悠久の窓(下) (講談社文庫)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750394

感想・レビュー・書評

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  • ちとゴタゴタした展開。

  • この作家の作品は初読だが、何がどう面白いのか、さっぱり分からなかった。文庫本の解説で、評論家の池上冬樹がしきりにゴダードの魅力を語っているのだが、単に長いだけの凡作を褒めなければならない苦しさのみが伝わり空々しい。

    プロットは完全に破綻している。がちゃがちゃと動きまわる登場人物らは意味無く次々と死んでいく。主人公は過去に神童だったらしいのだが、眼前のトラブルを一切解決出来ない無能である。肝心のキリスト教にまつわる歴史の解明も断片的で中途半端。物語に深みも、サスペンスも無く、文章に味がある訳でもない。大した伏線の回収もなく、殆どを放り投げたままに、何の余韻も与えずにストーリーをぶち切る。ゴダード自身が収拾がつかなくなって投げ出したと思わざるを得ない不親切な展開だ。明らかな失敗作で、傑作と評価の高い初期作品の片鱗を示すことはない。

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  •  老いた父が住む家を高額で買い取りたいという話が持ち上がる。それは、中世の頃に密かに隠されたステンドグラスを探すためだった。
     やっぱり、ゴダードなので面白いところは面白いです。こないだの日本を舞台にしたやつより、ずっとよかった。(多分、外国人が読んだら舞台の日本に違和感がないんだろうけど、日本人にはヘンすぎました/笑)
     が、なんだかイマイチ。で、読みながらつらつら考えてたんだが、これって訳のせいってパーセンテージが高くないだろうか? ゴダードの主人公って皆、うだつの上がらない中年男だ。物語の中で特に成長するわけでも、悟るわけでもない。翻弄されていくだけなんだが、その姿がいいのよ。その姿が「萌え」なんだと思うんだが、訳者はきっとそれに「萌え」ないんだろうな。
     ともあれ、なんか、行間から滲む訳者の愛っつーもんが感じられなかったです。で、それが一番の敗因。
     私が読んでる範囲で、一番作者や作品に愛を注いでいるのは、ローレンス・ブロックのスカダーシリーズを訳してる方だと思う。あそこまでっていうのは無理だとしても、もうちょっとなんとかしてもらいたいもんだ。

  •  見事なまでに歴史的背景がわからない(下敷きになっている話がポピュラーなのかそうでないのかさえもわからない)。にもかかわらず、面白く読めてしまうのがゴダードの小説の凄いところ。拍手。

     でも、1年1冊ぐらいで、お腹いっぱいです。

     英国人にとってゴダードの小説って、高橋克彦とか井沢元彦とか、そういう感じなのかなあ。もっと、なんていうか、薫り高いのかしら。

     そうか、高橋や井沢はダン・ブラウンだ(「ダ・ヴィンチ・コード」読んでないけど)ってことにしとこう。

  • 同じネタのダヴィンチ・コードより面白かった何より宝が「数」というのが、気に入ったでもこれを知ってどうなるのかと異教徒は思う

  • 後半に入り、物語の展開が漸く見えてき始めます。ラストがあまりはっきり・しっくりこないのが、個人的にはもどかしいのですが、面白いでしょう。

  • ゴダートの主人公って、どうしてこう……。や、まあ、今までのに比べれば前向きに終わったくちなのかな、今回は。(前向きっちゅーか投げたのか、な?…微妙)でも、最後までストーリーに引っ張られる面白さはあいかわらずだったと思います。まあ、好みからいうともう少し「情」が絡んでる方が好きかもしらん。

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著者プロフィール

1954年英国ハンプシャー生まれ。ケンブリッジ大学で歴史を学ぶ。公務員生活を経て、’86年のデビュー作『千尋の闇』が絶賛され、以後、作品を次々と世に問うベストセラー作家に。『隠し絵の囚人』(講談社文庫)でMWA賞ペーパーバック部門最優秀賞を受賞。他の著作に、『還らざる日々』『血の裁き』『欺きの家』(すべて講談社文庫)など。

「2017年 『宿命の地(下) 1919年三部作 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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