蒼穹の昴(3) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.10
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本棚登録 : 4543
感想 : 269
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748933

作品紹介・あらすじ

落日の清国分割を狙う列強諸外国に、勇将・李鴻章が知略をもって立ち向かう。だが、かつて栄華を誇った王朝の崩壊は誰の目にも明らかだった。権力闘争の渦巻く王宮で恐るべき暗殺計画が実行に移され、西太后の側近となった春児と、革命派の俊英・文秀は、互いの立場を違えたまま時代の激流に飲み込まれる。

感想・レビュー・書評

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  • 面白くて一気読みしてしまった!今までは中国の歴史難しいって思ってたけど、今作から日本の歴史とも関わってきて、面白くなってきた。聞いた事ある事件の裏ではこんなことになってたのかと知れて楽しい。実際の歴史を調べながら読んだから、より楽しかった。

    清国内外で様々な争いがあって、それを何とかしようとする人達と、自分の権力や思想のことしか考えてない人達とに別れてた。春児はみんなから尊敬される立派な人になってて、努力が認められた気がしてこっちまで嬉しくなってしまった。春児なら何かしてくれそうって期待してしまう。次の話も楽しみだ!

  • 瀕死の清王朝で中華亡国の危機!
    新旧体制派、新略を目論む各国、この3巻からは日本もかなり関わったストーリー展開で、当時にロマンを馳せながら更に興味深く読んだ。
    いざワクワク4巻へ‼︎

    • hibuさん
      こんばんは!
      いいペースですねー^_^
      ワクワクしますよね!
      ラストに向けて楽しんでください♪
      こんばんは!
      いいペースですねー^_^
      ワクワクしますよね!
      ラストに向けて楽しんでください♪
      2023/12/27
  • 〝貧しい糞拾いの子であった私は、ある不思議な運命の糸に手にたぐられて、老仏爺(西太后)様のお傍に仕えております...人間の幸福は決して金品では贖えない。人を心から愛すること、そして人から真に愛されること、それが人間の人間たる幸福なのだと、老仏爺様は御身を以て私に教えて下さいました...末代までも悪女、鬼女として罵られる、世界中で最も不幸な老仏爺様が、そう教えて下さったのです〟・・・西太后の側近となった<春児>と改革派の俊英<文秀>は、互いの立場を違えたまま、清王朝滅亡の時代の波に飲み込まれていく・・・。

  • 第三巻に入り物語のスケールがかなり大きくなりました。
    これまで主に清国内から語られてきたストーリーですが、この巻あたりから日本人やアメリカ人ジャーナリストが登場します。それによってアヘン戦争以降、列強の脅威にさらされる清の姿というものが、外の視点からも描かれていきます。

    海外の脅威にさらされる一方、宮中内の政争もより苛烈さを増していく。これまでの中心人物だった春児や文秀の出番が減ってしまったのが少し寂しくはあったのですが、陰謀渦巻く国内・国外政治のドラマはまた違った読み応えを与えてくれました。

    歴史のうねりの中で、登場人物たちが時には自分たちの立場や勢力拡大、あるいは保身のために、あるいは理想や夢を持ち、それを人に託し、あるいはただただ純粋に人と国を憂い祈る。様々な思いが交差し描かれていきます。

    大枠としてはこの巻は歴史・政治の陰謀、策略の要素が強かったと思うけど、要所要所でこうした清濁合わせた人の思いが描かれ、言葉が紡がれ、それによってストーリーが単にドロドロとしたものだけでは終わらないのが、印象として良かったです。

    歴史物だとストーリーが歴史をたどるだけに終わってしまう印象になるものもあるけれど、この蒼穹の昴の3巻はそれを感じませんでした。そこもまた作品の引力や浅田次郎さんのストーリーテラーっぷりが現れていると思います。

  • おもしろーい!
    けど、難しいですね。
    登場人物の名前が1人につき多数あります。
    歳のせい?なかなか誰がだれなのか覚えられません!
    と、この煩わしさをのぞいても面白い。
    また読み返して、さらに理解を深めます。

  • 人物描写がとてつもなく
    素晴らしい!
    生き様、考え方、人となり…
    どう生きてきて
    どう生きていくのだろうと
    思いがめぐる。
    描く人物ごとに
    感情移入が甚だしいことが
    この小説の秀でた証しなのだろう。

  • 第5章四十一段から。
    上下巻の方で読み始めたら、図書館の棚にあった本があまりにも古くてバッチいので(1997年版)違う図書館の文庫版に変えたら、なんと段が飛んでる…。仕方なく超古い下巻を借りに行って40段まで読んでからこの文庫を読みました。章で切ってあるはずなのに、なぜこのようなことが起こるのか。借りてるから文句言えないけどさ。
    相変わらず濃密な内容。気持ちを入れている文秀(ウェンシュウ)と春児(チュンル)が政治的な立場違うけど、優秀で、真っ直ぐでいることにホッとしながら読み進めています。この巻の最後のシーンは良かった。

    • あけあけさん
      これを読み終わったら、中原の虹と珍妃の井戸も読んで〜!
      これを読み終わったら、中原の虹と珍妃の井戸も読んで〜!
      2022/08/20
    • コプ眠さん
      夏休みのうちに頑張ります。
      夏休みのうちに頑張ります。
      2022/08/20
  • 3巻。ここで新たに第三の視点、日本の新聞記者岡圭介とアメリカの新聞記者トマス・バートン他、外国人ジャーナリスト勢が登場する。滅亡寸前の清国を虎視眈々と諸外国が狙う国際情勢を俯瞰して説明してくれるのでありがたい。
    現代日本人の私にはちょっと理解しづらいところだけど、民族の誇りとか因縁みたいなものをそれぞれが強く持っていて、改革派、守旧派の中にもそれぞれの思惑があり、文秀の同期の王逸(ワンイー)順桂(シュンコイ)も暗躍する。袁世凱の暗殺に失敗して監禁されていた王逸が耳の聞こえない少女小梅に助け出されるシーンは泣いた。
    激動の時代において、一本気の通った李鴻章、プレジデント・リーのかっこいいこと。李鴻章がイギリスと結んだ香港の99年租借条約。香港返還という自分が知ってるところに行きついて、この物語が100%の創作ではなく史実なのだとハッとさせられた。
    次で最終巻。物語はどのような結末を迎えるのか…4巻に続く。

  • シリーズ3作目。

    レビューを書くのを忘れて数ヶ月放置。。。

    この作品、うろ覚えの記憶で薄いレビューを書きたくない。
    かといってレビューのためだけに再読するには、やや重い。

    というわけで、今回は感想なし。

    ★4つ、7ポイント半。
    2020.5.15頃。新。

  • めちゃ昔の話だと思いながら読んでたけど、外国や伊藤博文とかの名前が出てくるとそう昔の話でも無いんだなぁ…と感じる。

    せっかく上手いことまとまりそうだったのにロンルーとリエンインは何故まだ生きてるのか、早く苦しんで死んで欲しい。

    次巻が最終巻。どう終わるのだろう…

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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