事故係 生稲昇太の多感 (講談社文庫)

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著者 : 首藤瓜於
  • 講談社 (2005年3月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750240

事故係 生稲昇太の多感 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 期待が高すぎたのかもしれない。
    何しろあの「脳男」の次作なのだから。
    見事に肩透かしを食わされた感じだ。
    まだまだ新米といえる交通課巡査・生稲。
    仕事に対するスタンスの違いに悩み、先輩との葛藤を抱えている。
    いろいろな場面を経て徐々に成長していく姿を追った物語だった。
    淡々としている・・・というのでもなく、何となく全体的に平坦な印象が残ってしまった。
    やけにリアルさを感じる場面もあって面白かったのだけれど・・・。
    正義感が強い!!というのは悪いことではない。
    しかし、他への影響などを考えたとき「正しい」ことだけに執着するのは生稲の若さからだろう。
    「正しい」ことがすべて「正しい選択」だとは限らないのが現実だ。
    生稲が片山の域にまで達するのには相当な経験が必要なのだろうな。
    いや、生稲の性格を考えたらいつまで経っても片山のような離れ業は出来そうにない。
    それでも、生稲のような警察官がいたらちょっといいなぁと思う。

  • エラの張った四角い顔。ゲジゲジ眉毛にタラコ唇。
    ブ男。
    というより、悪相である。
    (本文より)

    これが、本作の主人公である生稲昇太。
    愛宕(おたぎ)南署の交通課交通事故係勤務の二十二歳の独身巡査です。

    風貌に関しては、さんざんな言われようの彼ですが、巡査なのに膨大な知識と明晰な頭脳を駆使して事件を…
    解決したりはしません。

    警察官としての経験こそ浅いものの、あふれんばかりの正義感と、元気で明るい性格で、署内の人気者…
    というわけでもありません。

    実際、熱血漢であり、青臭い正義感をもってはいるものの、組織のしがらみはじめ、自分の思い通りにならないことに、時には愚痴をこぼします。
    自分が殻に閉じこもって勝手に動いているだけなのに、先輩や上司が自分をわかってくれないと思い悩み、塞ぎ込み、他部署の先輩と酒を飲みながらいじいじしています。

    署内のマドンナ的存在の警務課職員の女性に憧れと恋心を抱くも、どうやら彼女は自分とコンビを組んでいる先輩の彼女らしいと気づき、落ち込んでしまいます。

    そう、僕が胸に手をあてて考えるまでもなく、僕をはじめ誰にも似た部分が多々ある、ごくごく普通の人間なのです。

    さらに、彼の所属からわかるように、日常の仕事は書類の作成と、ノルマのような交通違反取り締まり、交通事故の捜査に取り調べ、五日に一度の夜勤当直、等々。
    これまた、派手さのない地味なものばかり。

    ラストシーンも、特に変わったことが起きるでもなく唐突に終わって、文字どおり、警察官の日常を何日か切りとって、そのまま編集なしで見せられたかのような感じです。

    ところがところが、ものすごく不思議なことに、面白いんですよ、これが。

    どこかしら自分とも被る部分があるせいか、昇太にはすんなりと感情移入でき、時には共感、時には「いやいや、それはお前がおかしいやろ」とツッコミを入れながら、気がつけば最後まで読みきっておりました。

    僕は小説に対しては、どちらかというと突拍子もない、現実離れした内容を求めたり好んだりする方です。
    でも、「こんな風に、普通で平凡なんもありなんかな」と思わされる味わいがありました。

    作者の首藤瓜於さんは、江戸川乱歩賞受賞の「脳男」で有名な方ですが、本作はそれとは全く違った物語で、驚かされました。
    あっ、愛宕市という舞台は一緒でしたけどね。

    「脳男」を読んだ人も読んでない人も、読んでみてほしい一作です。

  •  何だか 設定がおもしろい。

  • なんていうか…いまいち。
    前作『脳男』がおもしろかっただけに、よけい…。
    なんだろ、ふつーすぎる?

    ストーリーもふつーだし(特にスリルもなく、テーマ性もなく)、キャラクターの設定もふつーだし(特に魅力もなく)。

    なんかいまいち、何が書きたかったのか(何が主題となっているのか)がよくわからない作品です。
    前作がバリバリのミステリー作品だったから、著者の息抜き…みたいなものなのかしら?
    あっさりしてて、山場のない作品。

    ただ、でも、それにしても、警察官である主人公の「日常」を描いているわりに、心理描写も甘く、単純な思考形態をとっているため、あまり共感できない…っていうのが不満。
    人間の心理って、もっと複雑なものだと思うのだけど、そういうのがないから、読者側としては主人公の内面に入っていきにくいのではないかと思います。

    と、今日はちょっぴり辛口めで…。

  • 22歳の交通課巡査の生稲昇太が警察組織や社会に揉まれながら成長して行く。

    これまで読んだ『脳男』『指し手の顔』『刑事のはらわた』などの首藤作品とは全く系統の異なる作品。ある意味、ホッとする作品であるのだが…

    これから生稲昇太が花咲くのかというところで突然、物語が終わり、唖然とした。『刑事のはらわた』も解せない終わり方だったし、首藤瓜於さんは一筋縄ではいかぬ不思議な作家であるな。

  • 警察小説/熱血漢・生稲昇太の物語/交通課の日常を淡々と/オチというオチではなく/昇太の周りの人たちに興味あり/

  • 22歳の昇太は、正義感たっぷりで直情型の愛宕南署交通課巡査。南署のマドンナ・大西碧とつきあうクールな先輩・見目とコンビを組んで交通事故の解決を目指す。だが、社会や組織の壁にぶち当たり、うまくいかないことばかりで...。これこそ警察小説の新境地!『脳男』で乱歩賞を獲得した著者の受賞後第一作。

  • 江戸川乱歩作品は子供の頃から好きだった。
    少年探偵団モノに興味はなく、小学生の頃から陰獣だの人間椅子だの、
    危なげな方ばっかり読んでいたけど。

    で、その江戸川乱歩の名を冠した賞だもの、気にならないわけがない。
    というわけで江戸川乱歩賞作品はケッコウ気にしていたわけだけど‥

    ときどき、うーんって思う作品もある。
    失礼ながら首藤瓜於さんの「脳男」も、タイトルのインパクトと最初の方はガーッと読んだけど、
    どうしてもオチがなっとくいかず。

    ただ、その名前は覚えていて、受賞後第一作ということで手に取る。

    なかなかの熱血漢のストーリー。
    1話ごとに広がりも‥

    あれ?でも、オチは?

    読み終わって、面白かったけど、なーんも残ってない。
    うーん。

  • 謎がないから、ミステリでは無いのかもしれない。

  • 警察小説が好きでこれまでにも数多の警察小説を
    読んできましたが、本作の面白さは抜群。
    警察に知り合いがいる訳でもないので、
    警察内部の描写が本当なのかどうか確認する術は
    ありませんが、よくここまでと言わしめる内容。
    素直に面白かったです。

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