だから、あなたも生きぬいて (講談社文庫 お 94-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737586

感想・レビュー・書評

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  • 壮絶な人生、青春を送る人がいるんだなぁ。

  • 「何故切腹自殺を選択したのか。」
    大平光代さんの波乱万丈の人生は、ここに集約されている。
    あらゆる苦悩も、転落も、援助も、目標の達成も、思い遣りも、すべてが人影のない草むらで、ナイフを自分の腹にあて刺すことを選んだ14才の少女の姿とこの本の表紙に映る大平光代弁護士との間の約束された道筋のように思える。

  • 一時期非常に話題を呼んだこの本を、ブームが去った今読んでみた。
    おおよそ2時間で読了。

    エピソードのひとつひとつは実は非常に重く、
    そのひとつだけで十分一冊の本が書けてしまうような濃厚さなのだが、
    この太平さんの人生においては、
    それらも今となれば所詮
    人生という織物の綾錦のひとつひとつに過ぎないという
    そんな印象を受けた。
    それほどに、この本はこの一人の女性が経験した出来事を、
    エピソードとしてさらっと積み重ねていくのだ。

    理由無きいじめ、登校拒否、家出、両親への暴力、
    どれも今の世の中にも無数の星のように散らばっている。
    ただ彼女のように割腹自殺を行うほど
    恨みのエネルギーを凝縮できる人は少ないだろう。
    そして 16歳で暴力団の妻、いわゆる極妻になった際、
    彼女が背中一杯に彫り物を入れたその意味も
    また この割腹に通じる心の叫びだったように私は思う。

    彼女が話題になったのは、しかしそこではなく、
    その後当時の司法試験に1発で合格し、
    元極妻の波乱万丈弁護士としてマスコミが取り上げた事にある。

    中学2年までしか学校へ行かなかった彼女が、
    司法試験にたった1度で合格していくその過程は、
    ちょっとした物語よりも遥かに面白かった。
    何しろ中学から高校までの英語を覚える期間は1ヶ月
    同じく数学も1ヶ月なのである。
    その期間でポイントを掴み攻略していくのだ。
    私には何か城攻めでもしているかのような、
    緊張感とスピード感をそこから感じて、
    私自身も一緒に走っているような錯覚を覚えた。


    今挫折している人や、今迷っている人には
    この本のエッセンスは絵に描いた餅にしか見えないかもしれない。
    「大平さんは できただろうけど」
    その一言で終了するかもしれない本だ。

    しかし私はこう思う。
    大平さんは、弁護士になった自分みたいになれと
    そう言っているのではないのだ。
    全て回りではなく
    「自分がどうするか どう受け取るか」で
    人生は変わっていく・・
    その一例として、自分の体験を語った、そういう本なのではないだろうか。

  • 確か、徹子の部屋に出演されていて、それがきっかけで、本を購入しました。
    読んだ当時の感想は、こんなに激動の人生を送られた方がいるんだという驚きでした。人は変わろうと思えば、いくらでも人生を変えられる。と自分の価値観の幅を大きく広げてもらえた一冊です。

  • 負けん気で、なにくそ、と踏ん張れたから、それを支えてくれるまわりの人がいたから、立ち直れたんだと思った。一番の理解者のおっちゃんのひとことがぴりりと効いている。「確かに、あんたが道を踏み外したのは、あんただけのせいやないと思う。親も周囲も悪かったやろう。でもな、いつまでも立ち直ろうとしないのは、あんたのせいやで、甘えるな!」p.142/努力の部分は、死ぬ気でがんばる、といったかんじで真似できるかどうかはわからない、という感想を抱いてしまったが。

  • 内容はしっかりしていて、何もかんじなかったわけではありませんが、「だから、あなたも・・・」と言われても「私はそんなに強くなれません」とかえってヘコむこともあるので、元気が残っていない人は読んでいてツラいかも。誰かに後押ししてほしい、言葉で勇気をもらいたい、という人にはいいかもしれません。

  • 壮絶な人生を歩んだ大平さん。
    絶望でどうしようもできない。そんな風にしか思えない人生が、たった一人でも信じて応援してくれる大人がいるだけで変わる事ができる。

    中2に割腹自殺、16歳で極道の妻、そして宅建、司法書士、ついには司法試験を一発で合格した彼女の本気。
    人生いつでも出発点。彼女の人生、そして言葉の数々に励まされた。

  • 運の下振れと運の上振れを生きるかのような人生だなと思いつつ、最後はじぶんの強い気持ちと周りの人に支えてもらいながら、弁護士にまでなってしまう強さにひきつけられる。

  • いじめの壮絶さが細かく記述されている。人は人により壊され、人により救われる。きっと非行少年達がこの本を読むことはまれだろうそもそも本を読まないと思うので。であれば、この本の意図はなんなのだろうか、読んだ人達を焚き付けるためだろうか。

  • 周囲から受けたことへの感情、行動を起こす動機、シンプルでまっすぐな姿勢、自身を顧みて今伝えたいメッセージが、小学生でも理解しやすい言葉で書かれています。
    内容は”壮絶な半生”の言葉通りで、大人からすると説明が足りず懐疑的になる方もいるかもしれませんが、複雑な説明がないことで子どもに受け入れやすく描かれている点が良書である由縁と思います。
    大人でも素直な目線で読めたなら、その人に大きな勇気を与える一冊になるでしょう。

    難しい言葉はなく、会話と感情を組み合わせた流れが多いので、読書が苦手な方にも読みやすいと思います。いろいろな人々の手に、今後も渡ってほしい書籍です。

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