風の歌を聴け (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748704

感想・レビュー・書評

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  • これがデビュー作品なんだーと、感慨深い思いで読ませて頂きました。

  • 何度も挫折した村上春樹さんをやっと読むことができた。これは読みやすいというので。
    読んですぐデレク・ハートフィールドをググった。やはり架空の人。が、ちゃんと載っているのがすごい。
    わたしには、まだまだ難しいが、確かに風のように心に流れた小説だった。余韻が残る。読み終えて数日、自分が若い(学生)のころを思い出した。あの頃、同年の大学生の男子はなにを考えていたのだろう。

  • 読了後の感想が「訳わかんなくてつまらない」と「訳わかんないけど面白かった」で二分化するらしい。

    そりゃそうだろうな。

    高校の時に「ねじまき鳥」と「海辺のカフカ」読んで訳わかんなくて、コレが文学ならクソ食らえだな、と村上春樹の本は意図的に避けてきた。

    で、あれから10年。海外文学の面白さが最近やっと分かるようになってきて、もしや…と思い読んだけど、うん、やっぱりよく分かんない。

    でも、何だろう。
    また読んでみたいかもしれないし、もしかして面白かったんじゃないか?とか思う。

    なので、読了後の感想としては、自分は後者に入るみたい。

    ただ、そのもやっと感じた面白さを言語化できないのが、とても悔しい。

  • (2021.8.28)
    再読。夏の弔いにはうってつけの一冊だと思う。
    気がつけばこの文章を書いている僕と同じ年齢になってしまったんだな。読み終えるまでの間にジントニック3杯と缶ビール2本をのんで酔いがまわって、それでようやく初めて僕と鼠の輪郭がうかんでくるような気がする。
    夏の終わりにはきっと誰もがだれかに会いたくなって、孤独感、寂寞感、焦燥感、憂鬱感、期待感、無常感、まとまらないすべての気持ちがここに詰まってる。たとえば僕がかつて寝たことがある三人の女の子や、今年出会った一人の女の子のこと。

    今年の夏は長めに帰省して、10年ぶりくらいに幼馴染と再会できたのだけれど、お互い変わらないものに触れて喜びを共有しつつでもやっぱり私にとってはそれはもう、「さよなら」と言って、「元気でね」と別れるだけの夏なんだと思った。
    夏の終わりにこうした気持ちになることを青春の一片と呼ぶのであれば、私はずっと青春の中にいる。

    **
    『私は貧弱な真実より華麗な虚飾を愛する。』

    それがクールさとどう関係しているのかは僕にはわからない。しかし年じゅう霜取りをしなければならない古い冷蔵庫をクールと呼び得るなら、僕だってそうだ。


    (2016.7.30)
    ほぼ一年ぶりに再読してのレビュー。
    親しい友人にすすめられて村上春樹というものを訝しがりつつ初めて読み、そしてまんまと衝撃を受けたのが、もう一年前。
    そして今日までに彼の小説を貪るようにすべて読み尽くしたのだから不思議なもんだ。

    このデビュー作を読んでの第一印象は、支離滅裂なような文章構成がとにかく斬新でクール。
    琴線にふれて心を鷲掴みにし、私もそれを鷲掴みに仕返して大切にとっておきたくなる一文がいくつもあります。
    夏の終わりのさみしさと、脆い青春の質感が融合して独特の世界観をつくりだす本当に素敵な小説です。
    やっぱりビールが飲みたくなる。

    • つづきさん
      いえいえ、むしろこれから村上春樹の世界にまっさらな状態で飛び込んでいけるというのが羨ましいです。読み返す毎におもしろさや発見もあるんですけど...
      いえいえ、むしろこれから村上春樹の世界にまっさらな状態で飛び込んでいけるというのが羨ましいです。読み返す毎におもしろさや発見もあるんですけどね。楽しんでください!
      2021/01/02
    • おはようまだねようさん
      つづきさんの素敵な言葉選びにとても胸が高鳴ってます。その感性は絶対つづきさんの読書経験から成ってますよね。改めて本って素敵だなあと思います。
      つづきさんの素敵な言葉選びにとても胸が高鳴ってます。その感性は絶対つづきさんの読書経験から成ってますよね。改めて本って素敵だなあと思います。
      2021/01/02
    • つづきさん
      うわ〜そんなふうに言っていただけるなんて、読書をし続けてきた甲斐があるというものです…ありがとうございます。本って素敵です。
      うわ〜そんなふうに言っていただけるなんて、読書をし続けてきた甲斐があるというものです…ありがとうございます。本って素敵です。
      2021/01/03
  • 「あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。」

    この文章が、この小説を表しているのだと思った。
    一夏を過ごした彼女に二度と会わなかったというのが、刹那的でとてもリアルだ。

    作中に登場する音楽は、どんな曲か知らない曲ばっかりなのに、頭の中に音楽が流れてくるような、不思議な作品だった。

  • 再読。やっぱり冒頭はすごく良い。
    再読したのに何だかよく分からない。でも夏が終わろとしている青春の一ページという感じで駆け抜けるように読み切れる。

  • 再読だけれど、あまり覚えていなかった。ちんぷんかんぷんになるので、メモを取ったりボイスメモ入れたりしながら読み進める。分からないところはググると、皆「?」と思うところは同じらしく考察がきっちり出てきて人気の程がうかがえる。

    世界観が好きで、読み終わるのが惜しい心持ちになるのは村上作品全てに共通するという事が分かった。3部作まとめて読めば何か見えてくるかな?

  • この本に初めて出会ったのは、20代のはじめ。
    説明のつかない魅力にとりつかれ、何度か読み返した記憶があります。

    今また読んでみて、すごくよかった。
    この小説に出てくる言葉すべてに、心動かされる。
    主人公の僕と、作者が重なる。
    これが村上春樹の原点…?
    断片的な文章にみえるけど、ストーリーもちゃんとある。
    ラジオのDJとかレコード盤とか、”良い時代”だった頃が懐かしい。

  • 爽やかだけど、ほろ苦い。ひと夏の青春がたしかにそこにあるけど、みんな心に弱さを抱えているから、誰かに悩みを吐き出すし、他者を求めるように動いてしまう。
    軽妙な会話を通して人に寄り添い、対話を行う描写が、妙にドライで皮肉っぽい。

  • 村上春樹の作品はたくさん読んできたけど、この本は初めて手に取った。なんとなく読書のリハビリになるかなと思い。

    短い夏の夢を描いたような作品で、掴めそうで掴めない感じがちょうど良かった。「あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。」このフレーズがぴったりすぎるなぁ、と。
    面白さを伝えるのはとても難しいが、ふわっとしてて考える余白がある感じが好きだった。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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