銀行狐 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748483

作品紹介・あらすじ

◆2015年7月スタート日本テレビ系ドラマ「花咲舞が黙ってない」ドラマ化エピソード収録作! 主演:杏◆

欲望が事件を生む 銀行ミステリーの傑作!!

狐と署名された脅迫状が、帝都銀行頭取宛に届けられた。「あほどもへ てんちゅー くだす」。具体的な要求はないが、顧客情報漏洩、系列生保社員の襲撃と犯行はエスカレートする。狐の真意と正体は?(「銀行狐」)。元銀行マンの江戸川乱歩賞作家ならではの緻密でスリリングな表題作ほか、5編収録の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 良かった。

  • 金融ミステリの短編集。
    おもしろかった。

    ドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作のひとつ。
    ドラマで事件の真相を知っていてもなお、引きこまれる魅力がある。

    不可解な状況への疑問。
    お金を扱う仕事のひりひりとした緊張感。

    短編だけれど、中身の濃い、質の高い話ばかり。

  • 面白かった
    銀行ミステリーの短編集。解説によると一番最初の短編集とのこと。
    しかし、勧善懲悪の要素はありません。
    銀行で発生した事件の真相解明といったところです。

    ■金庫室の死体
    清算が決まった銀行の金庫室で発見された女性の死体。
    すぐに犯人と思われる人物にたどり着きますが、被疑者はすでに自殺しています。
    被疑者死亡で送検かと思いきや、事の真相は?
    という展開。
    真犯人とその動機が明らかになります

    ■現金その場かぎり
    行内で発生した300万円の現金紛失事件。
    事故なのか、それとも誰かが盗んだのか?
    それ事件前にも200万円の紛失事件が..
    どんなトリックで、誰が盗んだのか?
    その動機は?

    ■口座相違
    誤って振り込み処理をしてしまった口座
    その口座の処理を修正させてもらおうと口座の所有者を訪ねるとそこは雀荘。
    口座の持ち主は誰なのか?
    そして、その口座から明らかになるある案件の真相

    ■銀行狐
    銀行に届いた狐と署名された脅迫状
    顧客情報漏洩、系列の生保社員の襲撃。
    狐の正体は?その動機は?

    ■ローンカウンター
    立て続けに発生した婦女暴行殺人事件。
    それぞれの自宅で暴行をうけ殺害されながらも、被害者の女性たちには共通点がない
    犯人はどうやって、自宅に上がることができたのか?
    ローンを借りに行った刑事がたまたまその融資担当者からヒントをもらい...

    短編ですがそれぞれの真相や犯人の動機が銀行ならではということで、新鮮です。

    楽しめました。

  • 銀行事情がよく分かる初期短編集。まあ20年前の作品なので、現在の状況とは齟齬があるものの、一編一編が緻密に練り上げられている。標題作もいいが、「ローンカウンター」で情報化社会の恐ろしさを痛感させられた。著者のその後の活躍を納得させる一冊でした。

  • 池井戸潤の短編集。池井戸潤のミステリーは初めてだったが、企業小説の方が好きだなと感じた。
    期待していた、下町ロケットのような胸の熱くなるような感じはなかったので、残念。

  • 池井戸さんの短編小説。
    銀行内外で起こるミステリー五話を楽しむことができます。

    短編小説って苦手なんですが、これは結構楽しめました。
    60ページほどの少ない文章量の中にも、
    ミステリーのエッセンスがぎゅーっと詰まっていました。

    個人的には、最後の「ローンカウンター」と
    タイトルにもなった「銀行狐」がオススメ!
    気軽に楽しめる一冊です。

  • S図書館 2001年
    5編の短編

    金庫室の死体
    現金その場限り(花咲舞のドラマ)
    口座相違(橋本商事と橋本商会)
    銀行狐
    ローンカウンター

    数時間で読めた
    銀行狐は変額保険の恨みの話
    次のページをめくって、ないのかい!と声を出してしまったくらい面白かった
    「ぎんこうの あほどもえ てんちゅー くだす 狐」のような予告文が何個かあるのだが、いやな感じを醸し出していてよい
    「え」はわざとまちがえたり、「ちゅー」と伸ばしたりと、ひらがなにすると怖さが倍になる
    犯人は割りと早めに判明
    しかし犯人に手を貸しながら、犯人も含めて復讐したい人間がいた
    内容がいいので短編より長編がよかった

  • 銀行もの、期待したのに、物足りない。

  • 長編レベルのスケールを感じさせる短編集。
    流石の一言に尽きる。

  • 池井戸潤さんが乱歩賞を受賞された頃の初期の金融ミステリ作品集です。本書を読んで気づいたのは著者の書く文章の圧倒的なスピード感で少々専門的な銀行用語が出て来ても言葉の持つ熱と勢いでねじ伏せてグイグイと一気に読ませる独特な魅力があってこれは多忙な現代人のニーズにピッタリだなと思いましたね。事件の謎を追う刑事や銀行員達は半沢直樹の如く地味で平凡なタイプですが、みんな責任感の強いプロで負けてたまるか!と執念で謎を解き明かす粘り強さが最大の魅力ですね。また意外に身近にいる犯人の虚像と実像のギャップが印象的でしたね。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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