マークスの山(上) (講談社文庫)

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著者 : 高村薫
  • 講談社 (2003年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734912

マークスの山(上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 20年ぶりに再読。最初に読んだときは警察官同士の確執のすさまじさが、事件そのものよりも印象に残ったものだったが、それは変わらなかった。作者の問題意識の中に、政治的な圧力によりわれわれが真相に届かないというもどかしさというよりも怒りというのがあるが、それを刑事たちの心情にたくして、その重層さを同量の活字で表現しようとする高村節が心地よい。疲れるけど(笑。

  • 終盤にかけての緊迫感が印象に残った作品。

  • 早く先が知りたい。でも急いで読んで読み飛ばしがあると、ヒントとなる部分が抜けてしまって、やっぱりスピードがあげられない。そして!

  • 書棚整理の途中に見つけ、一気に読みました。
    おかげで片づけは中途半端のまま。
    さて、なぜこれほどのめりこんだかというと、
    昭和の終わりから平成の初めにかけての
    懐かしいにおいに引き寄せられたからです。
    まだ携帯電話も防犯カメラも一般化していない時代。
    公衆電話にテレフォンカードを差し込み、
    大きく膨らんだ手帳を開いてメモを取り、
    コンビニからファクスを送る。
    あと、張り込み中に一杯ひっかけたりもして。
    刑事のアナログ的泥臭さがものすごくかっこいいんです。
    地を這う人間たちの息遣いが重苦しくなりました。
    若い人たちにとっては古典的な感覚かもしれないけれど、
    合田と同年代の私にとってはつい昨日見た夢のよう。

    警察側の精緻で冷徹な感じを受ける描写とは対照的に、
    「若い男」の目から見た世界は、きわめて感覚的です。
    この正反対の二者が対峙する時がいつになるのか、
    読者は今か今かと待ち望んでいるのですが…

    帯には「警察小説の金字塔 全面改稿」とあります。
    ならば改稿前の物語とはかなり違っているのでしょうか。
    ぜひ前の物語も読んでみたいものです。

  • そもそも山って人智の及ばない存在であり、不気味さを多分に含んだ恐ろしさがあるけど、それがこの物語のマークスという存在と相まって、作品に底が見えない暗さというか不気味さを常に覗かせている。
    合田刑事のパートは警察や様々な組織の様々な思惑と駆け引きが錯綜し人間の欲望なんかがドロドロしているけど、恐ろしさはないから安心して読めるもんな。
    マークスとは何なのか、〈山の話〉とはなんなのか。どんな結末になるのだろう。
    そして合田刑事と加納検事の何とも形容しがたい関係もどうなのだろう。どうなるのだろう。
    下巻が気になる。
    (2016.2.5)

  • 全面改稿!!
    第109回直木賞受賞作

    警察小説の金字塔
    21世紀、33歳の新生・合田雄一郎、登場

    「俺は今日からマークスだ! マークス!いい名前だろう!」――
    精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークス。南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。被害者たちにつながりはあるのか?
    姿なき殺人犯を警視庁捜査第1課第7係の合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。

    合田雄一郎は音一つなく立ち上がった。
    33歳6ヵ月。
    いったん仕事に入ると、警察官僚職務執行法が服を着て歩いているような規律と忍耐の塊になる。
    長期研修で所轄署と本庁を行ったり来たりしながら捜査畑10年

  • 序盤から没頭。佐野、戸部の山梨県警コンビがいい味出してる。合田の登場シーンがかっこよすぎる。ごつい話なのに読みやすいのは高村さんの手腕なんだろうな。

  • 山の事件とその後の事件の関わりがだんだん明らかになってくる!!

