麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

  • 7991人登録
  • 3.90評価
    • (1287)
    • (1008)
    • (1453)
    • (81)
    • (15)
  • 1014レビュー
著者 : 恩田陸
制作 : 笠井 潔 
  • 講談社 (2004年1月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739276

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 【僕にとって、恩田陸は放浪好きな話の面白い叔父さん】

    瀬尾まいこはおせっかい焼きの従姉妹のお姉さん。小川洋子は、病室で静かに僕を待つお婆さん。そんなふうに思う。誰一人欠かしたくない、僕の世界に必要な人達。※誤解された方がいらっしゃったので、僕の中でのイメージです。放浪好きなのは、いつも駄目な叔父さんと決まっているのです。

    やらしくない伝説と秘密と殺人。なぜ、答えのわかっているパズルゲームが面白いのかって?美しいからに決まっている。形も色もルールも式も答えも美しいからだ。

    とても、よかった。

  • これこれ。これが読みたくて今月は「恩田陸まつり」をひとりで開催してました。
    三月以外にやってきた転入生が破滅をもたらすという伝説のある全寮制の学園。
    そこに、なぜか二月最後の日に転入してきた主人公の理瀬。
    男か女かかわらない不思議な雰囲気を持つ学園長。ファミリーと言われる、学年を縦割りにしたグループ。そのメンバーの、不可解な行動。生徒たちの不審な死。
    全寮制の学園というだけで心ときめく。
    理瀬と黎二の関係がとても好きだったんですけど、ラストで驚愕の展開に。
    あれマジなの…!! 嘘だろおい!!
    それからこの本より先に『水晶の夜、翡翠の朝』を読んでいたので、ヨハンが出てくるたびにドキドキしていました。
    スタンダードなイケメンに弱いし、ギャップにも弱いのでヨハン好きすぎる。

    理瀬目線で書かれているので、突然記憶を失って戸惑う理瀬の気持ちがよく分かったんですけど、よく考えてみれば急に控えめになってオロオロし始めた理瀬を見ている周りも相当戸惑っただろうね。
    きくところによると理瀬と黎二の話があるそうなので、それを読んでみたい。刊行はいつかな。

  • 2016.06.23
    後半はどんどん引き込まれと読めた。
    登場人物全員の正体(もちろん理瀬も)が分からず、混乱し、願いながら読んだ。

  • 登場人物の一人になりたい、とここまで強く思った話は今まであっただろうか。どうすれば日常から抜け出せるのかと日々画策する私としては、この学園に行きたくてしかたがない。といっても、こな濃すぎるメンツに囲まれてしまえば私の出番など全くないだろうが。

  • 学園ミステリー。日本が舞台ではありますが、三月の国という独特な設定から、登場人物たちが海外の学園で過ごしているような錯覚を覚えました。
    鬱屈とした暗さですが、とても綺麗なお話だと感じました。設定からかもしれませんが、童話のような綺麗さです。清らかな綺麗さではなく、毒を含んだ綺麗さ。血が流れるからこそ美しい。
    最初のほうは取っ付きにくさを感じましたが、被害者が出てから一気に読みました。
    何度か読まないと完全に理解しきれないとは思います。過去の話に出てきた謎の死体など理解しきれていなかったので。
    どうやらシリーズものらしいですね。他のものも手に取ってみたいです。

  • ああ、なんでもっと早く読まなかったのだろう!!
    本当に久しぶりに、ページをめくる手が止まらず、そのまま夜中まで読んでしまいました。これ以上にないくらいドキドキするし、ワクワクする、だけどなんだろう、背後に纏わりつく寒気も少しあるんです。続きが気になって、とにかくやめられない止まらない!買ったときに帯に書いてあった「本が好き、それなら絶対恩田陸」、間違いないです。

  • 一人の人の2つの話。
    それが最後に一つにつながり、本人としてはそれが良いと思っているようだが、そうではないようにも見える。
    はじめの意味のわからなさに抵抗を感じたが、途中からは面白くなり、一気に読めた。

  • 閉鎖された全寮制の学校に転校してきた女の子。次々殺人事件が起こり、、、

  • 閉鎖的で不安定な世界。決して明るくないけど、しばらくこの空間にグッと引き込まれて、気がついたら、どっぷり。読み終わったら、霧の中にすべてが消えてしまったような感覚で、夢を見ていたようだった。

  •  これに、どんな感想を書けというのだろう。もちろん、プラスの意味でだ。
     非科学的な要素は用いられていないはずなのに、どうしてこんなにも不思議で不可解で謎めいたファンタジーのような世界が描けるのだろう。
     回りくどい、形式ばっている、堅い、そう感じる描写はほとんどないのに、物語全体に重厚感を感じる。文庫ではなく、ハードカバーで読めばよかったと思うほどに。

