感情教育 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 702
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734349

感想・レビュー・書評

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  • ごりごりの恋愛小説だった。しかも同性同士の恋愛という要素のおかげで霞みがちだけど、異性同士なら不倫略奪系と言われる種類。
    二人の女性の恋愛の話というのはあらすじで知っていたけど、二人の母親の名前が同じだったので、半姉妹ならタブーが過ぎる…と思いながら読んだら違って安心した。


    90年代から小説を読んでいる身としては、こういった文体や描写される業の深い人間たちの生き様がとても懐かしい。
    ドライな人間関係に染まっている2020年以降の作家にはこういう恋愛小説は書ける人は少ないだろうし、流行りもしないんだろうなと思った。

  • 2022/06/08-06/14

  • 主人公の2人の女性を中心に、夫々の恋愛相手、家族の立場に立った感情。幸せなように見えてそうではないそれぞれの孤独。

  • 何と言うか…壮絶、波乱万丈とはこんな人生を言うのかな…と、改めて思った次第です。
    生まれた日に病院に置き去りにされた那智。施設で暮し、その後、養父母の家で育つが、養父の暴力に怯える日々。
    そして育った環境が似た理緒との出会い。奇しくも母親の名前が同じ喜和子。母親は、同一人物なのかと思っていた。いつ姉妹とわかるのか?!どう繋がるのか…と思いきや、そこは違ってた。
    二人は急速に近づき、濃密な二カ月間を過ごすのだが、別れが訪れる。悲しみを越えた、痛々しさが文章にあふれている。
    そんな色んな、紆余曲折と無理難題を乗り越えて、二人が再会するラストに安堵する…そんな今までに読んだことのない小説でした。読み終わってもしばらくは放心状態。そんな感じ。

  • 恋がしたくなりました。

  • はじめて読んだ中山可穂さんの作品です。

    読みやすかったし、イメージしやすかった。

    愛を貫き通した2人は素晴らしいけどやっぱり自分はアンチ不倫です。

  • 旅の移動中など時間つぶしに購入(8/20)
    以前、同作者の「白い薔薇の淵まで」を読んでいたので、なんとなく手にとりやすかった。

    相変わらず一気に読ませる文章。
    内容的に好き嫌いは分かれると思うし、私も1回読めばいいかなと思う(読了したので図書館かブックオフへ持っていく予定)

    伝わってくる必死さがいい。

  • 互いに複雑な家庭で育った那智と理緒の恋愛もの。
    思ったよりも抵抗無く、普通の恋愛として読めたかも。
    むしろ、同性愛だとピュアに感じたのは気のせいなんだろうけど。

  • 同性同士の恋模様もさることながら、幼児期の体験が及ぼす影響について考えさせられた。親と子の絆や嫁と姑など盛りだくさんで、疲弊するかと思いきや、あっという間に世界に引き込まれる。
    記憶に残る作品ではある。


  • それぞれの生い立ちの話が長くて、2人の物語みたいなものがあまり語られてない気がした。
    2人のキャラクターがいまいちつかめない。
    個人的にはマラケシュ心中のが好き。

著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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