聖の青春 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734240

感想・レビュー・書評

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  • マツケンが驚異の増量、東出くんは羽生さんそっくりに仕上げていて、役者さんて本当にすごい。これが実話なんだもんな。将棋は命を削るものなんだ。

  • 重い本だった。絶望の中から生きる目的を見つけ、努力し進み続ける強さに、最初から最後までずっと涙をためながら読んだ。もう少しだけでも幸せに生きて欲しかった。
    病気があったからこその彼の人生だったのだろうが、自分の子どもの病気を1年以上も見過ごすとは、このどうしようもない両親はさぞや悔やんでいるだろう。そして京都の灘蓮照というアホは小物で最低の情けない奴。

  • 2016.12.19読了。映画を観るにあたって読んだが、映画より100倍良い。村山九段のことは、その輪郭は知っていたが、ここまで将棋に生き、生かされた棋士であったことは、やはり本書を読むまでは知るべくもなかった。持ち時間29年の執念。そして、本書のもう一人の主人公が、師匠の森信雄七段であることも。ともかく彼らを活写する作家の筆致が見事。よく見知った人物をよくここまで客体化して書けるものだ。この処女作を書くにあたって大崎氏は退路を断っている。村山九段の生き様が、一人の作家の誕生を導いた。その事実にも励まされる。

    名言
    ・「お母さん、大変な病気にさせてしまいましたねえ」
    ・「冴えんなあ」
    ・「泳げなくても、僕は飛びこんだ」
    ・「今の俺は昨日の俺に勝てるか。」
    ・「神様除去」
    ・「死ぬまでに、女を抱いてみたい……」

    雑記
    ・なぜ姉の緑さんがほぼ出てこないのか?
    ・怒りの告発 灘蓮照、東京女子医大
    ・「肉丸君」 元ネタは『さすがの猿飛』?

  • 涙が止まらない。
    映画見る前に読んでおかなければと、Kindle版で読みました。
    天才、努力の人、病気と戦う不屈の精神、個性的な仲間たち、登りつめるストーリー。好きな要素がいっぱいですね、まったく将棋はわからんけど(笑)
    短い人生だけど、青春の日々は輝いてみえる。

  • 松山ケンイチさんが主演で映画化されると以前ちょっとした呟きがきっかけでフォロー外の方から教えてもらった。
    原作が「聖の青春」だとも。
    その後カドフェスで聖の青春がリストされていたので、これを機にと読了。

    勝手なイメージでカドフェスはわりとライトな小説が多いから、見た瞬間に「思ったより厚いな」と思ったけれど(元々講談社と知り納得)、29年の人生が詰まっていると思うとそんな簡単な一言じゃ片付けられない厚さと重みだった。

    生きることと死ぬこと。
    病院で生活していると、常に隣り合わせのこの危ういバランスにとても辛くなる時がある。
    村山氏のように子どもの頃からそんな空間にいたら嫌が応でも考えさせられたことだと思う。

    森師匠との生活のそれぞれが暖かく、心地いい。
    「冴えんなぁ」の一言が愛に溢れていて、やりきれなくて、愛しいのに切ない。

    村山氏が亡くなったのは私が7歳の頃で、きっとまだ何も考えていなかったからテレビで彼を見た記憶がない。
    ただ、聞いたことのない「はあ」という照れたような、溜息のような囁きがふと聞こえるようで、ページを繰りながら村山氏に言い知れない親近感が湧く。

    将棋は正直、何一つわからない。
    途中解説図を付けてくれているがそれさえどういう意味なのか、どれほどすごいものなのかも申し訳ないことにわからない。
    勿体ない気もする。
    けれど村山聖という人間の片鱗を見られたこの本は確かに青空を見せてくれたと思う。

  • ただ強くなりたい。そう願った青年の記録。

  • 涙なしには読み進められない作品です。

  • 「東の羽生、西の村山」と言われたほど強く、皆から愛されたが、若くして病に散った故・「村山聖」九段についての傑作ノンフィクション。病弱である彼を支えて、パンツを洗ったり髪を切ってやった師匠である森信雄七段と村山とのかけがえのない「師弟愛」の物語であり、ライバルであり互いにぶつかりあった村山達若手棋士達の「青春」の物語であり、将棋連盟に勤務し「将棋世界」の編集長であった著者大崎と森の「友情」の物語である。読後の余韻の大きさが凄く、涙腺が何度も弛んだ。

  • ノンフィクションということで手に取った。

    重い病気に侵さながらも 命を削るようにすべてを将棋の為に使って生き抜いた 村山聖棋士

    将棋に疎いので 盤面などは分からなかったけど、師匠森との絆や友人たちとのエピソードは驚くとともに、本当に魅力溢れる人であったと想像がつく。

    ひたすらに 真っすぐ ただ名人を目指し、谷川・羽生棋士を倒すために学ぶ

    ご両親やお兄さんの想いは文面にはあまり書いていなかったけど、自分のことのように辛かった事と思う。

    今年 松山ケンイチ主演で映画になるとか。
    壮絶な人生をどこまで描けるのだろうか・・・・

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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