  • 旅行中なのにハマってしまい寝ないで最後まで読んでしまった。
    捜査一課の面々が面白い。

  • ・あらすじ
    犯人を捜す話。犯人はバカ。
    ・かんそう
    プロローグは最高。それ以外は全然だめ。

  • 高村薫のサスペンス小説。
    南アルプスの北岳がキーとなってストーリーが展開していく。
    犯罪者マークスを追っていく刑事。過去の山岳部仲間で現在の社会エリートたちの過去の犯罪が現在進行形の犯罪とシンクロしていく。
    展開にぐいぐいと引き込まれていく。
    昔も読んだのに全然覚えていなかった。

  • 昭和51年秋。すでに積雪の季節を迎えた南アルプス連峰の一角で、飯場に住み着いた労働者が登山者を誤って殺害。同じころ、同じ山中では一家心中事件がおきていた。
    そして平成元年、豪雨に洗われたそこで、土砂崩れ跡から身元不明の白骨死体が発見される。
    さらに時は流れ、平成4年春。東京で“マークス”が動き始め、事件はおこる。最初はやくざ崩れの男、次に検事、さらに――。一見、なんのつながりも見出せないいくつかの事件に秘められた関係を、警視庁捜査第一課七係刑事・合田雄一郎が追う。

    心の内に抱える暗い山と明るい山。
    光と影の世界を3年毎に行き来する寄る辺ない精神を持つ青年・マークスが引き起こす連続殺人事件。南アルプスでおきたいくかの事件が、16年の歳月を経て一人の殺人者を生み出してゆく過程を硬質なタッチで描く。

  • 警察の登場人物が多くて、かつ灰汁が強いので人物の特徴を掴むのに疲れる。また冒頭から物語の伏線になることが明らかであろう出来事が多いので上巻は集中力を必要とした(私なりに)。必要な事柄は上巻に全部出てきたのだろうから後は物語に集中するだけにしてほしい。この登場人物や伏線を理解して読み進めることができれば読み応えのある本と思う。下巻に(も)期待。

  • <上> 2003/6/25 読了
    <下> 2003/6/28 読了

  • 合田雄一郎シリーズらしい。
    警察用語がやたらとでてくるので最初は戸惑ったが、犯人と刑事が繋がるまでの描写が細かく描かれ、いつ繋がるんだ?と思いながら読み進んだ。権力に抗おうと懸命にもがく刑事達を尻目に犯人は殺人を犯していく。
    MARKSの頭文字の5人達は自分が狙われる理由を理解できぬまま、戦々恐々としていく。結局、狙われた5人のうち二人が生き残り犯人は山頂で死んでしまうわけだが、MARKSの意味がわかってからの展開はいまいちな感じがした。結局、犯人が精神に異常をきたしていたから捕まえて自供させても面白くないと判断したのだろう。

  • 重厚な文章と内容。数年前、序盤でつまずいてしまいまい読むのを断念したのですが、他に読む本がなかったので(笑)再トライ。

    詳細まで理解することを諦めてストーリーだけを単純に追いかけて、この物語の奥深さが垣間見えました。これでしっかり理解しつつ読んだらもっと奥深く感じられるんだろうなあ。しかし文章がどうにも難しい。でもすごい。すごいということだけはわかる。そして理解できない部分があるにも関わらず、先へ進ませる力がこの本にはありました。

  • 合田刑事シリーズの中でも断トツで好きな小説
    警察側と犯人側の描写の中でも

    犯人が雪山に登っている時の心理描写が秀逸
    山を登るという行為が人生を山に例えていて

    追いつめられているはずなのに、どこか開放感があり、
    同時にとてつもなく切なさを感じた

  • 著者本と言えば『李歐』の桜がお気に入り。さて、本作であるが、形式は佐々木譲や、今野敏、横山秀夫などと同じ警察小説。しかし何かが違う。はっきり言って読みにくい!漢字多めだが、特に難解語句が使われている訳でも、哲学・思想が語られる訳でもないのになかなか頁が進まない。同じ文を何度も読み返したりする。よく言えば硬質な文体、悪く言えば...  著者はドストエフスキーを好むらしいが、その影響かと想えば懐かしくもある。上巻末で某山岳会の存在がクローズアップされる辺りから俄然面白くなる。高村文体にも慣れたところで下巻へ。

  • マークスの山(上)目次

    一 播種
    二 発芽
    三 成長

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