感情教育 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734349

感想・レビュー・書評

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  • 28.5.30読了。
    やっぱり登場人物の恋愛に対する自己満感がすごい。

  • 一体どのような感情教育なのだろうと思ったら・・・
    私の想像しているものとずいぶん違った展開だった。
    『置き去りにされた子供』というテーマなのであるが・・

    作品は三つに分かれていて
    那智 という名前の女子の 成長
    理緒 という名前の女子の 成長
    理緒と那智の出会い そして 葛藤。

    言い回しが ちょっと くねくねしているのがいいのだろうか。
    はまる人には はまる作品なのだろう。

    那智は 置き去りにされた子供だった。
    那智にとって
    『世界は灰色に塗りこめられて
    色彩を失った雨降りの街のようだった。』

    那智は 南くんにであい、・・・
    デザイン学校に行き 
    男と付き合い ルミコという女子にあこがれる・・
    内装の仕事をし始めて・・・
    佐竹という男に出会い・・・ボロボロになる。

    建築士の資格も取り 順調に仕事は進む。
    ついに耕一と結婚して 子供も生む。
    子供を生むというのは どういうことか知りたかったのだ。

    生んだ子供 れい にたいして 那智は
    『子供と自分が一体化して切り離せないものであるという
     感覚が異常に強い・・』

    結婚 7年目にして転機を迎える。

    理緒は 父親からすてられ・・・
    母親は 自由気ままな ホステス稼業にいそしんでいた。
    理緒は お寺の実家に預けられて育てられた。
    理緒は そこで 屈折していく・・・。

    女性にしか魅力を感じない 理緒は・・・
    演劇にのめりこみ そして フリーライターとなる。
    (理緒が 中山可穂 なんでしょうね・・・

    理緒は 同性愛者の 記事を書いているうちに
    運命的に 那智と会う・・。
    二人の間の揺れ動く物語が・・・・。

    ふーむ。
    愛し合う ということが こういう形で表現されるのか?
    理解できないことが 世の中には 多くあるものだ。

    人間は 制約の中に生きていると思う。
    置き去りにされたことによって その制約が
    どこに向かうのか?
    那智と理緒は ハッピーエンドのようで 
    違った道を歩いていく・・・・。

    那智の娘 れいは それをどう受け止めて
    次の時代に羽ばたくのだろうか?

  • 絶版だったから中古で購入(^o^;)
    この著者の代表作だと思って期待しすぎてたからか、若干拍子抜け感あるぅ~…この人の本を初めて読んだ時は、衝撃受けたし面白いと思ったけど、後は何を読んでも同じに感じる。
    なんだかどの話も似てて…(((・・;)"

  • とにかく目の色が変わる想いをした自分の恋を、書きたくて堪らないから書いた、というような感じ。作者が小説と混在しすぎて、読んでいていたましい、ではなくイタイ。二人が前世からの運命の恋人だと感じる必然性がわからない。また、これだけのゴタゴタがたった2ヶ月の間の出来事だったというのに、大人のやることではないと興ざめ。感情教育、というタイトルも「うまいことを言ったつもり」のレベルで、うまいことを言ったまでに至っていない。稚拙な作品だと思う。でも恋愛関係に性別は関係ないことはよく書かれていたのと、最後の1文にうっかり泣いたので星2つ。レズ小説じゃないのがあって、暇で100円ならまた読んでもいい。

  • 同姓愛に関するもの

    泣ける小説と聞いて読んだもののあまりくるものはなかった。

    自分は冷淡なのでしょーか

    登場人物に無理やりタイトルを言わせてる感じや、自分にとって違和感のありすぎるセリフが駄目でした。

    これを読むと結婚に夢をもてなくなる・・

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    前世から契りあった恋人はあなたですか?
    今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。
    傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。
    同性同士の愛の極北を描く、山本周五郎賞受賞作家による傑作長篇。

    -------------------------------------------------------------
    感情教育というタイトルに引かれて借りてみたんだけど
    うーん・・・
    イマイチだったかなぁ。

  • 中山可穂の「私小説ではないが、私的な小説」になるらしい。
    親に捨てられた過去を持つ二人の女性・・・建築士の資格を持つ人妻の那智と、フリーライターで独身の理緒の生い立ちが語られ、その二人がやがて出会い、激しく愛し合う姿を描いた物語なのだが、理緒が作者と重なる部分がある、ということだろうか。
    ただ、その「私的」な部分を意識したのか、作者と登場人物の視点に距離があり、ふたりの人生を第三者の立場で語る、というスタンスから踏み込まないために、いまいち登場人物に感情移入することができなかった。
    物語自体は非常に中山可穂らしい、彼女の原点ともいえる内容。

  • 読んだ後には疲れがどっと出た。
    子供が絡んでくるとどうも馴染めない。

  • 何だろう、ヘテロには決して理解出来ない切なさだとかが今回の話では特に際立って表れず。男に抱かれていながら頭の中では女性に想いを馳せる方法で乗り切るやり方は、自分だけではないのだな、と、これは個人的な話。展開が読めてしまう話運びにガッカリ。100%純度な恋愛モノだからかな…星は2つ。

著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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