- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748698
感想・レビュー・書評
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村上春樹作品は肌に合わない。しかしながら絶大な人気を誇る、村上作品の魅力は一体何なのか、それを探りたい。
今作は村上作品の中でも非常に読みやすかった。私が思うに村上春樹を好きなのは女性より男性比が圧倒的に高いような気がする。理由としては作品全体に漂うニヒリズム、退廃的雰囲気、セックスドラクスロックンロール。ビートルズを代表とする60年代の音楽やムーブメント、サブカルチャー、イデオロギーなど如何にも男性好みだ。かくいう私は女性の書き手が圧倒的に好みである。笑
しかし、作品を彩る登場人物たちの溢れんばかりの魅力。緑、永沢、キズキ、突撃隊!(他は余り好きではない)
この辺りのキャラクターは素晴らしい。
虚無感は拗らせすぎると辟易して、何故、自死を選ぶかわからない者達。
物語終盤のあるシーンと選択。全く理解不能。胸糞悪すぎ。と、悪いとこだらけだが、次の作品に委ねます。
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上巻以上に登場人物の言動に理解が追いついていかない。どういう発想からこんな個性的で独特な人物像が出来上がったのか非常に興味深い。この作品は何を語りたかったのか、読んでいる途中も読み終わっても分からずモヤモヤ感が残った。これが文学なのか・・。そして自分がその領域に達していないことを知った。
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共感できる登場人物がいなくて、有名な作品の割に刺さらないな‥‥というのが上巻の感想でした。
でも不思議と下巻を読まないという選択肢はありませんでした。
下巻を読んで、「死は生と逆のところにあるのではなく、生と繋がっている」という感覚を自分のものにすることができたなと思います。 -
「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」確かに、自分の死も大切な人の死も、生きていることの中にある。
村上作品はどうしても理解しきれない心情が出てくる。性の本性なのか、本能なのか。どこに一線を引いているのか分からなくなる。生を生きると決めた緑とワタナベは純愛であってほしい。 -
1987/10/12 第三刷 再読 表現は美しい やはり恋愛小説には性描写が必要なのかなあ
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昔々…まだ消費税がなかった頃に初めて読みました。
いろいろなことが起きる年頃だった私は、登場人物が何人も自殺したりで、読み終えてから、少しだけ精神状態が悪くなって、人生最初で最後の不眠症になりました。
その後、もう一度読もうと思い立ったところ、前回とはまったく違う箇所に感動して、恋人にその部分を朗読したりなんかして、かなりご機嫌な恋をしていたことを思い出します。
要約すると、可愛い子熊と丘の斜面を転がりあって一日中遊ぶのって、素敵よね
。
って言う場面なのですが、同じ本でも、読む時の自分の状況によって、こうも違うものなのか…と、呆れつつも、大発見してしまったのがこの本です。
ちなみに、今私が持っている「ノルウェイの森」は、1030円です。
消費税3%の時代‼️ -
別の本で『ノルウェイの森』について触れていたのを見て『そういえばあの頃すごく流行っていたし映画化もされてたのに読んでなかったな
…』と、今更手に取りました。
登場人物たちは皆他人の目なんて気にしない…という感じで自分を表現しているのに誰よりも繊細で脆い。自死が自死を呼んでいる。壊れないように溺れないようにと懸命に生きている若者のお話し…と感じました。 -
この本を読んで、一気に色んな人生経験した気分になった。ワタナベの周りには深く悩み、自殺する人が多すぎる。私はワタナベのように哀しみの乗り越え方は見つけられない気がする。ワタナベの哀しみや欲に向き合って生きていく様子が、人間味があってよかった。深いのに、それに対して自分の言葉で感想を書くと薄くなってしまう〜、、