人形はライブハウスで推理する (講談社文庫 あ 54-10)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748353

感想・レビュー・書評

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  • 人形探偵シリーズ最終巻。
    今回は原点に戻って?連作短編集です。
    ミステリそっちのけで、二人の関係の方に
    スポットが当たりがちだが、軽めだけどミステリはある。
    ピュアな二人の幸せは続くんだろうなぁ~と思わせてくれて
    終わらせ方も実に爽やか♪いやぁ~楽しいシリーズでした。
    今年は腹話術師「いっこく堂」さんのデビュー20周年記念だそうで、
    巻末にいっこく堂さんとの対談が載ってます。
    良い時期に読んだわぁ~♪

  • 『人形はライブハウスで推理する』
    上京した睦月の弟・葉月。朝永とのデートを邪魔して追い出され訪れたライブハウスでの殺人事件に巻き込まれる。トイレで刺殺された麻薬の売人。事件後駅でのプロポーズ

    『ママは空に消える』
    幼稚園児の瑠奈ちゃんの母親が消えた。「お空にいるおばちゃん」の所に行ったという瑠奈ちゃんの言葉。家庭内暴力と失踪事件の関連。

    『ゲーム好きの死体』
    バレンタインの夜に喧嘩した2人。原因は朝永の部屋にやってきた2人の女子高生。仲直り後に発覚した女子高生の兄の殺人事件。RPGに隠された秘密。兄の女性関係。

    『人形は楽屋で推理する』
    園児のカイくんからプロポーズされた睦月。校外学習で訪れた劇場。朝永を引率者と間違えた受付の女性。20人いた園児の内消えたカイくんの謎。

    『腹話術志願』
    朝永の腹話術を見て弟子入り志願してきた大河原。彼の勤めていたコンビニで起きた強盗殺人事件の犯人として拘留される。防犯カメラに映った犯人と被害者。被害者の指紋のついた雑誌に隠された秘密。

    『夏の記憶』
    睦月が小学生の頃に「親の事情」で北海道に転校した麻里ちゃん。教えられた嘘の住所の秘密。

  • 鞠小路鞠夫――私、妹尾睦月の思い人、腹話術師の朝永嘉夫さんが操る人形の名前です。でも「彼」が、実は名探偵!今回も私の弟・葉月に嫌疑がかかった殺人事件を鮮やかに解決してくれた世界唯一の人形名探偵なのです。本格テイストが横溢する短編6本を収録した青春ユーモア・ミステリーシリーズ。

  • 鞠小路鞠夫―私、妹尾睦月の思い人、腹話術師の朝永嘉夫さんが操る人形の名前です。でも「彼」が、実は名探偵!今回も私の弟・葉月に嫌疑がかかった殺人事件を鮮やかに解決(表題作)してくれた世界唯一の人形名探偵なのです。本格テイストが横溢する短編6本を収録した青春ユーモア・ミステリーシリーズ。

  • 中学か高校か…まあつまり10年以上前にとても好きだったシリーズの続刊。
    出ているのは知っていたけど、読んでいなかったので。

    一言で言えばこの本は、
    やっぱり最初から読んでいないとあまり面白くないかなと。
    よしおとおむつの関係性が縦糸で、謎解きは横糸だと思うので。
    私は、人の造型がきちんとあって、登場人物の人間関係が変化していく推理小説が好きなので、
    やっぱりこのシリーズもよいなぁと思う。

    個人的な事情もまざり、よしおがバレンタインに起こしたある行動(ネタバレ防止のためぼかし)
    のくだりで泣きましたが、
    これもシリーズ初期から読んでいるものだけの特権だよなぁ。

    腹話術師いっこく堂が出てきたとき「リアルよしおだ!」
    と思ってからはや10年近く。
    この本巻末にはいっこく堂との対談もあり、お得でした。

  • 4月22日読了。腹話術師探偵(探偵人形つかい、というべきか?)が活躍するシリーズ第3弾。別人格を持つ人形が推理により事件を解決していく連作短編集であり、私は他の本は読んでいないがこの形式ならどこからでも入りやすいか。ほわっとしたイラスト、主人公と腹話術師とのすれ違いの恋愛などの要素や「日常の謎」的な事件も織り込まれてはいるが、彼らが解決すべき事件には陰惨な殺人事件が多く読んでいてすっきりしないものを感じる・・・。最終話のような「ちょっといい話」をもっと多く書いたほうがよいのではないかな?他のシリーズでは殺人は少なめなのかな?

