ミューズ (講談社文庫)

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著者 : 赤坂真理
  • 講談社 (2005年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750066

ミューズ (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ×2008年8月25日登録

    赤坂真理の書く小説は、「音」で構成されている。皮膚と皮膚とが重なりあう「音」、波の砕ける「音」、光の「音」、森に降る雨、部屋を濡らす夕日まで。
    “私”は音に耳を澄ませながら、呪詛を紡ぎつづける母親の声をシャットアウトしようとする。「音」とは「呪い」である。或いは「救い」、時として「逃げ場」。“私”は母親を――父親もまた――憎み恨みながら、まといつく呪詛を一種の愛情だと感じてもいる。だから彼女は母親を殺せない。解説まで読むとわかるのだが、彼女の母親の弱さが、殺意を萎えさせるのだ。
    音はやがて触覚を動かせる。“私”が“先生”の肌をブラケットで、舌側で、口蓋で、舌で、存在を確かめる。彼の存在の認識が、“私”の崩壊しつつあったアイデンティティを矯正させる。完全なシンメトリーを、“私”は希う。
    かなしい恋愛小説で終わらない、終わらせない処が私の赤坂文学を好きな一要素だ。砕けた歯の音が聞こえた時、完全な終末というものを冷やかな終わりとして私は触れた。
    “私”が高校の卒業にこだわる部分や歯列矯正に対する自分なりのプランを立てるシーンを読んでいくうち、彼女はすべての破壊を願う自分と、完全なシンメトリーに変貌できるかもしれない希望とを抱いているのだと痛ましく思った。
    逃れられない十代の葛藤、そんなものを本作『ミューズ』では考えた。

  • 描写が汚かったです。
    僕には合わないだけでした。

  • 赤坂さんの「ヴァイブレータ」がぼくは大好き。

    大学の論文にしたまでに好き。

    映画にもなったよね。

    この作品はより「文学」的。

    以下引用。

    「舐めるように見られて、言葉や態度でほめられて、はじめて体液を感じそれが逆流するのを感じる。」

    「心臓の鼓動にほど近い、甘い脈の沸くスポット。」


    彼女の作品は、つねに肉感的。

    男と女の、肌と心の触れ合いを主題にすることが多い。

    その「肉体」を強烈に意識させるテーマにグッとくる。

    そんなテーマを描く小説家をほかに知らないからさ。

    また機会があれば読もう。

  • 文庫本サイズの本はブックカバーをつけて電車の中で読みやすい。
    なのでとりあえず、前原市図書館の文庫本の棚の「あ」~「お」までの頭文字で始まる作家さんで、目に付いたものを片っ端から借りることにする。
    ほとんど、雑誌感覚の読み方ですね。

    本棚の「あ」業一番左端(始まり)にあった作家は赤坂真理さん。
    こうでもしなければ絶対に手に取らない種類の作家さんやタイトルです。

    ミューズは女神(ミューズ)ではなく薬用石鹸ミューズのミューズ。
    やはり私の理解の範疇を超えていた内容でした。

  • 女子高生が歯科医師と不倫して、別れる話。
    きっと主人公はその歯医者が良かったんじゃないんだろう
    手段だったはずなんだ。
    でも医者も人間だからただの道具みたいにはいかない。

    死ぬまで一緒に居れる人以外はみんな通り過ぎていく人と言えるとおもう。
    でも、きっと何かを残していくんだな。

    それが今の自分の足しになっていようが、いまいが。
    と思った。
    そのときは、確実に必要だったのだ。

  • この小説の母親の様に、子供に呪いをかける母親は実在する。現にワタシの母がそうだった。主人公は反抗を試みるもやはり母というか「母からの呪い(植え付けられた考え)」から結局は逃れられない。ワタシは決してこういう親は許さないし、唾棄すべき存在だと思っている。タイトルの『ミューズ』は神の事だと思ったら「薬用石鹸のミューズ」だった。。。

  • 歯医者さんと女子高生

  • 2006/12/27購入

  • 歯列フェチな私としては、歯列矯正医に対するさまざまな感情が「わかる」。男と女としての恋愛の上では相手を掌握しつつも、「椅子」の上では無力な自分が力ずくで痛みを与えられながら矯正されていく…。少女が成長していく過程で誰しも感じる体験なのでは。

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