小樽ビヤホール (講談社文庫 は 73-1)

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  • 講談社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749183

感想・レビュー・書評

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  • やや、男のロマン・願望的なところアリ。あんな夜を過ごしてみたいと。破滅するんだけどねー。

  • 戦前に、こんなにも女が自由だった時代があったのだなぁ、と素直に感動した。
    大正デモクラシーという言葉があるが、この物語の女主人公は本当に生き生きしている。

    昭和の敗戦が見えてきた時代に比べて小樽をはじめとする日本の貿易港が活況を呈していた明るい時代。

    物語中にもでてくるが、この頃の小樽は貿易と並んでニシン漁で栄えていた。
    ただし当時のニシン漁は豊漁なら大儲け、不漁なら破産、といったギャンブル性の強い事業だった。

    うちの祖母はニシン漁の網元で育ったお嬢様だったが、不漁により主人公と同じく家が破産、小樽のビリヤード場で働きながら莫大な借金を返済していた。

    なので、つましいながらも逞しく生きる主人公の姿が祖母の人生と重なり、余計に感情移入してしまった。
    また、活況を呈していた当時の小樽の文化風俗も興味深い。

    小樽に旅行に行く人には是非ともお勧めしたい一冊。
    きっと、パンフレットで見る定番の景色も少し違って見えるはず。

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著者プロフィール

1961年小樽市生まれ。北海道を拠点に執筆活動を行なう。
2008年『てけれっつのぱ』(柏艪舎刊)が劇団文化座により舞台化され、同舞台は2008年文化庁芸術祭大賞受賞。
主な著書に『落ちてぞ滾つ』、『いとど遙けし』、『雁にあらねど』(各 柏艪舎)、『雪えくぼ』、『舞灯籠』(各 新潮社)、『夢の浮橋』(文藝春秋)、『蛍火』(講談社)などがある。

「2018年 『曙に咲く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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