幻惑密室 (講談社文庫 に 24-10 神麻嗣子の超能力事件簿)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737777

感想・レビュー・書評

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  • 超能力者問題秘密委員会出張相談員の神麻嗣子の第2弾。今回の超能力者はハイパーヒプノティズム(超催眠術)を操り、ある社長宅の外へ出れないという暗示を全員に掛けてしまうのだが、そこに社長殺人事件が起こる。いったい犯人は誰か?超能力者は誰か?おなじみの美人警部能解匡緒とミステリー作家の保科匡緒も登場して、3人で関係者を尋問し、ああでもないこうでもないと推論を出し合う。途中、保科が結構執拗に男尊女卑論を頭の中で繰り広げ、自分でがっくりきてしまうところなどは微笑ましいが、保科自体はなかなかいい人柄だと思うし、能解警部や神麻が保科のマンションのスペヤキーを持つことになって仕舞うのは、心の拠り所として二人に求められているからなのだ。事件の方はなかなか上手いトリックが仕掛けてあるし、どんでん返しがあるのもいい。

  • 「チョーモンイン」シリーズ、2冊目、読了。面白く、楽しく、読ませてもらいました!

    まず、表紙のイラストが、カワイイ!かんおみさんのイメージに、ピッタリ!

    トリックも、よく出来ていると思います。超能力が前提だと、「なんでもあり?」になっちゃうのでは?と思って読み始めるのですが…上手くできているなぁ、と感心しました。ちゃんと本格パズラーとして読ませている、と思いました。

    なんでも、この作家さんは、こういうSF(と、定義していいのかな?)チックな設定の小説を得意とされているようですね。昨年、初めて知って、少しずつですが、読み始めました。「タック&タカチ」シリーズ(このシリーズは、SF的設定は無いですね。ガチ、本格!)、この「神麻嗣子」シリーズ、あと積読中の「七回死んだ男」、等など…。

    次は、同シリーズの「実況中死」に、行こうかな…楽しみです!

  •  超能力による密室生成!? 
    ワンマン社長宅での新年会に招かれた社員4人。ふしぎな力により脱出不可となった空間で突然現れた社長の遺体、いったい誰がエスパーだったのか?超能力者問題秘密対策委員会、略してチョーモンインの相談員、神麻嗣子登場。

    西澤保彦氏の匠シリーズに並ぶ長編シリーズ神麻嗣子シリーズの一作目ですね。正確には後に書かれる短編が時系列的には先行するのですが、本作から読んで問題ないでしょう。西澤氏お得意のSFものであり、犯人捜しよりも超能力の正体及び使用者を求めることを目的としている。主人公たちが事件の当事者ではないので、事件を事後捜査する推理合戦ものでもある。人格転移のようなリアルタイム進行のストーリーを期待してたのでそこはちょっと残念。

  • 超能力殺人事件。超常現象で丸く納めてしまうイロモノかと思いきや、きっちりミステリー。超能力を使った密室で起こった殺人事件。移動する死体。動機や犯人は現代的で物足りないが、ロジックを解く楽しさがある。

  • 社長宅の新年会に招かれた4人の社員たちだが、気が付けば家の外にでることができなくなっていた。電話も通じないという奇妙な状況で、社長の遺体が発見される・・・

    シリーズ一作目。厳密にいうと一作目じゃないけど、出版順ではこれが最初の作品。超能力という存在が(密かに)認めれている世界設定だけど、論理的に謎を解いていたので面白かった。ただ、世界設定になれるまで私はちょっと時間がかかってしまいました(^^;)
    超能力者問題秘密対策委員会(チョーモンイン)の神麻嗣子と作家の保科匡緒と能解匡緒警部の3人のこれからの活躍が気になる(^^♪

  • 神麻嗣子シリーズ・第1弾。

    なんと、超能力の存在を前提とした本格ミステリー。
    とはいえ、こんなトリックが可能だったのは超能力を使ったからでした、では終わらせない。
    トンデモ設定だけど、十分楽しめました。

  • <超能力者問題秘密対策委員会出張相談員・(見習)神麻嗣子(かんおみ つぎこ)>シリーズ第一弾。
    やっと読みました。
    西澤パラレルワールド作品はよく読んでいたので、慣れてはいたものの、タックシリーズが気に入って、パラレルワールド系をちょっと敬遠しておりました。
    これまた不可思議な世界を舞台設定にして、これをうまくどう推理小説として成り立たせるのか?!こっちの方ばっかりにワクワクしながら読んでしまいました。
    そこは~さすがわ西澤氏!あっぱれ!!であります。
    ただ・・・個人的に主人公である神麻嗣子のキャラがイマイチ好きではありません。
    めんこいんですよ、見習いですからドジで天然ボケで時代錯誤キャラで。一作目だからかなぁ~、まだ彼女のキャラやこのシリーズの基本形に慣れていないからかなぁ。
    どちらかというとワトソン役の二人の方がいいわ。
    あと、神麻嗣子のペット(?)の霊験あらたかな猫のアボさんがいいわぁ~。
    こんな猫さん(私は断然犬派なもんで)なら欲しいわ。
    あまり触手が動かないシリーズです、私には^^;

  • 超能力の存在を前提にしたかなり特殊設定のミステリ。キャラのコミカルなやり取りがよい感じです。真相は意外性がありつつ、しっかり納得できる作りになっていて素直に驚くことができました。
    超能力の制約というか設定が複雑なのが、あからさまにパズル性を出すために見えてしまうのは少し残念。

  • 著者の1998年発表の第11長編で美少女超能力者探偵神麻嗣子活躍する〈チョーモーイン〉シリーズの第1作でもあります。
    超能力者がいるという特殊環境という設定はまさに著者の独壇場で、今回も設定を十分に活かした本格ミステリに仕上がっています。
    人気作家の宿命なのでしょうが、初期の作品で味わったような衝撃が薄れてしまったように感じられるのが、ちょっと残念です。

  • 【経緯】
    後輩のオススメ

    【書き出し】

    【感想】
    密室にするのに超能力を使うというミステリ好きが怒るだろう暴挙をしれっと使うこのシリーズ。
    世界観に慣れてしまえばライトノベル的に娯楽で読めちゃうか。
    作者の男性視点の女性観が興味深い。(°_°)

    【共感】

    【引用】

    【不可解】
    表紙のイラストの画風はどこの層に向けてなのか。
    萌えでもなく、児童図書のよう。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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