文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

  • 5008人登録
  • 3.91評価
    • (868)
    • (570)
    • (1027)
    • (18)
    • (7)
  • 458レビュー
著者 : 京極夏彦
  • 講談社 (2002年9月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (1408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735353

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「あなたが―蜘蛛だったのですね」冒頭1行目から真犯人と対峙する陰陽師の男。敵はこの事件の作者だと断言する探偵。目つぶし魔と絞殺魔と黒ミサ、関係無いかに見えた事件は、全て蜘蛛の巣でつながっていた。登場人物は誰も作者を指弾できない―あなたは最終ページまでに蜘蛛に気付けるか?
    P.N.シンさん

    OPACへ ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000091712

  • 機会があればもう一度借りて読む。
    探偵たちその他お仲間が、思春期のこに受けそうな設定。シリーズはじめから読んだ方がより面白そう

  • 女性の両目を串刺しにする連続猟奇殺人。名門お嬢様学校を跋扈する呪い。登場人物も動機も、何もかも異なる2つの事件の被害者は同じ。
    2つの事件の大本の首謀者は果たして存在しうるのか。
    京極堂、榎木津、木場をも搦め捕り、雑司ヶ谷、小金井まで遡る蜘蛛の巣の中心にいるものは誰かを

  • ★5.0
    再読。「あなたが…蜘蛛だったのですね」、何度読んでも巻頭と巻末のこのセリフにゾクゾクしてしまう。そして巻末に辿り着いた後に、また巻頭の数ページを読み返してしまう。目潰し魔と視線恐怖症、絞殺魔と女学校の闇、夜這いと売買春等、出てくるテーマは多岐に渡るものの、その全てが必要不可欠でひとつでも欠けると歪になる。それは作品全体にも言えることで、中心となる犯人=蜘蛛の姿が見えないながらも、骨組=張り巡らされた巣が強固で不在感は抱かせない。彼女の笑顔があまりに悲しくあまりに辛く、ただただ居た堪れない。

  • ミステリーの構成は良い。人間関係とバイアスについては読むべき所が多い

  • 一番分厚い文庫本らしい本作を、圧倒的重厚感とともに読了しました。会話文主体でサクサク読めるとはいえ、それでもさすがに結構時間かかったす。登場人物がごっちゃになってくるっていうきらいはあったけど(美人姉妹なんか特に、誰が誰だか…)、それでもさすがに長い物語の中では、それなりの輪郭が掴めるようにはなったし、そんなに大きな問題ではなかった。色んな要素が絡み合いながら、最終的に中心に居座る蜘蛛に収斂していく展開は、ドキドキスリリングなものでした。京極堂が半分以上読み進むまで出てこなかったり、関口が最後の50ページくらいしか出なかったりっていう、違う意味での驚きもあり。女郎を題材に繰り広げられるフェミニスト論も興味深かったです。

  • この作品でいう絡新婦というのは男社会や家を「絡」め取る「新婦」人、という意味なんだろうか。
    過激派フェミニストの葵が良い。最近は男尊女卑はお断りのクセに合コンや婚活ではモテカワファッションで男に媚び、お茶汲みなんかやらせたらセクハラで訴えかねないクセに仕事が嫌になったらやっぱり女は家庭よね!と婚活しまくるフェミビッチが多いから、多少思想が過激でも一貫してるだけ立派だと思う。
    里村はズブリズブズブの場面で「看護婦さんが不足してる」と言っているが、この時代は戦中の影響で急ごしらえの看護婦を増やしすぎた結果供給過多になりむしろ看護婦が余っていた時代なのでは?看護婦不足で看護婦が優遇されてて引く手数多だというのなら、なんで降旗の元従軍看護婦の愛人が娼婦やってるの?
    京極堂がフェミニストを自称するシーンは笑うところなんだろうか。年に何度か妻が実家に帰るのがわかってるのに家事を習得しようとせず妹に夕食を作らせる男のツラ下げて…。(京極堂が敦子に夕飯を作りに来いと言ったワケではないがやろうとしないのは誰かにやれと言っているのと同じ)アレか。「他の女が女権を主張拡張するのは大いに結構だが、自分のカミさんは良妻じゃなきゃ嫌なの!」ってやつか。
    木場修がヒモと化した旗ちゃんに先越された感を感じたり旗ちゃんがお潤を「粋だ」と言っていた理由がよく分からなかった。学歴を生かした仕事につかないことのどこが「粋」なんだ?学費を出した親と自分が受かったせいで受験に落ちた人に申し訳ないと思わんのか。そもそも高学歴であることを誇らないのと学歴が生かせない職業につくのって関係なくない?

