QED 六歌仙の暗号 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736886

作品紹介・あらすじ

「百人一首の呪(しゅ)」に続く驚異のシリーズ第2弾

「七福神は呪われている」明邦大学を震撼させた連続怪死事件以来、その研究はタブーとなっていた。しかし、棚旗奈々(たなはたなな)の後輩・貴子は兄の遺志を継ぎ、論文を完成させようとする。そして新たな事件が!?
ご存知、桑原崇(くわばらたかし)が歴史の闇に隠された「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。大人気シリーズ第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 読書録「QED六歌仙の暗号」4

    著者 高田崇史
    出版 講談社文庫

    p295より引用
    “「今、説明したばかりじゃないか。きみは
    すぐに前後・左右・黒白と分けようとする。
    世界はもっと混沌として存在しているんだ。
    何故、漢方と近代医学を分ける必要があるん
    だ?同じ人間の体についてのことじゃないか。
    俺は両方信じているし、同時に両方信じてい
    ない」”

    目次より抜粋引用
    “一諾千金
     二仏中間
     三界諸天
     四方四仏
     五里霧中”

     博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
    た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
    シリーズ第二弾。
     ひどい花粉症を口実に、京都への出張を上
    司から押し付けられた主人公・棚旗奈々。も
    う一人の主人公・桑原とも京都で合流するこ
    ととなり、もやもやと考えを巡らせていると
    き、大学の後輩から電話がかかってきた…。

     上記の引用は、世の中にある区別について
    の桑原の台詞。
    良いか悪いか二つに一つで判断できるなら、
    悪い方を排除するだけで物事は良くなるので
    しょうが…。なかなかそんなに簡単にはいき
    ませんね。少しずつ様子を見ながら、うまく
    バランスを取れるようになりたいものです。
     身近に昔からある縁起物の神様と歴史上の
    出来事が、糸をより合わせるように絡みなが
    ら、綺麗に結末へと向かっていきます。
    日本史と古典をしっかりと学んできた人ほど、
    より面白さを味わえる作品ではないでしょう
    か。

    ーーーーー

  • 第二弾は六歌仙と七福神の謎がテーマ。
    平安時代の和歌の位置付けは、現代のような雅な文化に留まらず、政治的駆け引きや怨念すら言霊に込める非常に重要なツールであり、当時の常識ではその効果が信じられていたという説明は、目から鱗であると共に非常に納得できるものでした。
    六歌仙と七福神の関係についての考察までいくと理解力が足りないので半分流し読み的になってしまいましたが、それでも説得力があるように感じられた。
    このような深い知識と考察を織り込んだ作品をシリーズ化できるとは、高田氏の能力は類い稀なるものだと思います。

  • 再読。
    相変わらず、きらびやかさや陰鬱さが目に浮かぶような巧みな描写でした。

    全然本筋ではないのですが、ちょうど鎌倉殿の13人を追っかけで見ていたので、史実ながらもこれからの先のネタバレ!と思いながら読んでいました。
    そういう意味では、和歌もよく取り上げられていましたし、良いタイミングでの再読だったかもしれません。

  • オーディオブックで読了( ? )です!
    QEDシリーズ2作目。前作同様、歴史特化の民俗学( ? )ミステリでした。解釈や説明がメインで「なぜそれで犯人わかるの…すご…」っと。

    読む前は六歌仙のお話なので楽しみにしていたら、序盤は七福神のお話でした。
    読んでも読んでも( 聴いても )七福神の謎しか出てこないので、少々面を食らってしまいましたがきちんと六歌仙が出てきて『七福神+六歌仙』になるとは想像できず、思いのほか楽しめました。

    学校で習う平安時代はのんびり和歌を詠み、日本庭園的なところで鞠などを使い遊んでいる貴族のイメージが強かったですが、本作でイメージが180度変わりました。いつの時代も大変なんだなぁっと。

    犯人の動機や考えには相変わらず共感出来ませんでしたが、歴史の解釈メインだと思えば全然。
    3作目も楽しみです!

  • QEDシリーズ第2弾。この作品から事件の「歴史離れ」が進行し始めるわけです。とはいっても、一部は(無理やりの感はありますが)かかわりがあるみたいです。 
 歴史薀蓄に溢れた作風には力強さが出てきたかな、という感じがする作品ですね。作者の仮説もまあ「納得」できなくもない、というか納得させられる論理を展開してくれちゃってます。ということで、まぁこの作品は結構気に入られている方は多いと思います。

  • 『娯楽』★★★★☆ 8
    【詩情】★★★☆☆ 9
    【整合】★★★☆☆ 9
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★☆☆ 3
    「可読」★★★☆☆ 3
    「作家」★★★★★ 5
    【尖鋭】★★★★☆ 12
    『奥行』★★★☆☆ 6
    『印象』★★★★☆ 8

    《総合》71 B-

  • 前回の百人一首よりも読み飛ばすところは少なくなった(笑)
    今回は七福神と六歌仙の関係を紐解いている。
    前回よりも読みやすく感じたのは、慣れとより身近な題材だからであろう。
    ダヴィンチコードが好きな人にはハマると思う。

  • 1作目よりもミステリーとしてのねりねり度が増した2作目。六歌仙と七福神がどのように絡み合ってくるのか、これを読んでしまうともう同じ目では七福神を見れなくなることお墨付きな謎解き。
    きのどくに。は正直毒を指すのだろうとは気がついたが、まさか紀の毒とは思わなかった。これを読んでから平安の日本史をさらったら面白いだろう。

  • 相変わらずの蘊蓄です

    前作の百人一首がまだ出て来る

    時代背景としてまだ携帯電話が十分普及してない

    現在なら通用しない手多数

    時代の流れの速さが見て取れる作品

    喫煙しかり

  • 六歌仙と百人一首は同じ…で何故七福神と六歌仙が同じ意味を持つのか…頭の中が色々な言葉で、人物で、まとめる事は難しい。平安時代にそこまで考えて封印として和歌を残したのか暗号にするのか…。他の書物でも調べてみたい。

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著者プロフィール




「2023年 『江ノ島奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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