深紅 (講談社文庫)

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著者 : 野沢尚
  • 講談社 (2003年12月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739177

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深紅 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 衝撃的な導入部から前半は引き込まれました。
    しかし奏子が殺人を唆すあたりから"??"ってなった。
    奏子も未歩も、とことん壊れてしまった方が自分好みかもしれない。
    もう少し野沢作品を読んでみたくなる。

  • 非日常な心情に気持ちを重ねられる小説は優秀だと思う。

  • 前半は○。
    突如家族を失った事件の描写、そして逆に加害者から見た被害者。
    殺された被害者にも非はある、ということを改めて考えさせられた。
    でも後半は間延び感あり。
    結局正体を明かすこともなく、何となくしっくり来なかった。

  • 被害者の娘と加害者の娘、加害者、それぞれの視点から 殺人に関わることの苦痛を描いている。意外な話の進み方に驚きもしたが、いまいち釈然とせず面白いと言い切れない。
    なんとなく"惜しい"と感じた。

  • 惜しい。2章までは傑作。一家惨殺の生き残りである娘と、その加害者の娘が出会うという設定も興味深い。だが、2人の娘が出会ってからの展開がどうにも薄っぺらい印象を受け、全体としての評価は普通。
    少なくとも2章までは文句なしで読む価値ありなのだが。。

  • 実際にあった練馬一家5人殺害事件がモデルのフィクション。小説よりも実際の事件のほうが気になる。。。

  • 話の冒頭は賑やかな小学校の修学旅行の描写から始まる。そこに突如訪れる不吉な一報。小学生にしては冷静な少女が徐々に心を鈍くさせ覚悟を決めていく様は、悲痛の一言で他に何とも言えない。そうして凄惨な一家四人惨殺事件の生き残りという事実が、少女にも読者にも決定付けられる。

    続く第二章では、一転して犯人の「上申書」という形で、犯行に至る経緯、心情が綴られる。第一章で被害者遺族である少女に感情移入したばかりなのに、この第二章では加害者である男性にも同情の余地が出てくるのだ。

    そして更に舞台は変わって第三章。ここでようやく時系列は現在となる。
    修学旅行中で一人事件を免れた少女・秋葉奏子は、叔母の家に引き取られ成長し、その後大学進学を機に一人暮らしを始めていた。
    心の奥に「隠れ家」を持ちながらも表面上は穏やかに過ごしていた奏子だが、八年前の事件を取り上げたある記事をきっかけに、加害者の娘の都築未歩に興味を抱く。自分と同い年の彼女の心の闇は、自分が抱くそれより深いのか。彼女は今、自分より幸せなのか。幸せであってはならない――
    そうして犯罪被害者遺族と加害者家族という二人が出逢うことによって、新たな事件の芽が生まれる。八年前に囚われたままの彼女達は、自身の心の闇から抜け出すことができるのか。

    正体を偽って奏子は未歩に近づくわけだが、未歩に会ったことによって奏子の心の歪みが顕わになる様子は、こちらに何とも言えない居心地の悪さを感じさせる。
    最終的に憎しみの連鎖は断ち切られるのかという話になるのだが、その着地点に到達するまでの奏子の感情の変化が読み応えがあった。人によっては若干唐突だったり拍子抜けに感じられるかもしれないが、自分はあの終わりで良かったと思う。

    そう言えば何年か前に映画化されていたが、結末が原作と違うようなので機会があれば観てみたい。

  • 2011.7.2読了。
    修学旅行中に家族を惨殺された少女が、惨殺した死刑囚の娘と知り合い、娘に犯罪を唆す話。

  • 奏子と未歩が初めて話をする所とか、ちょっとハラハラしたよ。
    いくら奏子が自分の正体を隠して未歩の前に現れてても、ねぇ?
    ラストは、なんかアッサリしてて肩すかしくらった感じやったかなぁ(笑)
    内容のわりには読みやすかったよ。

  • 事件には必ず加害者と被害者がいる。
    直接被害を受けた人はもちろん正真正銘の被害者だろう。
    けれど、本当はもっと事件の裏にはたくさんの被害者がいるはずだ。
    被害者の家族。
    事件によってそれまでの日常が一変してしまった人たち。
    殺人ともなれば、その苦しみや悲しみはどれほどだろう。
    たとえ犯人が捕まったとしても、大切な人を失った喪失感が埋まることはない。
    どんなに憎んでも、二度と事件前の生活には戻れないのだから…。
    加害者の家族。
    親や兄弟が加害者になったとき、残された家族はどうすればいいのだろう。
    ひたすら頭を下げ、謝罪の言葉を口にして耐えるしかないのか。
    あるドラマの台詞を思い出す。
    「(殺人事件の被害者の)遺族は一生笑っちゃいけないのか」
    こんな台詞だった。
    加害者家族も同じかもしれない。
    一生笑うことは許されない…そんな空気が世の中には満ちている。
    被害者家族の悲しみと怒りと憎しみを抱きながら生きてきた少女。
    加害者家族の苦しみと生きていることへの疑問と辛さを抱えながら生きてきた少女。
    二人の少女の心理描写は見事だとしか言いようがない。
    互いを理解することは簡単ではない。
    むしろ理解できなくて当たり前だと思う。
    立場が違えば相手への思いも変わる。
    どちらにも言い分があり、どちらにも負い目がある。
    考えられた構成と巧みな心理描写を堪能できる物語だった。

