世紀末の隣人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739122

作品紹介・あらすじ

あなたの隣で起きた12の事件。
<寄り道・無駄足>ノンフィクション

池袋の通り魔、音羽の幼女殺人、少女監禁、カレー事件、リストラ、田舎移住、ニュータウンの30年……。世紀末の1年の事件は、21世紀のいまも「現役」。遠くて近い隣人たちのドラマに寄り道しつつ迫ってみると、そこにはあなたとよく似た顔が――。直木賞作家による異色ルポルタージュ。(『隣人』改題)

感想・レビュー・書評

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  • ルポルタージュ。重松清がどんな人なのか知りたい人には良いのかも。
    事件が起きた現場に行き自身の感想を述べていて、そういえばそんな事件があったなと思い出す。
    帯に寄り道、無駄足のノンフィクションと書かれている。
    目新しい事は無いのだけれど、重松清はこの事件に関してこんな風に考えていたのだなという作品。

  • この本は小説ではなく20世紀末に起こった数々の事件を検証しているものです。
    池袋通り魔事件、神戸児童殺傷事件から、日産自動車の業績不振までいろいろなことについて書かれています。
    ただ真相を追究するのではなく、その事件の周りにある重松氏の言葉で言う「寄り道」、「無駄足」、「蛇足」にこだわったものになっています。
    ただ、それで中心にあるものがボケてしまうのではなく、その周囲の関係ないように思えることこそが大事だと気付きます。
    また、そのことを調べることによって、重松氏の作品の奥深さにつながっていると思いました。

  • 「その日の前に」に感動した勢いで、読んでみましたが・・
    筆者は事件現場を歩き回ってみる、そこに事件記事の奥底に潜む何かを感じるために。
    その作家の意図にお付き合いできる読者向けの本です。

  • 2003/12/30 , 2004/2/26 read up

  • 作家による実際の事件のルポタージュ。と言ってもあまり取材はせず社会に落ちてる情報と組み合わせて主観たっぷりに書き上げたもの。起きた個の事件を一般化して時代風景と組み合わせて語るのって言ったもの勝ちな所があるので理屈の弱さが気になってしまった。

  • 期待してなかった分面白く読めた。
    事件が起こるとそれに少しでも関係した人の数だけ色々なドラマが続くが、部外者はその状況をすぐに消費し、歪な印象のみを残す。

  • 尊敬する作家の一人、重松清さんが初めて臨んだルポルタージュ。
    ご本人いわく、寄り道、無駄足、蛇足だらけの一冊で
    世紀末に起きた犯罪や出来事に縁のある土地を訪ねて書かれたものです。

    西暦2000年はあたしがハタチになった年で
    当時の出来事で鮮明な記憶に残っているのは
    和歌山で起きたカレー砒素混入事件ぐらいだったんですが
    ここ数年で立て続けに起きているかのような気がしていた
    通り魔殺人事件や監禁事件、そして若者による犯罪はあの頃も存在して、
    世の中を震撼させ、評論家を騒がせていたんですねえ。

    犯罪者や人間の弱さを擁護するわけじゃないんですけど
    世の中が狂ってきたと何年も嘆き続けたってなくなりはしないんだから
    そろそろ”最近の日本”に落胆するのはやめてもいいんじゃないかって
    そんなことを考えさせられました。

    ★が3つなのは
    序盤の犯罪の話から
    終盤にかけて日産や多摩ニュータウンの話に移行して
    ちょっと尻すぼみな印象を抱いたことと
    最終章が東京育ちのあたしには物悲しすぎたからです。
    相変わらず文章には惹かれるので
    今度はもうちょっとのどかで優しいルポを読んでみたいなあ。

  • 「読み物作家」が書いた「寄り道・無駄足ノンフィクション」。作者とともに20世紀末に起こった様々な事件に「寄り道」する同行者たちに心惹かれてしまう。

  • 916
    少女監禁事件、和歌山毒カレー、リストラ、ニュータウンの30年…世紀末12のルポルタージュ

  • 小説が大好きです。ルポは初めて読みましたが、、事件のことの寄り道は構わないのですが、ルポとしては街のこと人のこと主観的な表現が入りすぎているような気がしました。個人の事件は社会背景と無縁ではないのは事実だと思いますが…はたして当事者や関係者はそこまで深く感じていたのか…
    現実味に欠けるような…違和感を感じました。あまりルポにはふさわしくないような…
    これがエッセイというか個人の感想というのであれば違和感は感じません

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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