月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.31
  • (104)
  • (351)
  • (932)
  • (81)
  • (8)
本棚登録 : 4131
感想 : 292
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736985

作品紹介・あらすじ

薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散していた。紅子が看破した事件の意外な真相とは。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 曖昧

  • ここ最近で読んだミステリィの中ではかなり好きな方だった。
    トリックはかなり単純。部屋に散乱する水や死体の状態など現場は複雑だったが、水槽と池の接続の伏線、館の独特な構造を考えれば正解に辿り着けても良いくらいのシンプルさだった。
    パラボラアンテナとか全く事件に関係ないのに、こちらが意味を読み取ろうとしすぎて作者の術中にハマってしまった気がする。人は意味のないものに意味を見出そうとする、作為の有無にかかわらず事象はひとしく事象である。教訓。
    探偵役の推理に粗があり、他殺の線を完全には消し切れていないところがやや引っかかったが、被害者が覚醒剤を使用していたことも踏まえると事故で結論づけて良いんだろうなと思う。
    Vシリーズ3巻目にして1番ちゃんとハマれた作品だった。最後の「キスなんかじゃ起きませんから」で瀬在丸紅子を一気に魅力的に感じてしまった。
    個人的に、前の夫である林警部をごりごり引きずってるのが自分が紅子を好きになれない原因なのだが、これはキャラクターのひとつの味だと思うので完全に自分が悪い。創作物に出てくる林警部みたいなプレイボーイが苦手だ。
    ところで、エンディングで保呂草がなんか企ててるっぽいけど、この描写って1巻や2巻にもあったっけ…
    1巻はそもそも保呂草の偽物が出てきてたのは覚えてるけど、2巻にもこんな匂わせあったか定かじゃない。
    シリーズ全体のストーリーを追うことに影響するので、なんとか前作もフォローアップしたいと思った。

  • 主要メンバーの個性が強くて面白かった。

  • 森博嗣再読中。この本は全然覚えてなかった。なんかその差が自分で意味がわからなくて面白い。

  • 最初の頃は「S&Mシリーズがまだ恋しいなぁ」なんて思いつつ読み進めていたVシリーズですが、3作目ともなると流石に少しずつ彼らに慣れてきました。
    ただやっぱりキャラクターといい内容といい遥かに濃い作品が多くて読んだ後にすっごく疲れる!
    これは私だけなのでしょうか。

    今回の話は何というか……「悪者が誰もいない話」にカウントしてもいいのでしょうか。
    いや、紅子さんが語ったことが真実であるならばそうなるのでしょう。
    けれど今回の話に関しては論理に隙間があるというか、肝心の部分を誰かの口から聞くことがもう出来ない為にそれとは違うパターンもあるのでは?と思ってしまう展開というか……。
    ほんのちょっとだけそこが腑に落ちない終わり方でした。

    そして話が進むにつれて登場人物の人間関係も微妙に変わり始めている感じが……。
    特に保呂草さん、私は最早あなたがいい人なのか悪い人なのか判断することが出来ないよ……どうなっているの……。
    4人の関係が今微妙な均衡になっている気がするので、悪い方向に向かわなければいいなぁとひたすら願っています。

    そしてこのシリーズ、ひょっとして普通の名字の人こそが普通の感覚を持っている貴重な人材なのだろうかと思ったりして。

  • 読了
    S&Mシリーズと比べてスッキリ感が少ない。

  • Vシリーズの3作目
    個人的に1、2よりは面白かった。
    S&Mシリーズ前半のような読み心地に近いかもしれない。
    保呂草さんと瀬在丸さんの関係が今後友達以上になるか、楽しみかも。
    犀川先生と萌絵ちゃんほどじゃないけど。

  • 薔薇屋敷、月夜邸と呼ばれる館の一室(オーディオルーム)で起こった密室殺人。

    紅子も七夏も好きだけど、
    二人の微妙な感情が垣間見える場面は
    苦しくなります。
    林のことも好きだけど、嫌いになる瞬間です。苦笑

    それにしても今回は、色々突飛すぎて、
    全くついていけませんでした。苦笑
    みんなもともじゃない!笑

  • 3作目にしてこれはおもしろかった!一見関係なさそうな話が最後につながったり、話のテーマが一貫していることが最後に解ったり。さくさく話が進むのでテンポが良かった!

  • なんじゃそりゃって感じだけど、このシリーズでは今のところ一番好き。

全292件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×