐ ただ名人を目指し、谷川・羽生棋士を倒すために学ぶ

    ご両親やお兄さんの想いは文面にはあまり書いていなかったけど、自分のことのように辛かった事と思う。

    今年 松山ケンイチ主演で映画になるとか。
    壮絶な人生をどこまで描けるのだろうか・・・・

  • 一気に読んだ。平成には入っているけれど、まだインターネットが普及する前だから、古き良き日本の背景で、その中に必至で戦った棋士のドキュメンタリーだった。
    29歳で亡くなったというのも、自分のいまの年齢だからリアルに感じた。

    将棋を休戦した最後の一年。そのときの村山さんを思うと、胸に迫るものがあるなあ。
    どう日々を過ごしていたのか。雨の日も晴れの日もどう過ごしていたのか。
    自分がもうすぐ死ぬとわかっている中で、どんな風にふるまえるのか。
    そんなことを考えました。

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:080||K
    資料ID:92031759

    ※2013年4月の「闘病記」でも取り上げました。

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