ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748698

感想・レビュー・書評

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  • なんかリアルな話だなぁ……

    もし自分が主人公の立場だったとしても、彼のように女性に対する中途半端な態度を取らないとは言い切れない。

    現実っぽいから、この主人公が嫌いなんだなぁ…。

    と、思った。


    (今回はネタバレで感想書きます( ᴗ ᴗ)")



    いいかげん大人をとっくに通り越したわたくし…

    「そろそろ村上春樹いけるのでは?」
    という事で、
    初!!村上春樹作品でございます(゚∀゚ノノ"☆パチパチパチ★

    村上春樹といえば
    超有名な『ノルウェイの森』一択!

    ぜんっっぜん内容知りません!
    あらすじも知りません!
    映画ももちろん観たことありません!

    何故なら…
    『難しそうで、意味わからなそう』だからです笑
    完全に食わず嫌いです。

    なんか、大人〜って感じ…( '-' )

    満を持して挑む!!!
    大人の階段登る!!!
    結果!!!


    ……階段…滑り落ちました…(^ω^;);););)


    村上作品は、全てこんな感じなのでしょうか?
    予想してたイメージと全く違ってびっくり。
    まぁ、合う合わないはありますよね(-∀-`; )


    学生運動が盛んだった時代、主人公ワタナベの親友キズキが自殺。
    ワタナベはキズキの彼女、直子と再会。
    直子の心の傷は深く、複雑なものであった。
    再会後2人は親交を深め、やがてかけがえのない存在になってゆく…


    ワタナベはモテる。
    そんなに顔が良いという訳ではなさそうなので、インテリ風で少しクールな態度が魅力なのだろう。
    そして、来るもの拒まず女関係に節操がない。
    そのような、どっちつかずな態度が、読者としては腹が立つ。
    ただ、実際自分が男で、主人公のような立場になったらどうだろう…。
    その時2人の女を本気で好きなのに、振り解く事が出来るだろうか…(-_-;)
    自信ない…。(本音)笑笑
    だってモテるんだからしょうがないよね笑笑
    2人とも好きなんだし。

    言葉ではきちんとする、ちゃんとするような事をワタナベは言いますが、私が読んだ感想として、してるかと聞かれたら、全然してないよね笑笑
    他の女とヤリまくってるし…。
    男の感覚と違うのかな〜。

    私なりに解釈して考えた結果、上手く言えないが、小説っぽくない…というか、リアルすぎるのかなと。
    実際の行動・態度なんてこんな感じなんだろう。
    友人にいますよね。あまり聞かないだけで(^_^;)

    だから反感持つし、イライラする。

    直子に関しては、恋人が何も言わずに自殺…という過去があるので、病む気持ちは分かります。
    うつ病っぽいです。

    彼女がワタナベに取っている行動は、彼女自身もわかっていないのだろうと思う。
    どうしたいのか、どうなりたいのか、考えすぎてパンクしてる。

    彼女の態度は逆に、小説っぽさを感じる。
    曖昧な態度とって、
    どうしたらいいのか分からない。
    私を助けて。
    助けて。
    (かまって、かまって!!)…と(- -;)

    繋ぎ止めるような、気を持たせるような態度。
    そこがビートルズの『ノルウェイの森』の歌詞に因んでいる所なのかな。
    歌詞の女は、どちらかというとさっぱりしていて、緑のような女性という印象を受けますが…。

    直子が駆け込んだ先『阿美寮』は、宗教施設っぽい印象を受けました。
    まぁ、教祖がいるわけではないし、療養施設だから違うんだけどね。
    ただ、狭い世界で生活しているので少なからず洗脳状態にならないとは言い切れませんよね…。

    この施設の中では、隠し事や嘘は吐けない。
    直子は、包み隠さずあらゆる事を同室のレイコに話します。
    ワタナベも2人に手紙を書き、真実を報告します。

    このセラピーが効果あるのか、回復は人それぞれだと思いますが…。

    『何故直子は自殺したのか』という疑問に関しては、私なりの解釈で結論を出しました。

    緑の存在が引き金になったのだと思います。

    『自分がいなければ、ワタナベは緑と一緒になれる』という事実が引き金になった。
    恋人の自殺。男とセックスできない事実。それらを抱えて更にワタナベと共に生きて行けるか分からない。
    彼女は混乱し、症状が重くなった。

    という私の解釈です。

    理由のひとつに、レイコの体験談があります。
    彼女はピアニストになる夢を諦めざるを得なくなり、心が病んでいる所に、旦那さんと出会います。
    とても彼女を愛していてくれていたが、ある事件がきっかけで別れる事に。

    直子にとっては永遠の愛なんて存在しないという例となったのでは?

