蒼穹の昴(4) (講談社文庫)

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著者 : 浅田次郎
  • 講談社 (2004年10月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748940

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蒼穹の昴(4) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 4巻のみ、ではなく全4巻としてのレビュー。

    登場人物がどの人も魅力的。
    中でも西太后。
    本当の人物像がどうだったかは別として、この物語に出てくる西太后は驚くくらいいろんな顔を見せる。
    皇帝、母親、少女・・・
    そしてそのどれもが報われずに切ない。
    あまりにも切ないので「んもー、おじいちゃんのせいだ!」なんて心の中でチャチャをいれてみたり。

    ラストでは号泣。
    あまりにも切ないので「名前、ながっ」とチャチャをいれてみたけど、涙止まらず(笑)

    他の人のエピソードでは譚嗣同&玲玲。
    不器用で優しい譚嗣同の玲玲に対する想いと最期が悲しい。

    浅田次郎は映像化されたものをいくつか観たけれど、どれもいまひとつ合わず読みたいと思えなかった。
    これもドラマが先だったけれど、初めておもしろいと思い原作も読みたいと思った。
    地の文というか世界(時代)感と会話文が違いすぎて多少気になったものの、この長さを一気に読ます読みやすさの一助になっているのかな。

    「珍妃の井戸」は続けて読了。
    「中原の虹」の存在は最近まで知らず。そのうち読みたい。

  • 旅先の珠海で一気に読み終えてしまった。
    久しぶりに一気読みしたなぁ。
    話の細部については多分に装飾を加えているとは思うのだが、
    流れ的にはもちろん事実である。
    まさに小説的。
    事実は小説より奇なりという言葉が浮かんだ。
    さて、このシリーズはまだまだ続くらしい。
    満州国崩壊までやってくれるのを期待する。

  • 最後に勢いに乗ってきたこれ。最後まで西太合には感情移入できないというか、納得できんというか、ばしばし殴るは蹴るは酷いけど実は心で泣いてるのって言われてもやっぱ痛いのいや!って感じで。
    国を治めるには施しを与えるのではなく寄り添って生きていくのであるってのは、国だけじゃなくて、先生と生徒とか、親と子とか、なんかいろんなとこに言えそうで、あー、大事だよねー、って思いつつも、結局中国も今はあんなだし、いつまでたっても難しいって事なんだな、きっと、と自分を納得させたりもする。

  • 光緒帝もしくは西太后崩御まで描くのかと思っていたが、意外なところで終わっていた。
    帝党のクーデターが未遂に終わり、文秀たちの身が危険に。いっぽう、我が子同然の帝の翻身によって、傷心の西太后のもとには位冠をのぼりつめた春児が。

    全巻通しての評価は★4つ。
    歴史のうねりの中で架空の人物の活躍を描くのは難しいかな。文秀の活躍がいまいち、というか、彼は改革派でありながらエリート批判の権化に使われてしまった感じも否めない。全共闘世代の学生運動の壮士たちみたいなものだろうか。

    もうちょっと、両者の対決が見たかったかも。
    謎の女スパイ、チャンや日本人新聞記者など脇役に喰われてしまった印象。

    乾隆帝と絵師のエピソードは冗長すぎて不要だったので割愛しても良かったのではないだろうか。タイトルの解き明かしになったシーンが出てくるあたりは感動的なのであるが、なぜ、いきなりあの幼少時代でラストを締めくくったのか、わからない。

    本書が伝えたかったのは、運命を乗り越えて、人の優しさを失わずに生きることの大切さだったのだろう。個人的にお気に入りは、王逸の最後の登場シーン。まさか、あの有名人物と接触するとは。

    大作で力量を感じるが、直木賞を逃したのはなんとなくわかる。

  • 「同志」という言葉は60年代に「言葉狩り」の対象になるんですよ。文化大革命の頃。同志って言葉を使うことでこいつ、共産党員じゃね?社会主義の中国において、ブルジョワっていうあってはならない階級にいるんじゃね?と疑われたわけです。だから、敬称が「先生」になった。中国語の「先生」は医者や教師や政治家を指す言葉じゃなくて、目上の人への「○○さん」なわけですね。(偉そうに書いて違ってたらどうしよう)

