新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739955

感想・レビュー・書評

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  • ずっと読んでみたいと思っていたが、意外に面白く、読みやすくてびっくりした。(他二つは挫折中…)

    警察が事故死と処理した事で、刑事も介入しない。
    古き良き時代の探偵、推理小説が続々と登場!あらすじや犯人になんかにも触れていて、知っていれば更に面白いし、そちらも読んでみたくなる。
    さすが東大?!頭の回転の速度が違う。ついて行くのがやっとだが、さすが面白い。
    各々が探偵役の推理合戦に華が咲き、見方も変わってきてわくわくする。

    「ザ・ヒヌマ・マーダー」
    誰が犯人なのか、下巻も楽しみである。

  • 日本三大奇書の一つ。
    他2冊に比べて読みやすいし、多重解決も面白い。
    下巻に期待。

  • ミステリの体裁を取りながらのアンチ・ミステリという意味がよくわかった。
    いくつもの(空論の)トリックや背景が語られ、それら1つ1つが普通のミステリならば十分に最終解となりうるレベルとなっていながらその全てが裏切られて終わるという結末。
    全体を通して幻想小説といってもよい。

    ただ、推理小説に求める所謂「解き明かした」という快感は得られない。
    読んでいて常に謎めいてモヤモヤしている感があるが、先を読み続けたいと思わせる筆力もあって「奇書」と呼ばれるのだろう。

  • ミステリー成立の条件に対して懐疑を挟むことで、アンチミステリーになっている作品であると理解しました。
    ミステリとは死者が生じ、事件となり、探偵が介入し、読者が楽しむという体裁をとる。しかしこのアンチミステリは逆に、娯楽を求める読者がいるから推理(合戦)があり、事件や死者があることを主張する。読者の視線と欲望を作中に登場させ、全体として入れ子構造の作品となった。また、戦争による膨大な死に慣れてしまい、洞爺湖事故などをはじめ戦後の大小の事件事故に対し、人々の感性が麻痺しているのではないかという危機意識を読み取ることもできる。

  • 読むのは三度目か。
    三大奇書のうちでは、最も整然としている。文章も読みやすい。もちろん骨董的な印象はあるが、発行した年月日を考えるととてもハイカラで現代的だと思う。
    そして、作風がなお一層現代的。
    社会風潮に動機を見出だし、アングラな流行を掘り下げ、古典的なガジェットを前衛的に散りばめる。加えてこの完成度だから、明日発行されても話題を集められる。
    長く読まれて然るべき作品。
    4-

  • 久生のキャラが苦手…
    最初から中盤にかけては、「この人たち、人が死んで楽しんでるだろ

  • 難解な話。再読必至。

  • 三大奇書。ドグラマグラが5分の1、黒死館が3行くらいで挫折した身としてはむちゃくちゃ読めました。しばらく、難しいのかなぁと思い後回しにしていた一作、普通にというか結構面白かったです^^アンチミステリとして有名ですが、今のところはTHEミステリ、贅沢三昧、とはいえ普通。事件について複数の人間が推理を述べる部分がほとんど。ですが、ミステリ好きでホームズかぶれした方や、ヘンリー卿を名乗ったりする方が現れ、なんか「遊んでいる感」が否めず…。この辺りが、アンチたる所以なのかなぁ。ということで下巻へ。

  • 素人探偵がそれぞれ解答を持ち寄るが、どれも奇妙なものばかり。真の探偵が登場と思いきや、よくわからない解決となる。下巻は、どう展開するのだろうか。

  • 読み応えタップリな上、犯人が全くわからない。むしろ殺人なのかどうかさえ分からない。後から実は…という否定が続くのが少し不満だが、それ以外は満足。下巻も気になる。

著者プロフィール

中井英夫(なかい ひでお)
1922~1993年。小説家。また短歌雑誌の編集者として寺山修司、塚本邦雄らを見出した。代表作は日本推理小説の三大奇書の一つとも称される『虚無への供物』、ほかに『とらんぷ譚』『黒衣の短歌史』など。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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