    そして、ワタナベが直子宛に書いた手紙に、緑との関係が書かれています。

    何でも包み隠さず言い合うのって、本当にセラピーとして効果あるのか、すごく疑問です。
    それが原因なのでは?

    文章がストレートな言い回しで、少し気持ち悪いと思った点がいくつか。

    特にレイコがピアノ教室で会った女の子との話。
    療養施設で直子が「忘れないでね」と言ってワタナベとしていた行為。
    非常にキツかったです。
    していた行為も、エピソードも気持ち悪いです。女の無神経さ?かな。
    (もちろん、自分がしないか?と聞かれたら自信はありませんが…笑)

    読むのやめたいと思った数少ない作品のひとつになりました…(-_-;)

    そんな中でも、好きなキャラは2人。
    突撃隊と、永沢先輩です。

    突撃隊は唯一の癒しでした‎߹ㅁ‎߹)♡
    彼は寮でワタナベと同室。
    毎朝6時にラジオ体操。
    潔癖で部屋は清潔。
    他の部屋にはグラビアのポスターなどが貼ってあるのだが、彼らの部屋には、アムステルダムの運河の写真笑(素敵だと思いますけどね。゚+.゚(´˘`人)゚+.゚)
    ワタナベが彼をからかうエピソードはとても好きです。
    どこ行っちゃったんだよ〜突撃隊〜!(༎ຶ⌑༎ຶ)

    そしてこの方。永沢先輩。
    彼は天才。努力家。信念を貫く。
    彼の考え方は非常に魅力度高いです。
    この本を読んでよかったと唯一思える存在。

    何故女の子を口説くのかと言う質問に、この回答。
    「可能性がまわりに充ちているときに、それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことなんだ。それ、わかるか?」

    はい。その通り。思わずメモりました。笑笑

    「ところであなたの人生の行動規範っていったいどんなものなんですか?」とのワタナベの質問に対する回答。
    「紳士であることだ」(中略)
    「自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ」

    すごい。(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
    そんな考え方もあるんだなぁ。
    惚れるぜ。

    とは言え、彼の恋人のハツミさんは自殺してしまいます。

    彼らの喧嘩の時、永沢の自由さに文句はないと、割り切っているんだと思っていたハツミさんは本音を漏らす。

    やっぱそんなできた女、いないよね…(^▽^;)

    それでも貫く永沢節…。

    彼女が自殺した事で、永沢に変化は訪れるのでしょうか…。

    緑は、好きです。
    聡明で素直で下ネタ全開で、機嫌損ねるとめんどくさいけど、多分、一途です。
    策士で、駆け引きが上手い。
    拍手(゚∀゚ノノ"☆パチパチパチ

    ラスト、レイコとセックスする意味が全く分かりません。
    酷いし、あの年齢の女の印象を悪くしている感じがしたのと、熟女層のウケを狙ったのかなという感じがしました……(-᷅_-᷄ )
    だから、リアルなんだって〜。
    するかもしれないけど、小説だから見たくない。


