ST 警視庁科学特捜班 黒いモスクワ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739306

作品紹介・あらすじ

ロシアの捜査当局と情報交換のために急遽出張せよ――。モスクワに到着した警視庁科学特捜班、通称STの百合根と赤城を待ち構えていたのは、ロシア正教会で起きたマフィア怪死事件だった。さらに、日本人フリーライターも変死して……。STシリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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    黒いモスクワ ー ST警視庁科学特捜班シリーズ3作目《文庫本》
    2004.01発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.08.30~09.05読了。★★★★☆
    ブックオフ、110円で購入2023.08.21

    五人の異能者が、不可解な謎と、ロシヤの闇に挑戦する警察小説です。

    警視庁科学特捜班、通称「ST」の一員である黒崎勇治をはじめ五人の特殊な技量を持つ若者が、此度は、異国の地ロシヤに集結します。ソ連崩壊時に解体された悪名高いKGBの後継組織であるFSB(連邦保安局)のアレクと一緒に、ロシヤ・マフィヤのボスが、ロシヤ正教会の地下室で爆死した奇妙な事件に挑みます。

    現場となった教会は、怪僧グレゴリー・ラスプーチンと関係があるといわれ、ポルタ―ガイスト現象が起きるといわれて恐れらる教会です。その教会で、ロシヤ・マフィヤのボスに続き、STのキャプテン百合根を追って現れた日本人のフリージャーナリストも謎の死をとげます。

    【読後】
    字が小さくて苦労しますが、このシリーズは、面白く読むのを止めることができません。毎回、STの一員である五人の若者の一人が注目されて活躍します。此度は、古武術の流派を渡り歩く黒崎勇治にスポットが充てられます。面白いです。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    ST警視庁科学特捜班シリーズ一覧
    13.プロフェッション
    12.化合
    11.沖ノ島伝説殺人ファイル
    10.桃太郎伝説殺人ファイル
    09.為朝伝説殺人ファイル
    08.黒の調査ファイル
    07.緑の調査ファイル
    06.黄の調査ファイル
    05.赤の調査ファイル
    04.青の調査ファイル
    03.黒いモスクワ     2023.09.05読了
    02.毒物殺人       2023.08.22読了
    01.ST警視庁科学特捜班 2023.08.21読了
    ※シリーズを発行順に並べると上記のようになります。が、2023.08.21に読了した2014年5月に発行された「エピソード1」は、1998年3月に発行されたシリーズ1作目「ST警視庁科学特捜班」の改題新装版です。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 今野敏「ST警視庁科学特捜班シリーズ」第3作目(2000年12月単行本、2004年1月文庫本)。
    今回の舞台はモスクワだ。ロシア連邦保安局(FSB)と科学捜査の情報交換を目的とした研修にSTから百合根友久キャップと赤城左門の2名が派遣されることになった。時を同じくして黒崎勇治が柔術の指導セミナーでモスクワへ私的な渡航を予定していた。そして山吹才蔵もモスクワの在住の曹洞宗の檀家の集まりに呼ばれてと、取ってつけたような理由とタイミングでのモスクワ渡航で、偶然にも黒崎と同じ飛行機に乗っていた。
    飛行機の中で黒崎は同じ柔術の指導者の芦辺正次郎29歳と二人だったが山吹が黒崎を見つけて声をかけたのだ。その会話を聞いてオカルト関係に精通しているフリージャーナリストの森田康治39歳が声をかけてきて、何やら科学特捜班のモスクワでの目的に探りを入れてくるのだ。モスクワでのラスプーチンゆかりの教会での爆発死亡事件に興味があるらしい。
    先にモスクワに行っていた百合根と赤城はFSBが担当しているまさにその爆発事件の捜査に参加することになった。FSBの捜査官の名前は通称アレク、 KGB出身の爆弾テロの専門家だ。アレクは格闘技にも精通していて今は柔術を始めている。そしてそのアレクがFSBに柔術を取り入れようとして黒崎達を指導セミナーに招待した張本人でもあったのだ。
    教会の地下室での爆発事件で死んだのはその教会を買い取ったマフィアのヴィクトル・ヴォルコフ。そしてその事件を調べようとその教会に忍び込んだ森田も死んだ。爆発の現場には爆薬の痕跡はなく、その教会では度々ポルターガイスト現象が起きていたという。事故なのか殺人事件なのか、日本人も死んだということでSTの残りのメンバー、青山翔と結城翠が菊川警部補と共に急遽モスクワへ派遣されることになった。
    モスクワにSTの5人と百合根、菊川のいつものメンバーが揃い、ロシアが誇るFSBもSTの能力に兜を脱ぐことになるのである。赤城が森田の司法解剖をして、殺人事件と断定し、結城がポルターガイスト現象の謎を解明し、青山が犯人のプロファイリングをしたところで、今回は何と百合根キャップが犯人を推理、特定し、更にアレクもその真相を知っているはずというところまで突き止めていた。
    いつもと違う百合根を見た意外性に戸惑ってしまった。またSTに苦労ばかり強いられていた百合根の心の中に、いつのまにかSTが居着いている言動に戸惑いながらもほっとするのである。