  • 家族を殺された奏子とその加害者の娘、未歩の物語前半は文章も説明文ぽくっていまいち入りにくかったんだけど、後半一気に展開が進んでってからはあっというまでした。
    結末も嫌な感じで終わらず良かったと思います。
    ただ文章は自分にとっては読みにくかったかなぁ。

  • 修学旅行中に一家惨殺された女の子。
    殺したのはその父親に騙されて奥さんが残した保険金を騙し取られた男。加害者の娘は生き残りの女の子と同い年。

    ハッピーエンドはないと思ったけれど、まぁないんだけど、2人の女の子が前に踏み出すことができそうで良かった。奏子の心の声がリアル。

  • 脚本家でもある作家野沢尚さんの小説『深紅』を読了。吉田英治文学新人賞受賞作との事だが、なぜ?と思った。物作品の前に『破線のマリス』で江戸川乱歩賞を取ったりしているのでなぜ新人賞だろう。まあどうでもいいけど文学賞なんてそんなものか。之作品はサスペンスなのだが、なかなか面白い筋でこんな設定今までなかったのではと思わせられるもので、ぐいぐい最後まで読み進んでしまった。最後終わり方が少しばかり軽い気もするが、被害者家庭の唯一の生き残りの女性が加害者家庭のこれまたただ一人社会にいる同い年の女性に近づくことで起こる事件をめぐるお話という設定自体がかなりインパクトがあり、スリリングなのどんな終わり方を持ってしても不満を持つかもしれないとも思った。被害者の家族、加害者の家族とも被害者である事実を教えてくれるサスペンスを読むBGMにEsbjörn Svenssonの"Good morning Susie Soho". ちょっと変わった味わいのピアノトリオだ。

  • 家族四人を惨殺された主人公の少女と、犯人の娘。事件から6年が経ち、深い傷を心に負いながらも、表面上は立ち直り、平常な毎日を送っていた。犯人に死刑判決が下るが自分の気持ちを持て余し、誰にも言えない決意をする『犯人の娘に会う』
    素知らぬ顔で犯人の娘に近づき友人となるが、彼女は犯人の娘にどうしたいのか決めあぐねていた。復讐したいのか、彼女の中に自分を上回る傷を見つけたいのか・・・。

    ドロドロした話ではなく、ある意味さわやかな話です。どちらの立場も子ども側から見たら悲惨ですね。殺しも殺されも御免被る(^^;;

  • こんなに複雑な心情を、
    文章にできる表現力がすごい

    導入部の逆転の2章は
    評価通りびっくりした

    しかし、その後の丁寧な展開と結末が
    やはり見事ですな~

  • 第22回(2001年) 吉川英治文学新人賞受賞作。
    一家惨殺事件の被害者の生き残りの女の子が加害者の娘を探す。二人の女の子の自己憎悪を中心に物語が進められていく。

  • リミットの作者。解説で、紹介されていたので。

  • ブロック毎は読んでて
    カコの気持ちや動きとかが
    気になるくらいには面白かったんだけど…

    読み終えてみると
    全体観はなんだったんだろ?
    って…

  • 犯罪被害者の深き闇を描く衝撃のミステリー。吉川英治文学新人賞受賞作。
    父と母、幼い2人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うが!?吉川英治文学新人賞受賞の衝撃作。

  • 歪んだ感情に、振り回されるのがたまらん
    主人公の残酷になり切れない葛藤がいい

  • 小さい子はダメだ〜

  • のりちゃんから借りた一冊でしたが、物語のスピードが半端なかった。
    あと、内面の描写がすごくうまくて、手に取るように主人公の気持ちがわかる感じで、知らぬうちに被害者遺族の気分でした。

    被害者遺族と加害者の家族の残された娘たちが同い年っていうね。なんとも皮肉なストーリーなんだが、なんつーかね、途中からもうなんか本当、取り込まれて苦しんだ。

    一緒に苦しんだ。

    葛藤がすごいよ。本当。被害者と加害者同士なら話は別で、その娘たちってところがこの作者の目の付け所だよね。本当。

    そこ!!!っていう。なんつーかなんつーか。子供と親を思うと、子供への親の気持ちやら、子供が思う親への気持ちやらが、なんともいえず苦しくなる一冊でした。

  • 闇 受け入れ
    被害者の娘 加害者の娘

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