- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062750028
感想・レビュー・書評
-
舞台は、当然ながら第二時世界大戦。それも、日本が敗戦寸前の状態です。
国民も、軍部も、中央政府も、敗戦が濃厚なのは分かり切っている状況。
そんな中で、ある作戦が決行されます。
潜水艦<伊507>である兵器の回収に当たるという任務です。
それは、ローレライと呼ばれる謎の兵器。
そして、<伊507>はローレライをめぐって壮大な旅路に出る。
そこにある『あるべき終戦のかたち』を目指して。
さて、この作品は前半はローレライが中心となって話が進んでいきますが、後半は日本にとっての『あるべき終戦の形』がキーワードとなります。
作品を通して語られるこの戦争の意義、そして日本という国の在り方。
果たして無条件降伏こそが日本のとるべき道なのか、それ以外の道こそが日本を真の意味での敗戦ではないのか。
ぶっちゃけ俺は戦争なんてしたくもないし、起きてほしくもない。
でも、実際はほんの60年前には日本を滅ぼすだけの戦争が起こったんやよな。
この戦争で日本が得て、失ったものは何なんやろうな。
間違いなく日本人の意識の根底にあるものはばっさり変わったんやろうな。
そして、それはきっと今にも影響を与えたあるんやろうな。
もちろんええ意味でも悪い意味でも。
久しぶりに、まじめに戦争について考えさせられた作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争はイヤだな。
ただ嫌だと言ってるだけじゃいけないのかも知れないけど
嫌なものは嫌だ。
というのはこの本の感想からずれました。
以下改めて。
正論を言ってるようで、でも明らかにおかしい浅倉氏の言葉には
私も折笠君と一緒に叫びたくなった。
話の展開の仕方や人物の行動に王道な部分があって、
各所で「そう来たらそうなるよね!」と思いつつ読み進む。
清永君はもう…
出てきた時から絶対そうなると思ったんだ。。
あー。
とはいえ登場人物の人となりや細部がしっかり描き込まれているので、
わかってるけど読んじゃう。
長いけど読ませる。
にしても、二人で見張りに立つシーン。
「ラピュタか!」と突っ込む人はいないんだろうか?!
オマージュ??
最後どういう展開を見せるのか、期待です。-
「ラピュタか」と突っ込む人・・・
↑
自分です(笑)。
でも、きっと、同じこと思った人はもっとたくさんいるはず!!!「ラピュタか」と突っ込む人・・・
↑
自分です(笑)。
でも、きっと、同じこと思った人はもっとたくさんいるはず!!!2014/11/04 -
コメントありがとうございます。
レビューで書かれてる方が見当たらなかったので意外に思っていましたが、
やはり突っ込みどころですよね!...コメントありがとうございます。
レビューで書かれてる方が見当たらなかったので意外に思っていましたが、
やはり突っ込みどころですよね!笑2014/11/04 -
↑
お返事、(とっても)遅くなりました(ごめんなさい)。
そうそう、同じことを感じた人がいてくださって、とても嬉しかったです(笑)。...↑
お返事、(とっても)遅くなりました(ごめんなさい)。
そうそう、同じことを感じた人がいてくださって、とても嬉しかったです(笑)。
2016/08/08
-
-
8月6日の原爆投下時のシーン。一瞬ですべてが破壊され、灰になったというこのシーンはいろんな小説で書かれていると思うが、この本の表現が、一番印象に残る。「・・・魂魄さえ焼き尽くし、成仏することすら許さない・・・」
ところで、この第3巻。起承転結でいうところの、まさに転。浅倉の言う、あるべき終戦の形ってそうだったのか。でも違うんちゃうか、それって! いけ、伊507!! すぐ、4巻を読もう。 -
今回で朝倉大佐の恐ろしい計画が明らかになる
アメリカとの終戦にローレライを取引材料として持ちかけるまで理解できるが、東京に原爆を落として日本再生の生贄的な扱いにするのはやりすぎで、もはや単なるテロリストにすぎない
本当にこんなのに同調者する人がいたの?の疑いたくなるが、515や226事件もこんな理想論に押し切られる感じで発生したのかなと思いました
結果日本はより悪い方向へ進んでいくんですけどね
広島に原爆が落とされるシーンはやはり心がめちゃくちゃ痛みます
一瞬にして多くの一般人が殺されて、そこにあった多くのあったであろう未来が一瞬で破壊されてしまうのにただ恐怖しかないです
そんな裏切りを乗り越えていよいよ最終巻で原爆の東京攻撃阻止に向かうがどうなるのかとても楽しみです
やはり巻が進むにつれて面白くなってきましたのでワクワクです -
息子が読んどるわ
-
本巻では第4章を収める。遂に広島・長崎への相次ぐ原爆が投下された。従来の戦争の概念を完全に覆すほどの破壊力、たった一つの爆弾で都市を丸ごと一つ吹き飛ばす威力を持つ史上最悪の兵器と言ってもよい。そもそも7月にポツダム宣言を受諾していればこの惨事は起きなかったのだが、軍部はその時点での受け入れを拒否。その時にアメリカから言われた通り「迅速かつ十分な壊滅」をもたらす新型兵器が落とされた。もはや戦争の継続が困難なのは誰の目にも明らかなのに、どこに拘っていたのか。恐らくは天皇の統帥権、いわゆる国体の護持といったところか。無条件にポツダム宣言を受諾すれば、それは失われる。その結果、多くの命が犠牲となった。
戦争とは何を守るために、何を犠牲にするのか。その先に待っているものは何か。自分が犠牲になってでも他の人を守るという使命、それが軍人としての矜持か。それとも他人を犠牲にしてでも国を守ることが第一優先か。 -
昔読んだ本
-
潜水艦、一度は乗ってみたいな。
海水浴とかで素潜りして海底にとどまると、さっきまでうるさい位に聞こえていた海
水浴場で遊ぶ人達の声が遠くなり
海面を見上げると陽の光がその静かさと調和する。小さい頃から好きな光景。
陸上には余計な音が溢れていて、その中から何か重要な声を聴き取るのは難しいけ
ど、海の中なら聴けそうな気がする。
パウラの感覚には遠く及ばないけど。
戦争ってものに良いものはないけれど、戦争や災害のように抗うことのできない強大なものに対峙した時にこそ出る人間の優しさは本当に良いものだ。
現代社会は物質的に豊かになったからなのか、『政府が、誰かが助けてくれる』的な根拠の無い安心感が奥底にあるのか、危機感が薄い。災害や時には犯罪に出会っても優しさを発動させる初動が遅い気がする。
テロや戦争を推奨する気はないけれど、一度助けの無い絶望を体験することも現代人には必要では・・・
・・・この点は浅倉大佐と近い考えになるのかな?
この小説を読む前に呼んだ全く別の小説で『椰子の実』の詩の一部を合言葉として扱うシーンがあった。
敵国に敵国人として潜伏して敵国人のまま死ぬこともあるスパイが『名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ』と聞かれた答えは次の節の『故郷の岸を離れて汝はそも波に幾月』ではなく最後の節の『いずれの日にか故国に帰らん』。
『終戦のローレライ』はこの詩から始まる。何か運命的なものもあるかも知れないけど、それよりもこんな素敵な詩が日本にはあったことを知れたことが嬉しかった。(知らなかったのが恥ずかしい?) -
おもしろくなってきた。