最悪 (講談社文庫)

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著者 : 奥田英朗
  • 講談社 (2002年9月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735346

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最悪 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 後半に向かって、3人の人生が交錯して行く流れは、
    それがユニークでいて読んでいて引きこまれっていった。

    同じシーンをそれぞれの3人の目線で描いていて
    心理描写、臨場感がより伝わってきた。

    人生は最悪な方向に向かっていくのだが、
    最後はホッコリとさせてくれる締め方だと思いました。

  • 鉄工所社長の川谷さんの部分が一番「最悪」。キュゥゥとなった。

  • 全ての話が最悪の方向へどんどん転がり落ちていく様子が容赦なく書かれており、読み進めるのが痛かった。
    最後、全てが明るみに出て、それぞれの人物がこれまで持っていたものを失くしたけれど、でも少なくともこれ以上追い詰められていくことがなくなったのにほっとした。

  • 感想を一言で述べるとしたら、
    本当に「最悪」です。

    3人の主人公の最悪な日々。
    前半は救いようのないもどかしさに、
    なかなか頁が進まなかったな。

    けど、後半は帯タイトルに
    「三人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める」
    とあったように、一気にハマって読めました。

    一体どこが人生のターニングポイントかわからないけど、
    自分が日々「最悪」って思ってしまう出来事って
    本当に些細なことで、恵まれていると実感しました。

  • 主人公たちが不幸すぎて途中気分が悪くなるくらい。ただ、ラストは希望がある。

  • 川谷鉄工所の社長、川谷信次郎と銀行員の藤崎みどり、パチンコとカツアゲで生活するチンピラの野村和也。普通に生活を送っていれば 全く接点のない三人が、それぞれにこんなはずじゃなかったというような運命を辿っていき予期せぬ事件から思いがけなく遭遇する。
      
     最近の犯罪小説や映画は、まず始めに事件ありきなのに対し、この作品の前半は登場する三人の普段の生活が代わる代わる描かれているだけである。しかしそのことにより登場人物一人一人に焦点を当てることになり、結果として後半部分をますます引き立てている。
    確かに新聞に載らないような小さな事件というのは、些細な気持ちの変化や一瞬の感情の爆発によって起きるのかもしれない。
     最初に人物ありきで始まるからこそ、事件前後の心の変化がとてもリアルに描写されており、その心の変化を読み取ることができるのが非常に面白い。これこそが人の内面に視点を当てた奥田英朗作品の醍醐味なのであろう。 
     大好きな奥田英朗作品七作品目読了。

  • 三人の人間が徐々に最悪に向けて転がっていくだけのお話。

    じわじわと、悪いことが重なっていくのが
    地味にこたえる作品でした。

    川谷も、みどりも、野村も根はいい人なんだけど
    最悪な事って突然やってきて
    どんどん人間を引きずっていくんだなぁと

    ラストの三人が一緒になってからの展開は
    ほんと急転直下で一気に読んでしまいました。

    薄暗くて、爽快感などないけど
    なんだか悪くないラストだったと思います

    途中出てきた意地悪な人たちにザマァwwwっていう展開希望だったんですけど、そういう小説じゃないから仕方がない

  • 不況、近隣との騒音トラブル、取引先からの無理な依頼に頭を悩ます鉄工所社長の川谷。家庭の問題、職場でのセクハラ問題を抱える銀行員。やくざに因縁をつけられ、追われるはめになった和也。どこで間違ったのか、何が悪かったのか、事態はどんどん悪い方に転がっていく。 これだけの厚い本なのに一気に読ませてしまう筆力はさすが。銀行強盗のくだりあたりから3人のヤケクソ感が出てて笑えた。人間、究極の状態に追い込まれるとああなるのね。少し雑な感じもしたけれど(笑)それはそれで爽快。

  • 本当は読みたくなかったんだよなぁ。
    だって題名からしてそそられないし、展開は想像できるし、一歩間違えれば題名通りの気持ちになるし。
    そうやって何年も避けてきた本だけど、ふとしたキッカケで読みました。

    作者の筆力の勝利。最悪に面白かった…

    自分で何とかしようとして、でもできなくて、それでも何とかしないともがいて、更に望まない方向に流されていく三人。
    展開が読めているのに、頁をめくるのを止められない自分。
    おかげで寝不足。最悪じゃ。
    作者の勝利。すばらしい。

  • 長編だけど、3人のそれぞれが最悪な状況になっていくのはリアリティーがあり、おもしろく読めた。最後は、うまく3人をまとめた感があり、もっとひねるか、タイトル通りに救い様の無い終わり方でも良かったのではと思う。

  • ストーリー的には読んでいて読んだことある感がずっと付きまとう作品だったが、面白いとは思う

  • 最後の最後で少しだけ爽やかになるけど、それでも読後感がものすごく重く残る作品でした。面白い。

  • 「無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。」
    確かに。交差してからはすんなり読めた。それなりに面白い。でも交差するまでがちょっと退屈。
    読後感がよくない。
    町工場のおじさんがテンパる描写はすごく巧い。

    あと解説がひどい。これは作品に責任はないけど。

  • もう、まさに「最悪」!

    信次郎が立て看板に動揺し、太田に怪我をさせてしまうあたりから、
    たたみかけるような最悪の状況の連鎖!

