狐闇 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750813

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかったー!最初から最後までドキドキハラハラ。
    なにせ初っぱなから主人公・宇佐見陶子が、古物商の鑑札を取り上げられてどん底な雰囲気から始まります。
    狐罠のラストからのギャップがすごいので、読むなら罠→闇の順番通りに、続けてがお勧め。
    前作では話だけだった「凶面笑」の蓮丈那智、「孔雀狂想曲」の越名集治がキーパーソンとして登場します。お馴染みビアバー「香菜里屋」も。
    (蓮丈那智シリーズももう一度読み返してみようかなぁ。

    短編集は何故か2作とも文藝春秋なんですよね。

  • いろいろ順番が分からないww
    次何を読めばいいのだろう。また邪馬台にもどればいいかなw

    作品間のリンクが好きな私にしてみれば、こういうのはただただうれしい、おもしろい。

    内容自体も自分にとって興味のあることばかりで、考え方の一つとして面白味がある。

  • すごいな・・・次、予約しなくちゃ!!!

  • 冬狐堂がぼろぼろにされる。そして異端の女性学者との共演

  • 「旗師」宇佐見陶子シリーズの2作目です。

    初っ端から陶子さんピンチです。
    騙されて、盗難にあって、事故に遭います。
    極めつけに鑑札を剥奪されて満身創痍です。
    文章が陶子さんの一人称なので、
    感情移入して読む読者も同じ目に遭います。
    これでもかと押し寄せる悪意に読んでいて苦しくなります。
    巻末の解説にあるとおりサスペンス色がとても濃いです。
    元を正せば陶子さんの言葉だったり行動だったりが原因なので、
    個人的には自業自得の感もあって感情移入し難かったのですが。
    用心しているようでコロッと騙されるあたり、
    自分の目を過信し過ぎているような・・・。
    蒐集家としての悪い面も出てますね。
    前作同様、相変わらず突っ張った生き方をしてます。
    旗師廃業に追い込まれて呆然とした時期を過ぎ、
    真相を追い求めて行動を開始してからは、
    事態がどんどん動くのでグイグイ引き込まれます。
    今回一連の事件の発端は魔境で、
    それにまつわる歴史の考察(推論?)などとても興味深かったです。
    後半は一気読みでした。
    ああ疲れた・・・。

    このシリーズはこれで全部読んだことになるので寂しい気もしますが、
    今回この作者の別シリーズの登場人物が出てくるところをみると、
    そのシリーズを読めば陶子さんにまた会えるような気がします。
    どうなんでしょうか。

  • 事の起こりは競り市で青銅鏡を手に入れたこと。
    しかしそれは盗品で、持ち主に返すことになるのだが、
    それはただの青銅鏡ではなかった。

    そして青銅鏡を盗んだとされる男が自殺し
    競り市の主催者から買い取った絵画が消え
    贋作を捌いているという汚名を着せられ鑑札を失う。
    更に競り市の主催者が強盗に殺された。

    確実に陶子を巻き込んで何かが動いている。
    謎が謎を呼び、更に深まる謎。
    そこに手を差し伸べ、共に戦ってくれたのは
    硝子さんであり、蓮杖那智先生であり、雅蘭堂の越名であり、
    そして癒し役で、香菜里屋の工藤も出てきます♪
    北森オールスターズ勢ぞろいです!

    魑魅魍魎の親玉級の命を掛けた化かしあい。
    裏の裏をかき、先手の更に先手を取る。
    手に汗握るサスペンスとは、このことですよ。

    すっごく面白かったです。
    本作を読むには「孔雀狂想曲」と「香菜里屋シリーズ」&
    「蓮丈那智フィールドファイルシリーズ」のうち
    1冊を読んでから入ったほうが、楽しさ倍増ですよ♪

  • 旗師(店舗を持たない骨董商)である主人公・宇佐見陶子が、競り市で魔鏡を手に入れたことから鏡を取り戻そうとする者からの接触を受けた後、贋作づくりという身に覚えのない汚名を着せられて、骨董業者の鑑札をはく奪されてしまう。自身に罠を仕掛けた相手を探し出そうとする中で陶子が魔鏡の謎に迫っていく内容です。同作者の方の作品の登場人物である蓮丈那智、越名集治も謎にかかわることになり、陶子が親友でカメラマンの硝子(しょうこ)も含めた彼らとともに敵に立ち向かうところが最後まで飽きませんでした。事件の内容や魔鏡を巡る謎は「狐闇」単体でも完結しているのですが、蓮丈那智シリーズの「双死神」(新潮文庫「凶笑面」収録)や「暁の密使」とつながっている話もあるため、それらの話にも非常に興味がわく内容でした。

  • -

  • おもろかった

  • ★あらすじ★宇佐見陶子シリーズ第二弾。青銅鏡を競り落としたことから、陶子は飲酒運転による交通事故や贋作売買など様々な疑惑をかけられ、遂には鑑札を失ってしまう。自分を陥れた罠の正体を探るうちに辿りついた「税所コレクション」とは?陶子に協力する民俗学の専門家として、蓮丈那智も登場。
    ★感想★罠にかけられて鑑札を失うという前作よりもハードな展開です。偶然に魔鏡を入手したことから、日本史の闇の部分にまで深入りしてしまう。陶子を陥れた者の正体が明らかになってからの展開がまた凄い。知略を尽くして立ち向かっても、相手は更に罠を仕掛けてくる。この辺の駆け引きはハラハラしっぱなしでした。最後まで気の抜けない作品です。

著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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