     最初は、こんな世界観でおもしろくなるんだろうか、なんでこんなにも多くの人に読まれているんだろう、と思いながら読んでいた。導入部は理瀬の過去の様々な途切れ途切れの回想があり、それがなんとも、暗く、取っつきやすくない感じだったからだ。どうやってただの学園物語でこれらの回想のようなミステリアスな展開にしていくんだろう、と訝しんでいたけれど、読み進めるうちに、すぐにそのミステリアスな物語に引き込まれていった。

     ただ、理瀬が後半どんどん鬱のようになっていくのには、少し違和感を覚えた。十五章あたりからがやや急に思われた。確かに最初から気弱そうなキャラクターではあったが、校長の親衛隊に何度かいじめを受けただけで、そこまでどんどんとふさぎ込んでいくだろうか? いや、謂れのない嫌がらせを受け、あんな陰鬱な学園帝国に捉われていれば、鬱にもなろうが、もう少しそういった描写がしっかりしていてもよかったかなと思う。
     最も違和感を覚えたのは、理瀬がハロウィンの日が臨界点になるだろうと予測する部分。何故、そういう予感がするのか、何故周りもそういうふうに感じているのか、が読み取れない。そして、もちろん、実際その予感は的中するのだから、もう少し説明か布石が必要ではないかと感じた。

     終章は怒涛の展開だったが、それに関しては違和感はなかった。むしろ、その疾走感が必要だったのだろうと思う。理瀬の素性が分かった時は、まさか、と思うと同時に、道理で、と思った。まさに言われてみれば納得がいく、という展開だった。

     著者の創り出す世界観はすごいな。こんなふうに自分のなかで世界を創り込み、表現してみたいものだ。

  • どんよりとした印象が強いのにそれ以上に惹かれるものがあるのか、何度も何度も読んでしまいます。

    微妙な年頃の繊細さとしたたかさがよく表れていて、生徒達は皆どこかに闇を抱えているにと関わらず愛おしく感じられました。初めて読んだ時は怖くて怖くてしょうがなかったのに読むたびそれだけじゃない特別感を感じる作品。

    私は特に黎二が好きだからとても残念だったけどだからこそのワルツシーンの美しさと幸せが際立って感じました。

  • 再読、とても好きな作品の一つ。
    思っていたよりも黎二と理瀬の絡みが少なくて、そのせいかダンスのシーンがとてもかけがえのないものに思えるし、お互いが純粋に思いあっていたように感じた。

  • 最初読み始めた時は忙しくて三章まで読んだまましばらく手をつけられず数ヶ月は積読状態でした。
    読書時間が取れたので改めて読み始めると、もう夢中になって文字を追う。
    なんというか、どうなるんだろう、どうなるんだろうと読んでいると最初に描写されている人物像と、後々発覚する人物像がまるで違いすぎて驚いてばかり。
    閉塞的な空間だからこそ、醸造されたドロドロとした感情が不吉とされる二月の転校生の登場と素敵な少年が退かれ合っていくことにより惹かれ合ってよって、少しずつ嫉妬や嫉みといった形になっていく緊迫した描写は恩田さんならでは。
    もう秀逸!

    ヨハンと理瀬が相思相愛という関係じゃなくって、利害関係の一致に近い形で落ち着いてしまったのはやや残念に思う。ヨハンの一方通行ともいえる好意にあぐらを掻いているような、あまり良い気分ではないですね。

  • なんという幻想ミステリー。
    すごい世界観でした。
    まるで劇でも見ている様なそんな雰囲気でした。
    綺麗なのに歪んだ世界。
    背中にずっと当てられていたナイフで最後に刺された様なそんなお話でした。
    冒頭に「鏡の国のアリス」が出ていたのもあったけど、「三月」、「王国」、「お茶会」、「バラ園」などなどかなりアリスを意識した物語。
    それにしてもこの閉鎖感が堪らないですね。
    すごく面白かったです。
    記憶喪失ネタで記憶が戻ったら実は本人がその物語の重要人物だった、なんて典型的な話なのにこの世界観と登場人物がよく生きているせいか、すごく良かった。

    青の丘に訪れるシーンから始まり、離れるシーンで終わる。
    本当によく出来た舞台劇の様な作品でした。

  • この小説は世界観も登場人物も確立してて、引き込まれてしまいそうになる
    ずっと不協和音が鳴っているような、そんな主人公の心情と学園の中。
    結末もおもしろかったです
    だけど、私は最初に苦手意識を持ってしまったからかな〜。この雰囲気に入り込めないまま読み終えてしまった、、

