珍妃の井戸 (講談社文庫)

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著者 : 浅田次郎
  • 講談社 (2005年4月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750417

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珍妃の井戸 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「蒼穹の昴」最終巻の後、松岡圭祐「黄砂の籠城」、この「珍妃の井戸」の順に読むと、時系列がきっちりつながる。本書に名が出てくるサー・マクドナルドとか義和団の背景も判る。

  • 浅田次郎の小説、「蒼穹の昴」の続編です。
    続編ですが、ミステリー仕立てで「蒼穹の昴」とは物語の進め方が違うので「あれ?」と思う人もいるかもしれません。
    信用できない語り手、という技術を使って書かれているそうです(ウィキペディアによると)。本当に、誰が本当のことを言っているのかわからなくなります。
    短いのですぐに読み終わりました。
    さらに続編の「中原の虹」を読む前に、是非読んでください。

  • 蒼穹の昴の後に、たまらずこの本も読みました。
    時代に翻弄されて悲劇の最期を遂げた珍妃について、様々な周りの人からの視点で構成されており、独特な切り口だなと思いました。

  • 1900年、清朝末期、義和団の乱の最中に光緒帝の寵姫・珍妃が紫禁城内の井戸にて死亡した。
    ――いったい誰が、何のために彼女を殺したのか。
    日本、イギリス、ドイツ、ロシア。清朝と同じく、それぞれに皇帝を、女王を、天皇を頂く各国の貴族高官たちが集い、事件の真相を追って様々な人々の証言を集める。
    しかし口々に語られる『真相』はみな、あまりにも食い違っていた。
    事件の真相を探るということ。それは珍妃が沈んだ井戸を覗き込むということにほかならない。高官たちが真実を求めてその井戸の深淵をのぞき込むとき、深淵からもまた、真実が彼らをのぞき見ていた――。

    列強諸国、つまり外国人……洋人(ヤンレン)たちに蹂躙され荒廃する清王朝。しかし清王朝を築き上げた満州族もまた、漢族の人々から見れば洋人(ヤンレン)であった。
    長い年月の末に、本来の彼ら自身の言語であった韃靼語すら忘れてしまった郷愁。皇帝の愛するものを無残に蹂躙した者たちを言葉もなく断罪し、己の犯した罪と向き合わせようとする、滅びゆく王朝のひとびとの哀切の物語であると思う。

  • ちょうど世界史の授業で義和団事件をやったタイミングだった、っていうのと、蒼穹の昴が面白かった、っていう理由で読みました。
    日本人だから、やっぱり日本も大変だったんだよね、って言いたくなるのですが、清側から見れば大義も何もない虐殺だし、日本も欧米列強と全然変わらないんだと思います。
    こういうのを読むと、日中関係が悪いのも仕方ない、というか、修復には相当の努力が必要なんだな、と。

  • 中国史知識はほとんど無いけれど、とても面白く読んだ。
    四人の登場人物はそれぞれ日本、ロシア、イギリス、ドイツからの貴族達で、彼らは珍妃の死の真相を探る。書き口が斬新で、7人の証言者の一人口調で進み、最後には幽閉された皇帝の証言と珍妃の死に際の愛の言葉で終わる。真実は何だったのか。

  • 「蒼穹の昴」の続編。といっても、話の切り口はやや異なっており、外伝と言った方が実態には近いかもしれません。

    義和団事件の動乱の最中、厚いベールに覆われた王宮の中で非業の死を遂げた王妃。その真相を探る列強の外交官達。だがしかし、真実味を帯びて語られる関係者の証言はどれもこれも嘘っぱちで…

    いわば歴史ミステリといったジャンルになるのでしょうが、答えに近付いたかと思えばまたひっくり返されるストーリー展開に、思わずこちらも手に汗を握ってしまいます。そもそも探偵?役の外交官たちも海千山千のクセ者揃い。母国の政治的立場も影を指して一枚岩には程遠い有様です。うーん、クラクラします。

    辿り着いた"真相"は痛烈で、残酷で、そして純粋でさえあるのですが、それさえもが"真実"であるとは限らないわけで。一見中短編と見せかけておきながら、いやはや何とも深遠かつ壮大な作品です。このスケール感は中国史という素材がもたらすものか、それとも作者の技量によるものなのか。無論、その両方ですね。

  •  作者の中国近現代史シリーズで最後に手に取ったのは、異色のミステリー仕立ての小説。光緒帝の寵姫で、義和団事件の際に混乱の中で非業の死を遂げた珍妃の死の謎を、帝政国家たるイギリス・ドイツ・ロシア・日本の貴顕たちが追及していく、というストーリー。
     
     だが、ミステリー仕立てとなっているとはいえ、犯人が明らかになるわけではない」。最後の証言者たる光緒帝は調査にあたった貴顕たちこそが下手人だと主張するが、かれは発狂した人物と描かれており、その発言の真偽は決定不能である。
     しかし、光緒帝のメッセージは明確だ。変法を夢見た彼が範と仰いだ近代立憲君主国家の意志こそが、美しき珍妃の死を冀った、ということ。この作品では、珍妃のイメージは、ほとんど中国の大地のメタファーとなっている。作者の描く西太后が、稀代の悪女として憎しみを一身に受け止めることでネーションとしての中国を守ったとするなら、珍妃は、切り刻まれ搾取された中国の大地の象徴である。そのことを誰よりもよく知るがゆえ、皇帝の最後の言葉には、彼の慟哭には、近寄りがたいほどの威厳と力とが籠もっている。