    毛沢東は1966年から1976年にそのまっただ中にいることになるわけですけれども、その中での功績とか罪過はとりあえず置いておいてですね。(っていうかよくわからないから)
    それを教えたのが王逸だという物語の設定がね、とても良いと思います。

    以下、本文引用。
    「おまえは学問をして、偉い人間になれ。何もできずに死んでいった子供らや、兵隊たちの分まで頑張れ。俺は死ぬまでおまえのそばを離れない。俺の持っているものを、全部おまえにあげよう」
    「全部って……おじさん、何も持ってないじゃないか」
    王逸は歩きながら、少年の掌を額に導き、弊衣の胸に置いた。
    「ここと、ここに、たくさん詰まっている。俺と一緒に、頑張ってくれるかね、毛同志」
    「同志?」
    「そう。ともに学び、ともに戦おう。俺たちは、同志だ」
    王逸は少年を高々と肩車にかかげ、山の端の翳りを踏みこえて、ふしぎな紅色の光の中に歩み入った。
    引用終わり。

    かっこいい。王逸、めっちゃかっこいい。
    あと、紅色の光の中、って浅田次郎さん、良い表現するなぁと思う。中華人民共和国の色。未来の色。

    そして、その同志という言葉を梁文秀が光緒帝の手紙におそらくほぼ同時期に使っているのがもっと良い。
    2人が、王逸が「どうしてもかなわない男」といった梁文秀とその王逸が、知らずに同じ言葉で、中国の歴史に残る人物2人に「同志」と呼びかける設定、めちゃくちゃ良いじゃないですか。
    手紙をもみしだきながら慟哭し、梁文秀は譚嗣同を同志と呼ぶ。それも素敵。国も境遇も生死さえもばらばらに、別々になったのに、彼らは同志なのです。すごい。かっこ良すぎる。

    「同志」―志同じ者、この言葉が非難の対象となった時代のことはよくわかりませんが、たった2文字に疑心暗鬼になるなんてちゃんちゃらおかしいと思うんです。
    浅田次郎さんのことを思うのはおこがましいの極みですが、言葉を紡ぎだす人として、「蒼穹の昴」最後に同志という言葉を使ったのではないかと思います。

    なんか、書きすぎたな。
    あと、解説を書いている陳舜臣さんの姪の授業を受けられるというのも幸せですね、単位ください。

  • 本年最高の小説!

  • 最終巻は、浅田ワールドの本領発揮!
    3巻までももちろん素晴らしい内容だったけれども、4巻はより一層泣ける内容になっている。

    清代の衰退期にありながらも、権力闘争に明け暮れる為政者たち。
    国家を変えるべくして立ち上がった、春児と文秀の運命は果たして如何に・・・?

    浅田先生の書く世界は、将来に希望を持てるようなものになっており、そういった意味で爽やかな気持ちになれる。
    最終巻であることは残念だが、今後に続く伏線も張られているので、その点もとても喜ばしい。

  • 激動の巻ではあったけど、3巻ほど感動しなかった。譚嗣同と王逸のエピソードはよかった。
    西太后も光緒帝も春児も、なんとなく悲しいまま終わってしまった。大筋は史実なのだから仕方ないのかな。
    何にしても、文秀、暴力はいかんよ。。暴力をふるう男とじっと耐える女の描写は、プリズンホテルの時もそうだったけど一気に引いてしまう。
    あとやっぱ台詞がな。。口調が大げさな感じであまり好みでない。。