  • (メモ:高等部2年のときに読了。)

  • 腹話術師の人形探偵・鞠夫の連作短編第3弾

    読了日:2007.4.18
    分 類:連作短編
    ページ:330P
    値 段:514円
    発行日:2001年8月講談社、2004年8月発行
    出版社:講談社文庫
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公:妹尾 睦月
    語り口:1人称
    ジャンル:ユーモアミステリ
    対 象:一般向け
    雰囲気:恋愛、ユーモア、新本格
    ---------------------------

    ---【100字紹介】------------------------
    幼稚園教諭の私、妹尾睦月の恋人であり腹話術師の朝永嘉夫さん。
    彼の操る相棒の鞠小路鞠夫は、私の弟・葉月に嫌疑のかかった
    殺人事件も鮮やかに解決する名探偵!
    コミカルだけど新本格派ミステリ、連作短編の第3弾!
    -----------------------------------------

    ●収録作品●
    --------------------------------------------
    ■ 人形はライブハウスで推理する
    ■ ママは空に消える
    ■ ゲーム好きの死体
    ■ 人形は楽屋で推理する
    ■ 腹話術志願
    ■ 夏の記憶

    ■ 特別付録 対談 我孫子武丸×いっこく堂
    --------------------------------------------


    ■人形はライブハウスで推理する
     突然上京してきた弟の葉月。朝永さんからの電話をとってしまうし、
     彼とのデートにもついてくるし。お邪魔虫!と思っていたら、
     一人で街へ出掛けた葉月に、いきなり殺人容疑が!?
     ライブハウスのトイレで起こった殺人事件。

     <一言>
     これぞミステリだよね、というようなハウダニット。
     掌編らしい、掌編ともいえるかも。
     大きすぎないトリックをコミカルなエピソードの中に
     ぽんと放り込んだ作品です。そして…ついに二人の仲が急接近!?

     評定:★★★


    ■ママは空に消える
     幼稚園の園児、瑠奈ちゃんのお迎えが遅い。珍しくお父さんがやってきた。
     待っている間にママはどうしたの?と訊いてみると、
     「お空の上のおばちゃんのとこに行ったの」と…。
     それってまさか…!?

     <一言>
     ああっ、惜しかった!妹尾さんの推理、なかなか当たりませんね。
     ちょっと痛かったですが、何とか解決、でしょうか。
     ところでこんな名前の人、あり?

     評定:★★★


    ■ゲーム好きの死体
     最悪のバレンタインデーが幕を開ける!?
     久し振りのデートを楽しみにしていたのに、朝永さんの家には先客が…。
     折角仲直りしかけたところに今度は殺人事件の証言者として呼び出され!?

     <一言>
     可哀想に…。ま、普段から色々と利用しているから利用されることもまた、
     あるということで。謎解きに関しては…、これってどうなのでしょう?
     わざわざ解かなくても、鑑識さんには丸分かりでは…?

     評定:★+


    ■人形は楽屋で推理する
     GW…なのに幼稚園児たちを連れて人形劇に行くことに。
     朝永さんも出演するその人形劇に、「私」にプロポーズしてくれた
     幼稚園児のカイ君もやってきたのだけれど、いつの間にか行方不明に?

     <一言>
     妹尾さん、大人気(笑)。幼稚園児のはかない恋ですか…。
     しかし、ハードボイルドの幼稚園児って嫌ですね。
     トリックとかは実は全然なくて、
     ふとしたことをうまく謎に仕立て上げています。

     評定:★★


    ■腹話術志願
     朝永さんの家に押しかけ弟子!?
     勝手に住み着いた料理上手の謎の彼、
     いきなり強盗殺人事件の容疑者にされているし…。

     <一言>
     朝永さんも有名になってしまいましたよ。
     この作品もハウダニットかな。
     でももしかしたらフーダニットかも。
     なかなか面白いトリックですが、実際には絶対無理だろうなあ、とも。
     その意味で、ミステリのためのミステリ、という気もします。
     悪い意味ではなくて、こういう楽しみのためだけに作られた
     フィクション、それはつまりエンターテイメントということ。

     評定:★★★


    ■夏の記憶
     朝永さんと共に故郷へ。その道中、小さい頃の話が飛び出して、
     ふと思い出した、小学生から中学生の頃の記憶。
     あんなに仲のよかった親友だったのに、些細なことで気まずくなり、
     それっきりになってしまった悲しい思い出…。
     その思い出も、鞠夫の手にかかると真相が見えてくる…?

     <一言>
     あー、なるほどね!という感じ。
    鞠夫、凄いです。伊達に名探偵と呼ばれていない!?
    言われてみればひどく綺麗にはまるパズルの一片。
    これがパズル・ミステリ!?ちょっと違うか…。
    何となく、希望の持てるラストで、連作短編閉幕。

     評定:★★★★


    本書の裏書では「青春ユーモア・ミステリ」となっています。
    全体に見てみるとこの中では「青春」が特に強調されているかも?
    というか、恋愛ミステリ、というべきでは。
    何だかんだで実際の物語の主軸は、朝永さんと「私」の恋愛模様、
    であるということで。ミステリが付け合せ!?なんて、
    とっても危険な関係だったりして…。とか言ってみたりして…。
    我孫子武丸氏らしい、ユーモアあふれる、
    エンターテイメントのためのミステリです。


    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    展開・結末 :★★★+
    簡 潔 性 :★★★
    独 自 性 :★★★
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------


    菜の花の一押しキャラ…朝永 嘉夫

    「そりゃしばらくは落ち込むと思うけど。―人生楽ありゃ苦もあるさ」(青木 海)
    こんな幼稚園児。

  • 『人形は・・・推理する』シリーズは、みんなとーーっても面白いです。

  • 短編集
    腹話術の人形がいろんな事件を推理する。
    軽く読める。

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に、『人形はこたつで推理する』にはじまる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』『裁く眼』『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『修羅の家』などがある。小説の枠を越えマルチに活躍し、ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作でも知られる。

「2022年 『監禁探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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