  • 唯一読めた。学園モノ。
    終わり方はキライじゃない。

  • 美少女・美少年ばかりの非現実的な学園、その中で展開されるナイーブで痒い物語。
    正に少女漫画を小説にしたような、と思って読めばそれなりに楽しめる。
    でも、ミステリーを期待して読むとがっかりする。動機もトリックも全て釈然としない。

    あと、ラストがどうにも・・・
    記憶をなくした理瀬と、記憶を取り戻した後の理瀬とがあまりにも違い過ぎて、人格の整合性がとれていない。ほとんど解離性同一性障害なレベル。
    その為、それまでのプロセスや作品の雰囲気など全部ぶち壊し。

  • 読んでるとハリーポッターのような、海外の学校、学生寮のイメージが浮かんできました。ノスタリジッックな気分で読破した一品。

  • 現実離れした学園もので、次のページが楽しみだった。
    全体的にどこか影のある作品だが、個人的には大好きで、是非オススメしたい1冊。

  • 最後の数十ページが本当に悔やまれる。最初から最後まで安定を求める人にはオススメできない。

    光の帝国に引き続き本作を読んでみた。
    やはり雰囲気を作るのがとてもうまく、読みやすく、ほんの少しかじるつもりが気付いたらもりもりと読んでしまっていて。

    俗世から離れた閉鎖的な空間で次々と起こる怪奇。序盤からちりばめられた(聞こえの悪い表現であるが)あからさまな伏線を、今後の展開でどんなに鮮やかに回収してくれるのだろうかと期待した。読みながら、あと●ページでどんなどんでん返しがあるのかとはらはらもした。

    最後まで読み本を閉じて思ったのが、「なんか違う」。
    最後の直前までは本当によかった。しかし肝心の詰めが異様に甘い。非常に惜しい。どんでん返しというよりも大風呂敷を畳み切れなかった、ととれてしまう。

    読み終えた後の喪失感・充足感よりも、もやもやとした気持ちの悪い感じの方が強い。

    ラスト30ページ以外は本当に面白かったので悩みながらも★4
    美形キャラがそろっているのでキャラを、雰囲気を、そして過程を楽しみたい方にはどうぞどうぞと勧めたいところ(笑)
    本当は手放しに「おもしろい!」って言いたいくらい私の好みであるのに…。
    複雑な心境のためお金を払わせるのは気が引けるから、図書館等で借りて、ぜひ読んでほしい。

    同シリーズの前作があるらしいのでそちらも読むことは決めている。

    惜しい。この一言に尽きる。

  • 久々に読んだら予想以上に覚えてなかったなぁ

    雰囲気とかキャラクターとかに引き込まれるのは相変わらず。
    結構、頁数のある本なのにさらっと読み終わった。


    「三月は深き紅の淵を」も読み返したくなった。

  • 久しぶりに再読。
    恩田陸の作品群の中でも一際世界感に引き込まれる一冊。
    吸いこまれそうな湿原、洋風のレトロな館、美しく理知的な友人、三月の伝説。そして引き起こされる殺人。
    モノクロの背景に、理瀬を取り巻く人々の鮮やかな色彩が一層映える。
    世間から切り離された学園という劇場の中で追い詰められ、そして自分を取り戻す理瀬は、まさにヒロインだった。

  • 個人的にはかなり好きです。
    すいすい読めますし、風呂敷も広くなり過ぎなくて(恩田さんはオチが宇宙の彼方にいくことが多いので)よかったです。
    ライトノベルに近いかも。
    登場人物がみんな魅力的。

  • 読後感は、もう一度読み直したいという思い。なんだかラストが呆気なくて残念。校長がそれまで持っていたある種のカリスマ的要素が一気に崩された印象がありながら、崩れるきっかけや、その様子をしっかり描いてもらいたかった。

  • 「あなたが一番怖い本」で挙げて頂いた一冊。
    私はうっかり二巻目を先に読んでしまった(^^;)

    冒頭の「暗示」が新鮮だった。未来の主人公視点で、今から起こることを小出しにする、という。
    恩田陸は読者に出すヒント(情報量)の匙加減が上手い。

    学校や寮の描写も繊細ですばらしい。『ハリー・ポッター』のホグワーツに胸をときめかせた方なら、きっと喜ぶだろう。

    恩田陸さんの小説では、『黒と茶の幻想』『ドミノ』『ねじの回転』が特に好きだが、この本も五指に入る。

全1014件中 1 - 25件を表示

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)に関連する談話室の質問

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)に関連するまとめ

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)の作品紹介

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)のKindle版

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)の単行本

ツイートする