    だけど総じて勉強になったし中国の歴史に興味もわいたので、シリーズの続きも読んでみたい。

  • ついに終わりました。
    というより、終わってしまいました。
    読み応えがあり、勉強にもなり、本当に出会えてよかったと思える作品でした。

    「死ぬは易し、生きるは難し。」
    心にささる一言です。

    ただ、個人的には、最後に伊藤博文が柴少佐を尊敬していると言っている場面に最もジーンときてしまいました。
    出自で出世を諦めながらも、清廉かつ実直であり続ける柴に対して、その能力を少なからず認めている伊藤の関係は、春児と西太后に似ているんかなー、と勝手に思っていました。

    今後、梁文秀がどうなっていくのか、続編が気になって仕方ありません。
    ただ、梁文秀のモデルになった人の逸話を読む限りでは、いい予感はせんけど・・・

    それと、様々な人たちが様々な思惑を持って、中国と言う莫大な大地を持った国を動かそうとしているわけやけど、最終的にはたった一人の人間の個人的な憎悪や恨みが、社会を動かす大きな影響を与えるというのは、古来から変わらない人の世の摂理なのかなー、と感じました。

  • いままで興味なかったけど、中国の歴史に関心がわいてきた。日本と中国、いろいろ関係が複雑な国ではあるけれど、やっぱり歴史が持つ重みはすごい。いつか紫禁城に行ってみたい。実写ドラマも見てみたいな。歴史小説はあまり読んでこなかったけれど、たまに読むといろんな発見がある。人のおすすめは一度素直に受け入れることもいい。長い間貸してくれたIさんに感謝。

  • なんとか読み終わった
    もうちょっと中国や日本の歴史に詳しければ、もっと面白く読めたと思う
    …というか、こういう歴史系の小説はオレには難しい、とはいえ面白い本でした。日本との歴史が交錯しているところが、物語を盛り上げてくれる

  • 浅田次郎が描く、近代中国ロマンモノ。
    続編(「珍妃の井戸」「中原の虹」)があるので、早く続きが読みたい!という気持ちで一杯です 笑

    変法運動、というと
    「焦りすぎて失敗した明治維新失敗版」
    というイメージしかない自分には非常に新鮮でした。
    (もちろん小説なので、主人公は実際には存在しない人物など、フィクションが多分に入ってはいますが)
      
    浅田次郎さんの達者な文章で、
    一気にグイグイ読ませてくれます。
    大変おもしろかったのですが、
    終わるタイミングが「ここで!?」と思えてしまうところで 笑
     
    もし読まれるのなら、続編の「珍妃の井戸」「中原の虹」もあわせて買っておいたほうがやきもきせずに住みます 笑

  • 面白かった。宦官とか纏足とかいろいろ聞いたことはあったが、実際のところどうだったのかというところが新鮮でした。香港のことなどの歴史も面白かったし、日本の歴史とのリンクも面白かった。ただ、龍の玉がもっと劇的に出てきたりするのかと思ったが、振りだけだった。

  • 最終巻。改革派と保守派の権力闘争は日本も巻き込んで激化し、その中で登場人物の生き様も最終章を迎える。
    最後は春児と文秀の個人的な心情に戻っていくのだが、浅田次郎のメッセージは以下なのだろうか。
    「難しく考えるな、史了。知恵も力も何もいらない。やはしさだけがあればいいんだ。大地も空も時間も、すべてを被い尽くすほどのやさしささえあれば-----」

    以下引用~
    「お告げなんてそんなもんだ。運命なんて、頑張りゃいくらだって変えられるんだ。なあ、少爺、だから生きてくれよ。おいらがやってみてえに、白太太のお告げを、変えてみてくれよ」

  • 難しかったけど、読んで良かった。と思えるシリーズです。
    この人スゴイ‼と改めて感じました。

  • 爽やかな読後感がいいです。
    「蒼穹の昴」
    最後まで読んで、希望を表すこのタイトルにあらためて感動しました。
    最後の手紙ももちろん良かったですが(最近会津藩士のことを考える機会があったので過剰反応かもしれませんが)岡や芝の生き様まで丁寧に書かれていて、細部まですごくよかったです。。

