マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750776

感想・レビュー・書評

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  • 作家アリス&火村先生シリーズ第12弾、国名シリーズ第6弾。「鉄道」といっても時刻表ものではない、とても有栖川有栖らしい長編。著者のあとがきでは、アガサ・クリスティ、ディクスン・カー、エラリー・クイーン、有栖川有栖を足して4で割ったような本格ミステリとのこと。外国の風と、日本人の美意識との融合。

  • 火村英生もの。国名シリーズ。火村とアリスの旧友である大龍(たいろん)が経営しているマレーシアにあるキャメロン・アイランドに滞在する二人。しかし、たまたま知り合った男が完全な密室で遺体となって発見される。完璧な密室だが自殺とも他殺とも取れるこの不可解な事件をタイムリミットのある火村・アリスが捜査に乗り出す。

    目張りされた完全な密室の謎が最後まで持って行かれるけど「え、まさかそんな!」といった感じ。ただ、その内容を引っ張りすぎている感じがあるんだけどそれもしかたないのか……。
    犯行に至った動機に関してが憶測が飛びすぎて少々弱いかな、と。本当にそうだったという確証もないし、この事件に関して動機が論点になるところでもあるのでもう少し具体的なのが欲しかったなあ。

    舞台がマレーシアということもあり、著者がマレーシアに取材旅行にもいったとのことなので、異国のマレーシアの情景を思い浮かべるのが楽しかったです。キャメロン・ハイランドなんかちょっと調べたらとても綺麗なところで、こういうところがあるのがしれてよかった。
    密室の謎や異国での舞台、火村やアリスが英語で会話をしたりなどなどこれまでの作品とは違った感じが楽しく、面白い作品でした。

  • 時刻表トリックかと思いきや、まっとうな密室殺人。複線の貼り方も見たことがないもので、まぁありでしょう!

    人間の動きも面白い。

    完全にダメ兄貴とカス日本人の争いを主軸にしてるね。

  • 短編も好きだけど、やっぱり長編面白かった♪

    アリスと火村センセイの掛け合いが微笑ましい♪

  • 大人有栖もの。
    あまりマレー鉄道に密接に絡んでこないのが難点ですね。(^^;
    海外での事件のせいか、ちょっと他人事感が強い印象で、物語に入りづらかった気がします。
    タイムリミットもあるけれど、所詮は飛行機の時間の問題だし、緊張感がいまいち。
    ちょっと残念なところが多い一冊でした。

  •  推理作家有栖川有栖と友人の犯罪学者火村英生のコンビによる、国名シリーズの第6弾。ホームズ役の火村助教授とワトソン役の有栖川先生のおなじみの掛け合いが楽しいが、1作目からでなく、初めて同シリーズを読む人にも十分楽しめる本。
    大学時代の友人が経営するマレーシアのホテルを休暇で訪れるふたり。密室での殺人が殺人の連鎖を呼び、友人も容疑者に。帰国のタイムリミットが近づく中、密室殺人の謎を解き、友人を救えるか・・・。
     「マレー鉄道の謎」というタイトルだが、マレー鉄道はほんの少ししか登場しない。しかし、この本を読めばマレーシアの魅力にはまること間違いなし。クアラルンプールの蛍ツアー(絶対見てみたい!)、高原リゾート、キャメロン・ハイランド。したたるような緑、斜面に広がる茶畑、花々が咲き乱れるバラ園、色鮮やかな蝶が舞うバタフライガーデン、賑やかなタナ・ラートタの街並み…。鶏の唐揚げアヤム・ゴレン、チキンライスなどのマレー料理も食べてみたくなる。旅行前にぜひ一読を。

  • マイミクのNOZOMUさんお勧めの1冊。
    有栖川さんはもともと好きだったし、国名シリーズではまった私なので、気合いれてよみました。
    最初は、鉄道衝突脱線の場面から。
    ちょっと今の状況と重ねてしまう部分があり若干つらかったですが、後のストーリーでは、あまりその点はかかわりなく進むので問題なしです。

    で、中身は本格推理に真正面から取り組んだという帯にたがわず、推理をこつこつ積み重ねていく、じっくりしたお話でした。
    中身も軽すぎず、重すぎず、それでいて旅情もありで、なかなかのものです。
    最後の最後でちょっとしたドンデンがあり、それも納得できる筋書きで、よかったです。

    有栖川さんの本は好きなのですが、寡作のためか、あまり数を読んでなくて、評するのも難しいのですが、キャラが生きていて、親しみやすさがあるのが魅力ですね。
    相変わらず、火村助教授もかっこよかったですよ。

    ただ、もう一度あらためて読み返したいという気持ちにはならなかった。その点は残念ですね。

  • 何年か前に読んだはずのを再読。
    読んでるところは「ああ、こんなだったなぁ」と思えたんだけど、そこから先が全く思い出せなかった。
    それこそラストまで…。
    トリックもあらすじもこんなになにもかも忘れちゃうってあるんだなー。
    昔読んだのは確実なので、それほどまでに印象に残らなかったかと驚き。
    大好きなんだけどなーこの作者…。

    20191030再読
    前回の再読時とは感想が違う。
    歳を取ったからかな?

    内容は相変わらず結構忘れていて、KLでの2人の蛍ツアーでのやりとりとか、こんなに最初っから飛ばしていたんだっけ?と思ったりした。
    ただ、最後、怒涛の勢いで謎解きがされていく中で、冒頭で「悪」についてのやりとりがあった意味がわかったというか、最後の最後に終章がある意味がわかるというか。
    シリーズの長編では、やはり探偵コンビ2人の人間の中を知ることができる描写が多くて、ファンには嬉しいな。と思う。
    別の短編の黒鳥亭なんかでもそうだけど、火村とアリスにちゃんと友達がいた描写も、ちょっとほっとする。
    大龍の京都時代の失恋、辛い友人を2人で支えていたところとか、火村の人間性、優しさがわかる。アリスが大龍に怒るところも。好きだな。
    「誰にも嫌われてないやつがいたら、そいつは誰にも好かれてない」「三人に好かれたら十人に嫌われてるくらいに思えばちょうどいい」肝に銘じて生きていきたい。
    アリスのたまに見せる厳しいところと、潔癖ぽいところと、皮肉っぽいところ、とても好き。

  • 難しいカテゴリに真っ向から取り組む筆者への今後の期待も込めて。海外が舞台である必然性が用意されているのは素晴らしい。

  • このシリーズにしてはちょっと読むのに時間がかかった

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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