    読んでいて胃をぎゅっとつかまれているような息苦しさ。

    しかし3人の主人公の人生がつながり、逃亡するあたりから
    、先にも行けず後にもひけない感じが最悪すぎてもうなんか
    笑ってしまう!

    信次郎のご乱心っぷりがもう、、
    恐ろしいんだけど、おもしろい!

    最悪の状況もいくところまでいけば笑い話になってしまうように感じた。

    最後に3人のその後の生活ぶりが描かれていたが、
    そこには一筋の光や希望を見いだせてよかった。

    みんなそれぞれに傷をかかえ、玉虫色の終わり方ではないところ
    が現実味があった。

    もちろん完全なるハッピーエンドではないんだけど、
    そこが逆に希望を与えてくれた!

    邪魔も読むぞーー

  • みんなが破滅に向かっていくストーリーで、かつリアリティがあるので読んでいてしんどい部分も多いです。
    それでも、主人公が歩く道の質感や周囲の建物、職場の雰囲気、空の色まで想像できそうな周辺環境に促されて読んでしまう。
    どれだけ取材をしたらこんなに詳細な描写ができるのだろうと感嘆してしまいます。

  • スピード感もあり面白かった。絶対一気読み。でも「オリンピックの身代金」の方が面白さでは上、まったく関係のない3人が、最悪になっていき、最後に出会い加速する。終わりがもう少しひねって欲しかった。わりと普通の終わり方。和也がこれでもかとやくざになぶられる所は迫力あり。物語とはまったく関係ないが名古屋弁の「たわけ」の語源がためになった。

  • あーもったいない読み方をしてしまったことを悔いています。ものすごくおもしろかった。
    長編ですが一気に読み上げるべきでした。

    三人三様の主人公。共通点といえば、いい人すぎて損を背負い込んでしまうところ。この三人が巡り合いさらに不幸な方向へと加速していく。まさにタイトルどおり『最悪』な状況へと…。
    最後も三人三様。でも、ちょっとだけ上向きなかんじで『最悪』からは脱出できたみたい。ちょうどいい身の丈にあった幸せへ向かいつつあるのがいい。

  • 資金繰りに悩む町工場の社長、セクハラに悩むOL、ヤクザに追われるチンピラ、相違う3人のストーリーが絶妙に絡む群集劇。読み始めると止まらないストーリーとテンポ、そして読み易さ。長編も十分イケる奥田英朗の筆力に脱帽。町工場社長に感情移入、OLにイライラ、チンピラにはハラハラしながら重なり合うストーリーにワクワクしながら読み進める。最後はドタバタし過ぎの印象があり少し残念やけど誰も死なず読後感もサッパリ!面白い!

  • 会社を守ること、子供を進学させること、近視眼的にしか頭が回らなくなり半狂乱、錯乱する経営者。救いようのない和也の転落のさまは因果応報の教訓のようであり、極限状態でのみどりの変節も他人事とは思えなかった。それぞれに小説の中のお話ではすまされない切実さとリアリティがある。刻々と気持ちが揺れ変化する様がまことに精緻に描出されている。暗い予想が心を覆っていく中、最終盤のドタバタではちょっぴりニヤつくこともできた。何だかんだ言いながらそれでも生きている皆にホッとしたりもした。

  • 奥田英朗さんは、人間のネガティブな側面をごまかさずにきちんと書くとこが好きだけど。この作品はちょっと読後感が自分には悪過ぎた(笑) タイトル通り、何人かの主人公たちに最悪な出来事が降りかかっていき、そもそもは別々の赤の他人たちがだんだんからんでいくというその展開はすごい面白かった。 ただ、これだけ悪いこと続いてたら少しは救いがあって終わってもいいよねという期待を裏切る結末! いや少しは救いがあるようにかかれてはいるんだけども。 甘っちょろい、んなわけないだろというような終わり方にしないところが、さすが奥田さんという作品ではあったけど、自分にとってはもう少しハッピー気味に終わって欲しかった(笑) わがままな読者w

  • 途中まで読むのが苦痛だけど、段々引き込まれるものがあってなかなか。平凡の延長に狂気の世界があるところが怖い。

  • おもしろい!
    登場する3人がリアルに描かれてて川谷やみどりや和也に自分がなったかのように入り込んで読めた。クライマックスで最悪の状況の中3人が出合う時、主観がパッと変わる感じがなんだかちょっとタランティーノのパルプフィクションみたい。
    どんな人でも愛おしい部分があるんだなって実感した。

  • 関係ない3人の話から、ある時をきっかけに3人が繋がる。
    それぞれの話がいい意味で人間くさくて引き込まれた。

  • 非常に構成がよく考えられていて、後半怒濤のように人々の関係が絡まりあう所が凄い。
    しかし、それぞれの人のエピソードがあまりに最悪過ぎて、町工場のエピソードなんて読んでいて辛くなる。
    空中ブランコは読んでいたが、最初同じ作者であることに気付かなかった。
    それくらい印象が異なった。

  • 日常に起こり得そうな小さな最悪が積み重なって、最悪な人生になっていくリアリティと心理描写が絶妙。
    「あぁ…もぉ…」と思いながらも群像劇が好きなせいもあり、読み進めずにはいられなかった。
    みんな悪い人じゃないのに、悪い人じゃないから、落ちて行く感じに引き込まれたかな。

    インザプールとは全く違うけど、やっぱり好きです。奥田さん。

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