幽霊刑事 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 946
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737876

作品紹介・あらすじ

俺は神崎達也。職業、刑事。美人のフィアンセを残して無念にも射殺された…はずが幽霊に!?しかも犯人の上司が密室状況で何者かに殺されて…。いったい真犯人は誰なんだ!そして俺はどうなってしまうんだ!ミステリーとラブストーリーが融合、二〇〇一年度本格ミステリー・ベスト10入りの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 幽霊が主人公という設定に興味を惹かれます。

    更に、幽霊だからこそのいくつかの制約が、読んでいてとてももどかしく、主人公の孤独感がひしひしと伝わってきて、なんとも言えない気持ちになりました。

    ファンタジーや恋愛要素を加えたミステリなので、従来とは違った印象を受けるのですが、それでも小説としての面白さは変わりません。

    作者の地力を感じる一冊でした。
    また、このような作品を発表していただければと思います。

  • 物語の展開が二転三転して進んでは乱れる感じが面白いストーリーだった。
    元が犯人探しのイベントのための舞台劇であったことを考えると、わざとらしい解説もまた良しかな。

    恋愛部分のストーリーは、最後分かり切った顛末に涙。
    ミステリなのに可笑しくて、切なくて、かわいらしいお話。

  • 上司に殺害された刑事が、幽霊となってこの世に残ってしまい、自分を殺害した犯人を逮捕するために奮闘する。
    荒唐無稽な設定ですが、人物造形ができていて、楽しめます。
    推理小説としては、犯人の動機の点などちょっと物足りないところもありますが、フーダニットの点で、ちゃんと読者にフェアなヒントを出しているなど、ミステリーとしての体裁は維持されています。

    ラストで泣かされるとは思いませんでした。

  • 射殺されてしまった刑事の幽霊・俺。犯人は上司。そしてその上司までもが殺されてしまった。「青森のイタコ」を母親に持つ後輩刑事を相棒に真相を探る。ミステリも十分堪能しながらユーモアもありで一気に読める。合理主義者の婚約者へのもどかしい思いが切なかった。幽霊ものなので最後は切ない。泣けた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/686898

  • 最後が切なかった。涙。
    殺された刑事が幽霊になって犯人を捕まえるという、下手したら超チープになりそうな設定だけど、一応ミステリーとして読めた。でもやっぱり細かいツッコミどころはあったな。

  • 面白かった。終わりの空白のページも、作者のこだわりが見えていて良かった。

    でも結構しょうもない理由で殺された主人公は気の毒すぎる。あとパートナーとして大活躍した平川との別れが結構雑で、彼の須磨子への恋心とかは触れないんだなぁと。あんなに頑張ったのにちょっと可哀想。

  • 上司に突然射殺されてしまった刑事の神崎。気づいたら幽霊に!誰にも気づいてもらえない彼が唯一認識してもらえ、会話もできたのが同僚の早川。イタコの血を引いている彼と、コンビで自分の事件の捜査を始めます。初期作品なので最初文章に少し違和感がありましたが、読み進めるごとに、本格の楽しさと、ラブストーリーの切なさがぐいぐいと沁み込んできました。黒幕等全く想像できませんでしたが、真相に到達すると綺麗に伏線が張られていたこともわかりますし、ラストの余韻も素晴らしいです。新装版発売をきっかけに積読を崩して良かったです。

  • 長かったけど三連休で読破。理由もわからず殺された刑事が幽霊となって戻ってくる…どこかで聞いたことがあるようなお話だけど、結構切ない。幽霊となり、孤独やいつか消えてしまうかもしれないという不安、または消えない不安、愛する女性に手も触れられない、それどころか存在すら信じない…その辺が丁寧に書いてありました。そして最後‼︎なんという切なさの極み。これも作品の一部なんですねぇ…はぁ…と泣けました。死後の世界ってどんななんだろ。それにしても犯人はわりとすぐにわかりましたf^_^;そこは別問題で。切ないです。

  • 主人公幽霊な時点でちょっとどうかな?(´・ω・`)って思ってたけど、読んでみたらちゃんと推理小説だったし、読みやすかった
    堅苦しい感じが苦手な人にはおすすめ

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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