- Amazon.co.jp ・本 (994ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062738385
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
『姑獲鳥の夏』からどんどん厚くなって、この『塗仏の宴』に至ってついに1巻本にできず「宴の支度」「宴の始末」の2巻となった。以後、だいたい『絡新婦の理』と同じくらいの厚さなのは反省したのだな。
前半の「宴の支度」は短編の連続の形態を取っていて、おぼろげに事件の大きさ、不可解さがみえてくるという仕組み。
まず「ぬぺっぽう」。私、関口巽は昭和12年頃にはあったはずの伊豆の韮山の「へびと村」の取材に行く。そこには万病に効く薬となる「くんほう様」というのっぺらぼう、つまりぬぺっぽうのような生きた肉の塊があるという。へびと村は最初からそんな村はなかったかのように、別の住民が住んでいる。現場を訪ねた関口は「世の中に不思議でないものなどない」と言う謎の郷土史家・堂島静軒に出会ったあと、そこで殺人事件の犯人にされて逮捕されてしまう。
「うわん」。『狂骨の夢』の朱美は事件後、焼津に引っ越している。朱美は自殺を図る村上兵吉という男を助ける。村上は熊野に生まれるが、昭和12年、家出して、数奇な人生を送るが、戦後、熊野に戻ってみると、実家はなくなっている。そして近隣の住人すべてが焼津に集落ごと移っているらしい証拠を得て、焼津に来たのだ。なぜか自殺を繰り返す村上。その村上を救いにやって来たという成仙道なる謎の宗教集団が、村上の自殺はみちの教え修身会の術によるのだという。そこに絡む怪しい薬売り・尾国誠一。
「ひょうすべ」。逮捕された関口の回想。京極堂のもとに古書店の同業者からもたらされた相談。元編集者の加藤麻美子の祖父がみちの教え修身会にはいってしまい、幼時、ふたりで「ひょうすべ」を見たという記憶が祖父から消されているという相談。京極堂が謎を解くが、暗躍するのは女性霊媒師・華仙姑乙女とその手下・尾国誠一……。
「わいら」。カルト集団・韓流気道会に追われる敦子、一緒に襲われるのは華仙姑乙女。どうやら彼女も被害者だ。そして榎木津が助けに乱入してくる。
「しょうけら」。木場刑事にもたらされる相談。24時間監視されているという女工。関わってくるのは健康カルト・長寿延命講と霊感少年・藍童子様。
「おとろし」。『絡新婦の理』の織作家の生き残りの登場。韮山の土地。不老不死の秘薬。郷土史家・堂島が登場し、彼女は何者かに殺されてしまう。それが関口の犯行とされる殺人事件である。
マインドコントロールとカルト集団、背後に仄見える不老不死。そして自我と意志いう問題圏。 -
ぬっぺっぽう、うわん、ひょうすべ、わいら、しょうけら、おとろし。
六匹の妖怪に付随する六つの事件。それぞれの事件は緩やかにつながり、そして宴の支度は完了するーーー。
過去作の登場人物たちが惜しげもなく登場してくるシリーズ6作目。
→
連作短編集っぽい作りとなっている今作。それぞれの話の中でとりあえず事件は解決する(?)ので、分厚いけど読みやすい。というか、このシリーズは読み始めたらずーっと読んでいたくなるので、読んでいる間とても楽しかった。主人公となる人物は毎回変わり(関口だけ2回出る。というか、彼はずっと→
出ている?)それがまた良い。
私は朱美さん回と敦子ちゃん回が好き。敦子ちゃんの回は中禅寺家の話や榎木津の話も聞けてすごく良かった。榎木津、今回もめちゃくちゃカッコいいしね。京極先生、なんてキャラクターを作ってくれたんだ……最高だよ……(笑)
支度へと話は続くので、引き続き楽しむ!
以下、リアルタイム感想。
『塗仏の宴』は今「ひょうすべ」。
「ぬっぺっぽう」が関口
「うわん」が朱美さん
で、今回はまた関口。
(連作短編集っぽい)
じわじわ繋がっている気配を感じてゾクゾクしてる。
これはまさに『宴』!!
ひょうすべ、読んだ……。
うわぁぁぁあぁ!!
毎回毎回怖いよッ!!京極センセー!!
繋がって……ツナガッテルダケジャナイ……。
残り三妖怪……怖い……支度が終わったとき何が起こるの……?
榎木津ぅぅぅー!!!
うっはー!!たまらーん!!カッコよすぎだろぉぉぉぉ!
支度が……完了しちゃったんだが!!
ここで終わるの?!マジで??ソッコーで始末読まなあかんやつやーん!!
いやもう、いやいやもうね?すごいわ。
絡新婦で満足してる場合やなかったね(笑)
とりま『宴の始末』参ります! -
これまでのシリーズの登場人物が総出演。妖怪もいろいろな種類が出てくる。連作短編のような構成で一つ一つのエピソードは面白い。宴の始末でどんな結末が待っているのか。
-
色々忘れているので楽しい。私は青木君が好きです。潤子さんのスピンオフはないのかな~。
-
5-