ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748681

感想・レビュー・書評

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  • 不完全な人達の恋愛小説。日常系という感じ。
    267ページ。上下に分けなくても良いのでは?と思うくらいすぐに読めた。

    映画の予告の雰囲気が良かったから読んでみた。
    こういう寂しいような悲しいような静けさに浸りながら読むのはなかなか良かった。エモい。映画も観たい。
    朝ドラの影響で、レイコが夏木マリ、直子が清原果耶だった。

    Wikipediaによると、「雨の中の庭」というタイトルで書き始めたが、妻に「ノルウェイの森」で良いんじゃない?と言われ「ノルウェイの森」になったらしい。
    雨の庭というピアノの曲を聴いてみたら、シトシトでもザーザーでもなく、柔らかい雨が沢山降っている印象だった。


    以下ネタバレ!













    ノルウェイの森と検索したら予測検索ワードに「気持ち悪い」と出るほど性的描写が多いことで賛否両論になってるみたいだけど、気持ち悪いと言っていてはこの話は成り立たないと思う。
    女の傷を女で癒やそうとしているワタナベ君が辛そうで、やり捨てされた女の子も可哀想だった。ワタナベ君も未熟で不完全なのである。

    ルームメイトに酒臭いから外で飲めと言われたのにお前が出てけと言ってたのが面白かった。不完全のレベルを超えてクズではないかと思った。

    「まともだと思う人が元気をなくして壊れていて、まともじゃないと思う人達が元気そうにしている」というのは、類は友を呼ぶみたいな現象で、不完全同士が惹かれ合っているだけかもしれないと思った。

    「直子とは不完全の共有をしている」というからそういう営みとはちょっと違うらしい。

    表紙の赤色は「キズキが死に場所に選んだ赤いN360」説が1番しっくりきた。



    下巻へ続く!!!

  • 何気ない生活の中にある細やかな幸福感のある描写が心地よかった。

    小さなレストランでオムレツとサラダと少しのワインを飲んだり、暖かな陽だまりの中で犬と戯れ目を細めたり、月光に照らされながら好きな音楽を聞いたり、朝食のパンにバターを塗りながらたわいも無い会話に耽ったり。

    社会に適応できない自分を攻めて至らなさを数える事よりも、ささやかな幸福を見つめて感じとる素直さを大切にしたいと感じた。

  • 新作発売日の様子が必ずニュースになる村上春樹。初期の三部作しか読んだことがなかったので、今更ながら有名な今作を購入。上巻を読む限りでは、初期の作風と大きく印象が変わることはなかった。

  • いろんなことを忘れずにいたい

  • 読み始めて数ページで、「ああこれはわたしの大好きな本だ」とわかった気がした。
    もともと村上春樹文学はそこまで得意ではなくて、「騎士団長殺し」は好きだったけど、「ねじまき鳥クロニクル」はあまり好きになれなくて途中で挫折…と言った具合に好みにムラがあった。
    でも、この「ノルウェイの森」は、出てくる登場人物、一つ一つの言葉や情景までも全てが好き。
    何でこんなに好きなのかわからないけど、本当にこの本を読んでいる時の感覚は「陶然」という言葉が相応しい気がする。
    近しい人を亡くした時、ぜひ読んで欲しいな

    「死は生の対局としててではなく、その一部として存在している」
    この有名すぎる言葉を読んだ時の衝撃はきっといつまでも忘れられないだろうと思う

  • 前に海辺のカフカ、風の歌を聴けを読んだことがあるため、この2冊に比べればノルウェイの森は分かりやすく、理解がしやすい本だった。
    喪失感は感じられなかった。
    村上春樹の本には死が絡まっていることが多いから、誰かが死んでも驚かなかった。素直に受け入れることが出来た。
    主人公の喋り方がすごく好きで、言葉の返し方がおもしろい。
    特に、緑が「ところでワタナベ君、今度の日曜日は暇?あいてる?」と言った時、「どの日曜日も暇だよ」と言った所が好き。
    突撃隊、緑の高校時代の話も面白かった。

  • 感想は後半で書こうと思ったけど、メモ的に思ったこと書いとく。

    自分を普通と疑わない主人公とその周りの複雑な背景を持った人たちが織り成すものがたり。

    癖というか闇というかそうした背景を持つ人に惹かれる主人公の気持ちが自分に刺さりっぱなしだった。

    あのとき分かり合いたかったのに、分かり合えなかった。そんな微妙な思い出が自分のなかでふつふつとよみがえってきた。

  • 初めて読んだのは10代のときでした。性描写が不潔に感じて大人の小説で面白くないという感想しか持てませんでした。その主人公と同じ年代になった今失った季節を懐かしむ気持ちがとてもよくわかります。青い初恋の記憶。その人との関係が生活の全てで、ひたむきで一生懸命で・・・。この世の財宝を全て独り占めしていたかのような青春の日々。憂愁や悲哀でさえ似つかわしく彼らにとっては美しい。夕べの影がすでに射さし始めた時になってみると、あの季節が懐かしくあれほどのものがほかに何か残っているだろうか?という気持ちがもたげてくる。初恋の悲哀のなかにも希望があったあの日。もう戻らない素晴らしい季節。

  • 同期がこれで卒論を書いたので読んだ。上下2巻あって長いし、内容も決して明るくはないが、私は好きだ。直子よりも、緑の方が好き。彼女のわがままさや無邪気さにちょっと助けられた。これの原型らしい、村上春樹の「螢」という短編を読んでみようと思っている。

  • 主人公が懐古し、その物語が始まる。
    1人の男が亡くなってから何かを失った2人が再会し、
    交流があり、男女の間で性の問題にもなる。
    周りの人間の個性が強すぎて、主人公が薄く感じます。
    出会いと別れを繰り返す。
    直子はどうしたいのであろう。
    それがどんどんこれからわかってくるのでしょうか。
    緑は良いキャラクター。
    主要人物は出そろった感じ。
    下巻も楽しみです。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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