  • ST5人と百合根.菊川の信頼関係が深まってきた。なかなか理解出来ない相手を 気に入らないとか嫌い というのでなく 苦手 という百合根、菊川の人の良さもいい感じ。

  • STシリーズ3作目。なんとなく今までのものよりまとまりがあるというか、テンポもよいなと感じました。ちょうど300ページ程度ですし、舞台が海外へ移ったり、途中でSTの面々が合流してきたり、美作竹上流の話しが織り込まれていたりと、小気味よい場面転換があったおかげで前の2作にくらべ読みやすかった印象です。

    そして今回は珍しく百合根が事件の真相を解明する役を担うという、これも前作からの流れとはちょっと毛色が違う展開で楽しめました。

    3作目になり著者としてもだんだんとシリーズとしてのテンポや作風がより確立してきたのかしら、そんな風にも見えました。4作目からは色シリーズでST一人ひとりにスポットをあてた内容になるようでこちらも楽しみです。

  • 黒崎が主役だと思っていた。モスクワに武術指導に行く黒崎が、偶然事件に巻き込まれ……とはならなかった。ロシアのFSBと日本警察との交流研修で関わった事件が、STメンバーをモスクワに終結させ、怪事件を解決する。FSB捜査官が、正義感から上司を逮捕するという場面にはリアリティを感じないが、それでも物語の展開は面白い。まあ、相変わらず「すいません」なのだが、本書はそれ以外で気になる表記はなかった。

  • シリーズ第3作!

    ロシアの捜査当局との情報交換のために出張でモスクワにやってきた、百合根と赤城。そこで起こったラスプーチンゆかりのロシア正教会で起きたマフィア怪死事件にSTが挑む!
    百合根と赤城だけだったはずが、なんだかんだ全員揃っちゃうという…(笑)
    翠さんと青山を引き連れて飛行機に乗った菊川さんの苦労人っぷりが笑えます。
    百合根とビールを飲みかわす場面もよかったです。菊川さんの厳しさと優しさ、いいなぁ。

    今回はキャップがいつもより活躍していて嬉しいです。
    メンバーにも認められてきたようだし、百合根自身もSTのメンバーのことを信頼する様子が見られて安心して読めました。
    黒崎が警察を辞めるかもしれないということを知った時の言葉が戦隊っぽくていいなぁと思いました。
    「5人そろって初めてSTじゃないですか」
    熱いぜキャップ…!

    キャップの魅力を語ってくださった解説が素敵でした。

    ロシアの情勢や文化など知らないことも勉強になったし、相変わらずメンバーの能力のうまいバトンタッチで謎が解けていくのが気持ちよく、ぐいぐい読めました。

    色シリーズも楽しみです。

  • オーディオブック
    そもそものキャラが気に入ったのか朗読が良かったからなのか自分でも分からないけどアレクがかっこよすぎ。

  • アレクの気持ちを推し量ったり、黒崎のことで取り乱したり、キャップは優しくて人間的に魅力的な人物だった。菊川も優しくて、黒崎もかっこよすぎだった。登場人物が皆優しくて魅力的なのは作者も性格が良い方なのだろうということで、私も毎日人に優しく、性格良くあろうと思った。

  • 序盤、つかみが少し読みにくい。
    真犯人が誰なのか序盤から自ずと見当がつく。
    登場人物一人一人のキャラの個性が尊重されていて面白い。
    超人達の思考や意見を引き出して最後に推理するキャップの活躍も良かった。

  • 特殊技能を持った科学特捜班の楽しい話。
    この作家さんのシリーズは他にも面白くて読んでるが、このシリーズも負けずに面白い。
    文章が読みやすいのと、異次元の能力を持つ人達を部下に持つキャップの普通の人間さがまた楽しい。
    まだまだシリーズも出ているようなのでゆっくり読んでいきたいと思います。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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