    あとは、個人的なツボ。
    学生運動のビラを配りに授業に割り込んだ生徒に対してのワタナベの心の声が面白かった笑

    「欺瞞的総長選挙を粉砕し〜」からの文章
    「この連中の真の敵は国家権力ではなく想像力の欠如だろうと僕は思った」

    笑笑ブラックジョーク的なの、好きです。

    村上春樹ファンの方々は、文章の美しさが好きなのかな?
    深いと言われても、具体的にどの辺が深いのか知りたい所。

    総じてこの小説、私には合わなかったです。

    私は頭が悪いので、魅力に気付く事ができませんでした…|д꒪ͧ)…

    ただ、最後まで読んで良かったと思います。

    偏りがちな読書生活ですので、色々な分野の本も読めた貴重な時間だったと思います。
    しかもこの感想、めっちゃ時間かかってるんだぜꉂꉂ(ˊᗜˋ*)笑

    ある意味インパクト大な作品でした。

    死ぬまで忘れないと思います。





  • 村上春樹作品は肌に合わない。しかしながら絶大な人気を誇る、村上作品の魅力は一体何なのか、それを探りたい。
    今作は村上作品の中でも非常に読みやすかった。私が思うに村上春樹を好きなのは女性より男性比が圧倒的に高いような気がする。理由としては作品全体に漂うニヒリズム、退廃的雰囲気、セックスドラクスロックンロール。ビートルズを代表とする60年代の音楽やムーブメント、サブカルチャー、イデオロギーなど如何にも男性好みだ。かくいう私は女性の書き手が圧倒的に好みである。笑
    しかし、作品を彩る登場人物たちの溢れんばかりの魅力。緑、永沢、キズキ、突撃隊!(他は余り好きではない)
    この辺りのキャラクターは素晴らしい。
    虚無感は拗らせすぎると辟易して、何故、自死を選ぶかわからない者達。
    物語終盤のあるシーンと選択。全く理解不能。胸糞悪すぎ。と、悪いとこだらけだが、次の作品に委ねます。

  • 上巻以上に登場人物の言動に理解が追いついていかない。どういう発想からこんな個性的で独特な人物像が出来上がったのか非常に興味深い。この作品は何を語りたかったのか、読んでいる途中も読み終わっても分からずモヤモヤ感が残った。これが文学なのか・・。そして自分がその領域に達していないことを知った。

  • 共感できる登場人物がいなくて、有名な作品の割に刺さらないな‥‥というのが上巻の感想でした。
    でも不思議と下巻を読まないという選択肢はありませんでした。
    下巻を読んで、「死は生と逆のところにあるのではなく、生と繋がっている」という感覚を自分のものにすることができたなと思います。

  • 「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」確かに、自分の死も大切な人の死も、生きていることの中にある。
    村上作品はどうしても理解しきれない心情が出てくる。性の本性なのか、本能なのか。どこに一線を引いているのか分からなくなる。生を生きると決めた緑とワタナベは純愛であってほしい。

  • キズキ君も、突撃隊も、緑の父も、直子も茂みの中の井戸に落ちてしまった。上巻の最初の表現はまさにそういう比喩だったんだと途中で気づいた。
    人は誰にも気づかれずに突然姿を消すけど、それは別世界にワープするようなものではなく、生の世界と地続きになったところに空いた穴にランダムに落ちていくようなものだと言いたいように感じた。そして、死者はあたかも最初から存在しなかったかのようにいなくなるが、生者が忘れなかったり悲しんだりすることで「死んだ」という事実と以前は生きていたいう事実が意味を持つということかなと思う。

    正直、主人公はところどころでなかなか自分勝手だった。あと、村上春樹の作品を読んだことが無かったので、作者にとっての「生」の描写が今回は特殊なのかいつもこうなのかがまだわからない。そこで、今は星3つの評価にしておき、今後作者についてもより深く知ることができたら、その後で改めて評価を見直してみようと思う。

  • 1987/10/12 第三刷 再読 表現は美しい やはり恋愛小説には性描写が必要なのかなあ

  • 昔々…まだ消費税がなかった頃に初めて読みました。
    いろいろなことが起きる年頃だった私は、登場人物が何人も自殺したりで、読み終えてから、少しだけ精神状態が悪くなって、人生最初で最後の不眠症になりました。
    その後、もう一度読もうと思い立ったところ、前回とはまったく違う箇所に感動して、恋人にその部分を朗読したりなんかして、かなりご機嫌な恋をしていたことを思い出します。
    要約すると、可愛い子熊と丘の斜面を転がりあって一日中遊ぶのって、素敵よね

    って言う場面なのですが、同じ本でも、読む時の自分の状況によって、こうも違うものなのか…と、呆れつつも、大発見してしまったのがこの本です。
    ちなみに、今私が持っている「ノルウェイの森」は、1030円です。
    消費税3%の時代‼️

  • 別の本で『ノルウェイの森』について触れていたのを見て『そういえばあの頃すごく流行っていたし映画化もされてたのに読んでなかったな
    …』と、今更手に取りました。

    登場人物たちは皆他人の目なんて気にしない…という感じで自分を表現しているのに誰よりも繊細で脆い。自死が自死を呼んでいる。壊れないように溺れないようにと懸命に生きている若者のお話し…と感じました。

  • この本を読んで、一気に色んな人生経験した気分になった。ワタナベの周りには深く悩み、自殺する人が多すぎる。私はワタナベのように哀しみの乗り越え方は見つけられない気がする。ワタナベの哀しみや欲に向き合って生きていく様子が、人間味があってよかった。深いのに、それに対して自分の言葉で感想を書くと薄くなってしまう〜、、

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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