- Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748537
感想・レビュー・書評
-
「首吊り島」は読みにくかった。山本安雄があんなにもてるなんてありえない。
「監禁者」は読みやすかった。日記形式でスラスラ読めたけど…。
この二つの話がリンクしていて、ちょっと奇妙。これは本当の話なの、それとも夢、妄想、いったいなんなのよー。って感じでした。
オチもよくわかりませんでした。結局「首吊り島」と「監禁者」を書いたのは誰なのか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仕掛けとか試みは面白いけど内容が伴っていない。分かりにくい
-
倒錯の帰結 登場人物
清水真弓 30 山本と同じマンション
山本安雄 30 作家。私。
大島良江 40 新見家に住み込み。
大島梅吉 47 良江の夫
多々良英助 51 元校長。郷土史家
仲谷光照 52 華獄寺元住職
新見厳一郎 53 新見家本家当主。小次郎の兄
新見小次郎 53 新見家分家当主。厳一郎の弟
新見秀子 厳一郎の妻
新見修平 64 厳一郎の子
新見雪代 厳一郎の長女 絵
新見月代 厳一郎の次女 小説
新見花代 厳一郎の三女 音楽
新見武彦 122 小次郎の子
豊橋健治 183 取り立て屋 兄貴
-
倒錯シリーズ完結編。前2作を読んでいなくても、とのことですが登場人物は被っているしネタバレ的な部分もあるので読んでいた方がより楽しめると思います。表紙絵のように前からと後ろからと系統の違う2つの話を読んで最後に中央の袋綴じを開くと2つの関連がさらにはっきりする(?)という作りは斬新で楽しいですが、開いても頭の中はメビウスの輪。完結編というのには納得ですが実際は翻弄されたまま、残ったのは袋綴じのラストで明かされた衝撃だけだったりします。しかし折原作品は頭がごちゃごちゃになるのに妙な中毒性がありますね。
-
どこからが現実で、どこからが非現実なのか。
まるで境目のない終わりのないミステリーを目指したのかもしれないけれど、「首吊り島」が連続殺人事件を扱っている密室ミステリーだったのに対し、「監禁者」はまるで幻覚症状のある男の妄想のような物語になっている。
このアンバランスさが良いという人もいるだろうが・・・。
どうしても座り心地の悪さを感じてしまい、不安定な足場の上に立って揺らされているような気持ち悪さが残ってしまった。 -
倒錯シリーズ3作目。初作は読んだ。二作目もたぶん読んだ。ずいぶん昔なのでほとんど忘れてるけど。わけがわからなくなる叙述トリックの大家なので心して読まねばならないが、と構えて読むと拍子抜け。本自体が前から読むのと後ろから読むのとの物理的二段式で、最後に真ん中の袋とじ部分で真相が明らかになるという趣向なのだが、文体に仕掛けるからこそ叙述トリックなのであって作品の構造そのものをいじってしまっては単なる際物でしかない。叙述トリックになっている部分もあるけれど作品全体の謎解きにかかわっているわけではないので弱い。おどろおどろしい舞台装置に仕掛けられた密室トリックにいたっては論評するほどのものではないし。柳の下には...、としかいいようがない。
-
2015/5/7読了。