  • 百鬼夜行シリーズの中では、魍魎の匣と並ぶもしくは超える名作かなと。
    とにかく人がたくさん死にます。死ななくてもいいのに、という人までバッタバタと死にます。でも死ななくていいのに、という人までもがどんどん死んで、事件の発生、広がりがとまらないところがこの話の大きなポイントなんだよなあ。
    真犯人である蜘蛛の闇の部分、この闇はどこからくるのか。想像してみる。どんな過去があるにせよ、そんなのは関係なく、事実は恐ろしいほど深い闇があるってことだけなんだなあ。背筋凍るで。
    ジェンダーだったり、女性というものがひとつのテーマとなっていますが、同じ一つの存在や行為が神性をもつことも、卑しいものとして見られることもある。
    どんな視点も存在するわけだ。気づけば正反対の認識さらされていたりもする。
    そう思うと崇高なものも下卑なものもこの世にはないのかもなあ。

  •  ひとがいっぱい死んだのでとてもかなしい。
     最後まで読んで本を閉じた瞬間がとても悲しくて、時間をおいてから最初の場面を読み直して少しだけほっとした。多分これもまた何処かで大きく関連してくるんだろうなあという気がするけれど、すくなくとも彼女主導ではもう連鎖しないんだ……。
     誰もが登場人物になってしまう事件に関口君が関わらなかったの面白い。でも時々名前が挙がるので、彼らは繋がってるんだなーって感じられて嬉しかった。
     最後の場面でじゃれ合ってる京極堂と関口はとてもかわいかった。悲しい気持ちはあったけど癒された。
     仁吉さんが好き。おじいちゃんかわいい。

  • 今迄『魍魎の匣』が一番好きでしたが、こちらに変わりました。桜散る妖艶な対面場面から始まり、縺れ絡まる糸を解く。

    京極先生の書く女性は何故こんなにも強く美しいのだろう。いい女と深く付き合って来なければ書けない作品だなといつも思っています。男性で此処まで女の狂気を巧みに書ける作家はいないと思う。ため息しかない。

    もう一回読もうっと。

  • 最後まで読んで、スムーズに最初のページに戻る。
    はあ〜凄いなあ...としか出てこない。圧巻。
    年末年始にじっくり読めて良かった。
    鉄鼠から大分空いてしまった。

  • 姑獲鳥で驚愕して魍魎で確信して本作はそれらを超えて、読み終えたらもうすごいのひとこと。このひとやっぱりすごい。。

  • とにかく読むには重たいが、どのシーンも必要だし、難しくてわけわからなくても読めてしまう。
    初めて読んだ時には、ホントにこの物語は収束するのかと思った。
    鳥ちゃんちょっとしか出てこないけど、偶然はワイシャツよりも生成り。いい味出てます(^○^)

  • この話の要である絡新婦が、シリーズの中で一番衝撃が強かったです、
    絡新婦はあまりにも狡猾で、周りのものを全て飲み込みつつ、事件と人の関係を操りながら、感情的で、それでいて強い、誰にも手が出せないところにいる人でした。
    京極堂と絡新婦の冒頭のシーンがとても印象的です。

  • 女は目潰し魔が殺し、男は絞殺魔が殺すーそれが悪魔の呪い。蜘蛛の計略。
    1380頁に及ぶ壮絶な事件には絡新婦の糸が張り巡らされていて、関わる者は皆、絡めとられる。
    例外はない。
    さしもの京極堂、憑物を落としても事件は止まらない。

  • まさに蜘蛛の糸。
    事件と事件と人と人が絡み合い織り成す作品。
    少しずつ明らかになる大きな蜘蛛の巣にただただ唸るしかない。
    1400頁はもちろん長いが、だからこそ深く深く描き出されることができた作品。

  • 惨殺を繰り広げる目潰し魔、そして絞殺魔。黒い聖母の呪いを匂わせ、おどろおどろしいのは変わらぬが、これまでのシリーズと比して何かしら陰気な閉塞感が薄い。女学校と女系の織作家が舞台ってこともあるし、あの榎木津探偵が腰を据えて登場してくれるのが要因だろう。地域の風習を単に男性原理の支配とするフェミニストを痛快に論破する京極堂だが、いかなる犯罪者をも異常者として捉えない彼の信条こそが最も心に響く。待古庵の今川君は存在感が高まった。関口先生はエピローグでちらりと登場。まるで友情出演だが、次回のご活躍を期待したい。

