月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736985

感想・レビュー・書評

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  • トリックと言うか、仕掛けが大胆!
    密室の謎、不可解な現場…一体どうやって?って思ったら、なるほどなぁ。
    Vシリーズは何となく混沌とした設定と言うか、雰囲気と言うか。
    ぶっ飛んだキャラが多いから(笑)。
    キャラクター(特に大人たち)がミステリアス過ぎて何か隠してないかと疑ってしまったりしちゃう。
    小鳥遊くんや紫子さんの真っ直ぐさに癒されるなぁ。

  • 最初の頃は「S&Mシリーズがまだ恋しいなぁ」なんて思いつつ読み進めていたVシリーズですが、3作目ともなると流石に少しずつ彼らに慣れてきました。
    ただやっぱりキャラクターといい内容といい遥かに濃い作品が多くて読んだ後にすっごく疲れる!
    これは私だけなのでしょうか。

    今回の話は何というか……「悪者が誰もいない話」にカウントしてもいいのでしょうか。
    いや、紅子さんが語ったことが真実であるならばそうなるのでしょう。
    けれど今回の話に関しては論理に隙間があるというか、肝心の部分を誰かの口から聞くことがもう出来ない為にそれとは違うパターンもあるのでは?と思ってしまう展開というか……。
    ほんのちょっとだけそこが腑に落ちない終わり方でした。

    そして話が進むにつれて登場人物の人間関係も微妙に変わり始めている感じが……。
    特に保呂草さん、私は最早あなたがいい人なのか悪い人なのか判断することが出来ないよ……どうなっているの……。
    4人の関係が今微妙な均衡になっている気がするので、悪い方向に向かわなければいいなぁとひたすら願っています。

    そしてこのシリーズ、ひょっとして普通の名字の人こそが普通の感覚を持っている貴重な人材なのだろうかと思ったりして。

  • Vシリーズの3作品目!

    保呂草さんの本業が見えてきました。

    瀬在丸さん、七夏と林さんの変な三角関係が一歩前進!

    阿漕荘に新たな住人が!!


    本作は薔薇屋敷という金持ちの家のパーティー中にオーディオルームで惨殺死体が発見される!?しかもオーディオルームは密室???

    薔薇屋敷には狼男がいるらしいと言う噂がある

    金持ちの父娘、美男の居候、金持ちの愛人、金持ちの会社の人々などなど胡散臭い人々盛り沢山です!


    因みにストローで吸い上げる限界が10メートルとは、勉強になります。詳しく調べてみたいと思いました。

  • 面白い。保呂草さんの仕事が気になります。

  • 犀川先生と萌絵ちゃんの進展しない関係に食傷ぎみだったが、
    このシリーズはそんな私には新鮮で、実に楽しい。まぁ、まだ3冊目ってこともあるのかもしれませんが。

    そして密室。たまらん(笑)
    今回の密室は!!あぁ、館ではないか!!

    そちらはおいておいて、狼男の真実が、あぁなるほどそっち!!

    最近は職場の同僚が貸してくれる本ばかりで、自分の好みではないものが
    多かったが、こういうのはど真ん中!
    あっという間に読んでしまった。

  • ネタバレの内容になるが・・・

    Vシリーズのうち書店にあった2冊目。
    読了して感じたこと。やはり、「探偵」側に何か少しでもやましいことをしている人物がいると、それが本筋の事件とは関係がないにしても、個人の意見として、どうも興を削がれてしまうようだ。本作では探偵本人がというより、おなじみのメンバーの中にという意味だが・・
    なぜだろう。やっぱり私がミステリーに求めているのは「安心」したスリルなんだと思う。探偵は、謎を解く側は、やっぱり、できればまごうことなき正義のヒーローであってほしいのかも。
    古い価値観なのかもしれないが。
    また、同シリーズ第1作の時は、論理的に鮮やかに犯人を見抜いていて気持ちが良かったが、本作は、伏線などはあったものの、解答はやや飛躍的なのかなとは思った。見取り図が欲しくなってしまった。そして、最後に庭で遊んでいるものの正体は結局ぼかされている。物理学的というか力学的な面ではおそらく全く破綻がないような真相なのだと思うが、そういう生物が本当にいるのか、人が手なずけられるものなのか、まだ飼い続けててもいいの?という、生物学的?な詳細は依然ぼかされていた印象だった。
    本格ミステリをうたっているわけではないし、全体としては面白かったけれど、一部では数字を出して論証等しているのに、他方では輪郭を曖昧にしている面がある印象があった。

  • Vシリーズ第3弾。屋敷の中で起きた密室で起きた事件。事件そのものや大胆な仕掛けもあったりするけれど前2作と比べると引っかかる箇所があったりと少し物足りなさを感じた。シリーズのメンバーのやりとりは読んでいて楽しかった。紅子の子どものへっ君がもう少しでてきてくれると嬉しい。

  • 約10年前に読んで以来の再読。

    Vシリーズ3作目。
    再読と言っても、結構忘れていることが多い中、
    この本は重要な要素はだいたい記憶に残っていた。
    そういう意味では1度読めば忘れない内容、
    と言えるのでしょう。

    森博嗣作品は、読後に考察するのも楽しい。
    特にタイトルのニュアンスとか。
    私にはピンとこない場合もあるが、
    検索すれば既に色々と考察している人がいるので、
    あぁ、なるほどなぁ。と感じて楽しんでいる。
    「プレジョン商会」なんて自分で気づける気がしない(笑)

    ただ、本書のタイトルは、しっくりこないまま。
    「月見れば ちぢにものこそ かなしけれ・・・」
    と同じ感覚でしょうか?・・・違うか(笑)

  • 3+ 

    『黒猫の三角』を読んであること(ほにゃららってふにゃららなんじゃないの疑惑)が気になり、『人形式モナリザ』を読んでその疑惑を深め(ほにゃららのへにゃらら?の存在)、気になりすぎてダッシュで本作に飛びついた(同じ作者を続けて読まないという原則を守り間に1冊挟んで読む律儀さが泣ける)。 本作を読んで、前2作から繰り返されているとあるフレーズにようやく気が付いて、ああこれは、と確信。それ以外にもヒントを小出しし続けている作者の企みが怖い(こっそり詰め将棋を指してるような)。もう焦って続きを読むこともないな、じっくり行こう。というか他にも意味深なことがありすぎてこればっかり気にしていてもしょうがない。

    シリーズ長編3作目だが、個性的なキャラクターたちがさらに活発に動き始めた感がある(暴走?)。 特に紫子の言動は秀逸で大いに笑わせてもらった。また新たに阿漕荘に引っ越してきた住人と紫子とのギャップ、コントラストが見事で、物語の構成上、作者はまた大きな武器を手に入れたと言える。

    ここまでシリーズ3作を通して共通しているテーマは“認識”か。もしかしてこれがシリーズの大きな軸なのだろうか。興味は尽きない。ただ、本作の物語、というか事件およびその真相は、矛盾なく論理的な説明自体はついているものの、仕掛け自体がいまいち説得力に欠ける強引なもので、また空虚ですらあり物足りない(登場人物の作中作だから、というのは理由にはならないだろう)。 面白さの大半は多分に登場人物たちの個性・魅力のお陰とも言える。それもひとつの作品の持つ力だが、願わくばそれぞれが高いレベルで融合したものに出会いたい。

  • 曖昧

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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