真相“切り裂きジャック”は誰なのか?(上) (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751032

感想・レビュー・書評

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  • 1つの可能性としてとても面白かったです。
    かもしれない、だったろう、が多すぎることと、結論(シッカート=切り裂きジャック)ありきの書き方は「うーん」という感じでしたが……。
    どうしてこれをシッカート主人公の小説にしなかったんだろう。絶対面白かったのに勿体ない。

  • ヴィクトリア朝ロンドンの様子について知るには参考となる本。
    ただし客観的に犯人の正体を推理する本ではなく、シッカートがサイコパスであり、犯人であることを前提として語られるので、客観的な視点には欠けている。
    作中では当時の捜査の不備の批判とこじつけとさえ思えるほどに自らの説を強調すること、それしかしていないような気がする。
    子孫がいたら名誉棄損で訴えられるのではないかというレベル。
    しかしマーサ・タブラムについて扱われているのは、資料的な意味で助かった。
    下巻ではどのような証拠を出してくれるだろうか。

  •  (上下巻通じての感想)

     切り裂きジャックの正体は、イギリスでは有名な画家シッカートだ、という。


     コーンウェルは7億円もの巨費を投じて、切り裂きジャックの手紙とシッカートの手紙に貼られた切手からDNA鑑定を行い、一致したと主張。その他にジャックの手紙とシッカートの手紙の筆跡鑑定、絵具の成分分析、現場の惨状とシッカートの絵の構図の類似などから、もうシッカート以外に切り裂きジャックはいないと断定する。
     そこまでは多少興奮気味の文体でも許せるのだが、断定してから主張が暴走気味になる。犯人がシッカートだったらこれが可能に違いないとか、シッカートだったらこうしたはずだとか、切り裂きジャックの犯行にシッカートのこういった性格がみられるとか、想像が膨らみ過ぎて小説になってしまっている。


     DNA鑑定がどこまで万能なのかわからないが、万能なら、シッカートが犯人なんだろうと思う。あくまで切り裂きジャックの手紙が本物だとしたらの前提だが。
     一応、シリアルキラーに共通するプロファイリングにも合っているし、シッカートが殺人者になっていてもおかしくはない。でも=切り裂きジャックとまでは言えない。


     でもコーンウェルの突き止めた新事実は、賞讃されていいことだと思う。あんなに古い事件からよくこれだけの証拠を探しだしたものだ。


     ただし、リッパロロジストたちは犯人の決定的な証拠が見つかってしまっては自らの存在意義を見失ってしまうから、誰が犯人でも違うと言い張るだろう。


     真相なんてそっちのけだ。






     

  • ヴィクトリア朝末期、ロンドンの街で次々と娼婦が惨殺された〝切り裂きジャック事件〟・・・この迷だらけの未解決事件を、著者自ら7億円という巨費を投じて、現代の科学捜査で解き明かすノンフィクションです。
    本書では、冒頭から真犯人を19世紀のイギリス画壇の巨匠〝ウォルター・シッカート(1860 ~ 1942)〟と断定し、彼の人となりや生立ちをもとに、その根拠が次々に提示されていきます。シッカートはイギリスに印象派を紹介したといわれており、彼自身は娼婦のヌードなどを描いて、世間に大きな衝撃を与えた画家でした。
    〝切り裂きジャック事件〟の概要をご存知ない方には、ちょっと取っ付きにくいかもしれません。

  • 池田清彦氏推薦

  • 私財を何億円も投入して犯人挙げちゃったよコーンウェル。
    もうこの人で間違いないんと違いますか。

  • 2002

  • ホームズといえばイギリスでイギリスのミステリーと言えばこの話題が上るでしょう…ってな感じで気になったもので。
    けっこうホントに生々しくて、えぇ…気弱なお人にはお勧めしません。興味深かった、という表現がぴったりです。

  • 夫と私の共通・・・が、このスカペッターシリーズです!

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著者プロフィール

マイアミ生まれ。警察記者、検屍局のコンピューター・アナリストを経て、1990年『検屍官』で小説デビュー。MWA・CWA最優秀処女長編賞を受賞して、一躍人気作家に。ケイ・スカーペッタが主人公の検屍官シリーズは、1990年代ミステリー界最大のベストセラー作品となった。他に、『スズメバチの巣』『サザンクロス』『女性署長ハマー』、『捜査官ガラーノ』シリーズなど。

「2015年 『標的(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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