    とにかく人間の強さと優しさがあふれた作品で、「お涙頂戴の浅田節」との批判もあるようですが、私は全巻を通してたっぷり感動出来ました。

  •  3巻後半から4巻にかけていきなり失速した感あり。4巻などは流し読みである。1巻は中国で1300年も続いた科挙制度と、清朝末期の宦官に焦点を当て圧巻の内容である。ちなみにこの圧巻という言葉も科挙用語なのだとか。

     同じ郷里を持つ文秀と春児は、紫禁城で権勢を持つ役人と西太后に影響を与える宦官になることで、二人の夢は果たされるはずであった。4巻では激動の時代を生き抜く二人の様子が描かれる。ただ、感動は薄い。伝わる箇所といえば、やはり春児が辛い過去をを思いだす場面だろう。

  • 文秀の天命の意、春雲の努力。心に学ぶものがあった。

  • 近代史に暗いので、楽しく読めました。もう少し歴史を調べてみよう。

  • 1〜4まで、同じテンションで読めたかというとそうでもないです。

    正直、1は読むの大変だった。が、しかし!2〜4のテンションの上がりっぷりがすごい!

    ビジネス本と違って備忘録とかレビューで残さないけど、これは名作だった。

    春児、文秀、玲々、切ないよなぁ。

    たかだか100年前とは思えない時代背景がなおの事切なさを倍増させる。

  • 終盤の春雲と妹の別れのシーンと文秀の手紙が印象的。
    読んでいてそれまでの物語が頭をめぐってきて、心にじんわりと沁み入った。
    読後感が良い。

  • 中国はあまり好きではないけれど、、いつかは読みたかった作品。

    貧しい生まれから、自ら男性の象徴を切り落とし宦官になって運命を切り開いた春雲。
    彼の家の地主の息子、幼い頃から出来のいい兄と比べて辛い思いをしながらも科挙に一等の成績で合格した文秀。
    文秀とともに科挙に合格するも、文秀とはまた違った人生を選んだ王逸。

    西太后と若い皇帝に振り回されながらも、自分の信念を貫いた若い彼らの行く末に、ページを進める手が止まりませんでした。
    春雲が宦官になるあたり、文秀が科挙に挑戦するあたり、
    春雲が、西太后の怒りに触れて宮廷を追放された宦官たちに芸を仕込まれるあたり、あと、李鴻章が列強と交渉するあたり、どれをとっても面白かったです。

    袖の下、、が当たり前だと思っていた中国で、
    科挙制度での不正防止策が念入りにされていたのが驚き。

  • 敵対する立場となった文秀と春雲。
    変法改革の失敗と西大后の復権。
    話が進みにつれて、どんどん存在感が薄くなってきた春雲。
    地位だけは立派。
    後半の、毛沢東の登場は、とても運命的なものを感じた。
    いろんな解釈があるだろうが、清王朝末期がドラマチックに描写されており、満足いく完結編であった。

  • 物語は臨界点へ。しかしそれを超えた後は、驚くほど静かに時間が流れる第四巻。歴史が創られる時は意外にそういうものかな…。
    中華四千年の末期を飾る大悪女西太后、というイメージは良くも悪くも崩れ去った。他の作品でも垣間見られる浅田氏の母性愛を強く感じる。

  • 先に珍妃の井戸を読んでしまったのは失敗でした。断然、蒼穹の昴のほうが面白いです。

    当時の時代背景も分かり、登場人物の国を変えようという熱意に感動します。当時の時代背景と、ストーリーの緻密さと、勉強しながら楽しめる感じで、とても読み甲斐がありました。

    読み終えたら、ラストエンペラーが見たくなりました。

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蒼穹の昴(4) (講談社文庫)の作品紹介

人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか-紫禁城に渦巻く権力への野望、憂国の熱き想いはついに臨界点を超えた。天下を覆さんとする策謀が、春児を、文秀を、そして中華四億の命すべてを翻弄する。この道の行方を知るものは、天命のみしるし"龍玉"のみ。感動巨編ここに完結。

蒼穹の昴(4) (講談社文庫)のKindle版

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