- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062734912
感想・レビュー・書評
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文章が長すぎて読みづらい
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助走長い‥‥面白くなるのかこれ?という不安で前半を読み終える。
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南アルプスの山奥で起きた殺人事件から物語が始まるが、早々に舞台は約10年後の東京に移る。そこで連続殺人事件が起き、主人公はそれを追う刑事課の刑事。ただ読者には早くから、その犯人が、精神的に病んだ人物なのだろうということはわかっている。それをどのように追い詰めて行くか、刑事の様子の描写が細かい、警察小説のような雰囲気。
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とにかく魅力が多すぎてどこから書いていいやら。著者の直木賞受賞作にして刑事合田雄一郎シリーズ第一弾。
精神に「暗い山」を抱える殺人者マークス。昭和51年に南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後の平成4年に発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。目黒で頭部に穴をあけられ殺害された元暴力団員・畠山宏と王子で同様の手口で殺された検事・松井浩司。被害者たちにつながりはあるのか?姿なき殺人犯を警視庁捜査第一課七係の合田雄一郎刑事が追う。
圧倒的な迫力で終始鷲掴みにされる。この重厚感は他の作家では味わったことがない。人物の造形が巧みで、どんな脇役でも描写が緻密で手抜きが一切ない。それが作品に奥深さを与えている。
合田刑事の煩悶は、読者のそれとなり、怒濤の勢いのまま下巻へ。 -
直木賞受賞作品
しかし、読みにくい。そして個人的な評価はいまいち(笑)
上巻では南アルプスで起きた事件から描かれ、さまざまな事件が発生。
これが、どんな風に繋がっていくのか分からず、淡々と読み進めてしまいます。
それだけでも読み進めるのが辛い。
さらには、ストーリ展開がのろくて、イライラします(笑)
さらにさらに、捜査にあたっての警察内部の権力闘争(捜査権争い)はちょっとうんざり。
そして、これがあちこちで長く描写されていて、いいかげんいやになります。
さらにさらにさらに、刑事通しの愛称がかなりいまいち。(っていうかなんか気持ち悪い)
で、その愛称でキャラが立っているわけでもない!
そして、犯人マークスは精神障害者で、その異常性がまたまた理解できません。
マークスの意味は??
マークスが狙っていると思われる暁成大学OBの蛍雪山岳会との関係は?
結局、山で何が起きたのか?
そんな展開です。
いずれにしても、上巻はかなりいまいちの評価です。 -
20年ぶりに再読。最初に読んだときは警察官同士の確執のすさまじさが、事件そのものよりも印象に残ったものだったが、それは変わらなかった。作者の問題意識の中に、政治的な圧力によりわれわれが真相に届かないというもどかしさというよりも怒りというのがあるが、それを刑事たちの心情にたくして、その重層さを同量の活字で表現しようとする高村節が心地よい。疲れるけど(笑。
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書棚整理の途中に見つけ、一気に読みました。
おかげで片づけは中途半端のまま。
さて、なぜこれほどのめりこんだかというと、
昭和の終わりから平成の初めにかけての
懐かしいにおいに引き寄せられたからです。
まだ携帯電話も防犯カメラも一般化していない時代。
公衆電話にテレフォンカードを差し込み、
大きく膨らんだ手帳を開いてメモを取り、
コンビニからファクスを送る。
あと、張り込み中に一杯ひっかけたりもして。
刑事のアナログ的泥臭さがものすごくかっこいいんです。
地を這う人間たちの息遣いが重苦しくなりました。
若い人たちにとっては古典的な感覚かもしれないけれど、
合田と同年代の私にとってはつい昨日見た夢のよう。
警察側の精緻で冷徹な感じを受ける描写とは対照的に、
「若い男」の目から見た世界は、きわめて感覚的です。
この正反対の二者が対峙する時がいつになるのか、
読者は今か今かと待ち望んでいるのですが…
帯には「警察小説の金字塔 全面改稿」とあります。
ならば改稿前の物語とはかなり違っているのでしょうか。
ぜひ前の物語も読んでみたいものです。 -
数年前に一度読んだのですが、文庫で大幅書きかえされたということで、文庫の方を再読!
相変わらず一気に引き込まれる高村文学!