  • この書き方は読みにくかった。話がバラついてしまった印象。

  • [蒼穹の昴]からの
    [中原の虹]へ続く、間の一編。

    いいです。勉強になる。勉強嫌いだけど。

    清の時代の宮廷事情とか
    皇帝家・宦官・軍閥事情及び
    西洋諸国からの宣教師・記者こもごもの心情・対応…

    類い稀なる美貌の妃の死を巡り
    浮き上がる混沌とした世界

    なんか、ハラハラします。

    史実を元にしたお話ですが、こういうの読むと
    「あー、イイヤツ程早く逝ってしまうのが理不尽だわー。」
    と、嘆いてみたくなる。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは―。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。

    【キーワード】
    文庫・中国・歴史小説・切ない・感動


    +++1

  • 本作は、珍妃の殺害の謎に迫る、ミステリー仕立ての構成。「蒼穹の昴」は戊戌政変(変法の失敗による帝党の失脚)で幕を閉じたが、本作はその続編として、続いて起こった義和団事件のドサクサの中で殺害された、光緒帝の愛妃(珍妃)の謎に迫る。珍妃の殺人犯を、関係者7人から次々に証言を得て突き止めようとするのだが、証言は互いに大きく食い違って…。
    物語に引き込まれてどんどん読み進んだが、ラストは光緒帝や珍妃を美化しすぎていて、ちょっと今一だなぁ。真実は恐らく相当にどろどろしていただろうから。

  • 浅田次郎は題材はいつも面白そうなのに文章や展開がどうも合わないな

  • 蒼穹の昴から続く清朝末期の物語。
    正直、疑問点がいっぱいあって、もやっとした物語でした。

    まず、その当時の歴史を理解していないこともその理由のひとつだと思います。
    確認したところ、珍妃が清朝末期のドサクサで井戸に投げ込まれ、殺されてしまったことは事実。これが、西太后による暗殺なのかほかの者による暗殺なのかが謎とのこと。
    本書では、その謎をミステリー仕立てで語っています。

    ストーリとしては、日英独露の4人の高官がその犯人を捜すべ7人の関係者にインタビューしていく形。
    壬生義士伝のように、7人が、それぞれの言葉でその謎、犯人について語っていきます。
    当時の政治的背景や人間関係も明らかになりつつ、まったく食い違う証言のなか、最後の証言者は幽閉された光緒帝。これで真実がわかると思いきや...
    もちろん、最後の最後で浅田さんなりの回答が用意されていますが、うーん、そう来るかってな感じでした。

    さらに、疑問に思うところは、7人の証言者。
    自分の証言がうそだと思うならこいつに聞いてみろ、みたいな形で次の証言者を紹介していくわけですが、おおよそ、その証言を翻すに決まっている人物(相反する証言をする人物)を紹介するのがちょっと不思議。
    あと、わからなかったのが、4人の高官が襲われたのですが、その理由。話の流れから襲われるのはよいとして、その後がなんとなく腑に落ちません。

    ということで、ミステリーとしては、いくつか疑問符がつく物語ではありました。
    なので、本書はミステリーとして読むべき本ではなく、光緒帝と珍妃の愛の物語として読むべき本だと思います。

    さて、次は中原の虹です!!
    4冊積読されています(笑)

  • 列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは―。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。

  • 2015.7.10
    女の人の腰回りほどしかない井戸に頭から入り、白い足が2本出ているその光景が、見たわけでもないのに浮かんできておそろしかったです。
    なんという死に方だろうと、とても衝撃を受けました。

  • やっと読み終えた蒼穹の昴の勢いで、たった一冊だったこともあり読破。続編だが少し毛色が違う感じで、歴史推理小説という感じか。結局最後まで?な箇所はあるが、解説を読んで妙に納得したりした。ドラマも見てみたいなと思った。

  • 蒼穹の昴に続く小説。
    中原の虹への橋渡し的な役割で、一休みって感じかな?

    中原の虹に期待。

  • 一応、ジャンルはミステリーになるんかな?

    『蒼穹の昴』からのスピンオフ作品。
    蒼穹の昴はめっちゃ面白かったし、人にもお薦めしたりするくらい好きな作品やったけど、この作品はだいぶ毛色が違った内容やった。
    登場人物は、蒼穹の昴と全く同じで、読んだことがある人だったら、「確かにこいつなら、そういう行動しそうだ」とか想像を膨らませられるし、読んでなくても一篇の小説として楽しめる作品やと思います。

    ミステリーとして成立しているのかという点では、若干腑に落ちない部分もあるけど、メッセージ性のある内容だと思います。

  • 技巧を凝らした作品という趣。蒼穹の昴を読み終えた勢いで、三部作全部読むことにした。

  • 『蒼穹の昴』の続編。清朝末期の紫禁城で、皇帝の寵愛を一身に受けた珍妃(チェンフェイ)が井戸に落とされ殺された。日英独露の4人が当事者に話を聞きながら真相を解明していく展開。春児の義兄弟蘭琴(ランチン)の証言、珍妃の「あなたを愛しています」と繰り返すシーンには心が震えました。次は「中原の虹」へ!

  • 蒼穹の昴のようなロマンや駆け抜けるスピード感がないが十分面白い。

  • 蒼穹の昴のスピンオフ。
    同じ作家なのに、ここまで書き方にバリエーションを持たせられるのはさすが。浅田次郎って本当にすごい作家だ。

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列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは-。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。

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