  • 「いやぁ、凄い…!」
    読むのに疲れて休憩を挟むたびに、自然と言葉が漏れてしまいました。そんな興奮しっぱなしで読み進めた百鬼夜行シリーズの第5弾。本書は1400頁を超える分厚さですが、これまでシリーズを読了してきた者としては、この分厚さは苦になりません。むしろ「その分、長いこと楽しめるじゃないか」と小躍りしてしまうのは、僕だけではないはず。

    本書では、これまでのシリーズで見られた「気味の悪さ」がどこか鳴りを潜めています。個人的に、この気味の悪さが百鬼夜行シリーズ独特の重苦しさを構成していたと思うので、本書は少し雰囲気が弱いイメージ。これは、大胆な犯行の割りに、真犯人の動機がどうも理解し難い(というか、よく解らない)ところにあるからかなと開陳。が、一方で、節目節目で急展開するこの構成力は凄いの一言。まるでジェットコースターに乗っているかのようで劇的。「姑獲鳥の夏」や「魍魎の匣」に匹敵する演出の凄みは、拍手喝采をしてまだ足りないくらいです。

    さて、年末年始に百鬼夜行シリーズを読むのが恒例になってきました。ちゃんと時間を確保して一気に読んでしまいたいからですが、これもまた、なんだかもったいなく感じてしまうのでした。

  • まさしくクモの巣のような事件
    そして、主犯格は罪には問われない
    10人以上人が死んでいるのに……

    今までの百鬼夜行シリーズの登場人物が大勢出てくるので、ここから読み始めても意味がわからないだろうな

    面白いけど相変わらずの長さ
    人には勧めずらい(褒め言葉)

  • 今回はキリスト教とジェンダー。
    新登場人物が京極堂、榎木津などの濃いキャラクターに負けず劣らず味を出せてるのは良かったと思います。
    百鬼夜行シリーズの薀蓄が好きな人からすると少し物足りないかな。

    話の構成としては面白いし、読み終わってから冒頭を再読すると、そういうことか!とわかります。

  • 長いッ!長すぎるぞ!また引用が榎木津の台詞だし!

    今回は基督教系の女学校の呪いと、目潰し魔と首締め魔という二人の凶悪連続殺人犯、富豪織作家の謎と、男性主義と女権拡張論、蜘蛛の巣の如く張り巡らされた罠。巣の中心にいるのは誰だ…?
    キーワードは理と偶然と必然?

    各節前に時折挟み込まれる物語は、事件の核心にまつわるものなのだが、それが終盤にフラッシュバックの如く目の前に閃く。これはもはや伏線じゃなくて演出だ。小説としてはすごいことなのではないかと思う。
    普通の小説は、匂わせて思い出させることが多い気がする。でも百鬼夜行シリーズの伏線は匂わせない。閃かせる。それこそ、榎木津の不思議な力のように、数百頁も前のどこかで読んだその光景が燐くように目の前に鮮烈に浮かび上がる。
    京極堂が謎を解き明かすとき、私達はその情景をもう見ているのだ。

    最近百鬼夜行シリーズを貪るように読んでいるのだけれど、どの小説も読むのにすごい時間かかるのに、読み終わったあとその「フラッシュバックのもと」を探しに行かなければならなくて、それがとても楽しいから困る。

  • 面白かったのだけど、やはり憑き物落としは難解。。ついていけるだけの頭がないのが悲しい。

    ある時代、ある文化の中でだけ機能するものがある。規範や視線が変わるとそれは機能しなくなり、意味も変わってしまう。

    無関係に見える二つの事件が、実はどちらも絡新婦が仕掛けたもの。駒が想定外の動きをしても成し遂げられる事件。知らずしらずのうちに選択肢を狭められ、自発的に選ばされるのは、恐ろしい。

  • 事件の数や登場人物の数が多かったが、ある程度最初に語られていたせいか読みやすく感じた。
    それでも縦横無尽に張られた伏線には混乱させられ、それが解かれる度にまた物語に引きこまれていた。

    これまでの百鬼夜行シリーズを順に読んで来たことで理解できたような部分も多かったかな。

    今作では女性が多く登場し、女性の権利についての舌戦も興味深かった。

  • 点と点が繋がって線になったところでハッとして、
    でもその線は1本の線ではなく蜘蛛の糸のように張り巡らされているってところでさらにゾワッとして
    オチでようやくわかる蜘蛛の正体にまた驚かされました。
    『魍魎の匣』と並ぶ、読んでてゾワゾワするこの感覚…たまりません。

全458件中 1 - 25件を表示

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)の作品紹介

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな-二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。房総の富豪、織作家創設の女学校に拠る美貌の堕天使と、血塗られた鑿をふるう目潰し魔。連続殺人は八方に張り巡らされた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。中心に陣取るのは誰か?シリーズ第五弾。

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)の新書

ツイートする