- Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062751391
感想・レビュー・書評
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Vシリーズ9作目。
『六人の超音波科学者』の続編という感じの今作は、あの謎だった開かずの地下室を強引に開けたところか始まります。
紅子は紹介者だった小田原長治の元へ事の顛末を報告に行き、N大のとある教授に会いに行くように言われます。そこで聞いた突拍子もない話はいったいどんな伏線になるのかと思いきや、これまた壮大な国際的にもやばい話に。
地下室から出てきた一つの死体の正体は、練無そっくりの人物やここでようやく出てきた纐纈氏とのかかわりも含めてなるほどと納得しました。
今回紅子の子どもとその父親である林との遭遇もありましたが、愛情は確かにあるのにあまりにも素っ気ない。お互いに距離を保ったまま通称へっ君は大人になってしまうのでしょうかね。 -
Vシリーズ9作目
再登場する土井超音波研究所の地下に隠された謎の施設。出入り不可能な地下密室で死体が発見される。
こちらも再登場する数学者、小田原の示唆により紅子は周防教授に会い、地球に帰還した有人衛星の乗組員が殺されていたと語る。
地下密室と宇宙の話にどう繋がるのかが気になったが、小鳥遊くんの過去も絡む複雑な話でした。でも、複雑にしていたのはわたしの好奇心の問題で後半スーッと流れる?納得させられました。まあ、後半は再度読み直しましたけど。
今回も最後が良かった。 -
シリーズも終盤なので、いろいろな謎が徐々に明かされてきている感じ。壮大なスケールの大掛かりなトリックは嫌いじゃない。やり過ぎると着いていけなくなるので、その加減が難しいんですけどね。しかし、練無の背景が気になる。短編を先に読んでおくべきだったか。「魔剣天翔」とかもそうだけど、普段底抜けに明るいキャラクターなので、ギャップが効いてくる。
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診察を待つ間に読もうと携帯した『朽ちる散る落ちる』。病院の待合室で頁を開いた時、土井超音波研究所の見取り図が見えたので、誤って『六人の超音波科学者』を持って来てしまったかと驚いた^^;
Vシリーズもいよいよ9巻目に入り、最初は違和感を感じた登場人物のキャラクターも何とかつかめたのか、最初の頃よりもリラックスして読めるようになりました。あまり大きなうねりを感じませんが、結末に向かって盛り上がりを見せてくれるのでしょうか(^^♪
密室を作るために人里離れた場所に建設されたかのようにすら感じる「土井超音波研究所」。その研究所の地下に封印された秘密とは何か(・・? 周防教授が独り言か寝言だったことにして欲しいと前置きして語った話に隠された真実は何か?
仕掛けが明かされるトリックと、明かされぬまま放置される謎、森先生の作品に立ち向かう時「誰が、何のために、どのようにして」という普通のミステリーに挑む時の心構えは、全く用を成しません。読者は、答えの記述されていない謎を発見した時、自らのミステリィが開幕したことを知るのです。
それにしても、Vシリーズの警察は、リアリティがないですね(・_・;) -
舞台は「六人の超音波科学者」でも出てくる研究所。
あの作品を読んだ時、あれだけ地下室の存在を匂わせておいて終わり方があんなもんなのかと思っていたけれども、それは今作に繋がるということだったのね。
解説の方が書いていらっしゃったが、このシリーズに限らず森ミステリィのシリーズは単品で完結するものではないのだと改めて感じた。
終了はするんだけれども、以前の作品の所々に潜まれた伏線が(伏線と思っていなかったものも含める)、後の作品にて少しずつ少しずつ見えてくる…このワクワクは森ミステリィファンには堪らない。
今回の舞台である宇宙と地下、まさか繋がりがない訳にだろうと思っていたけれど、そうやって繋がっていたのか。途中から薄々と感づいてはいたが、本当にそうだとは思わなかった。
作品のタイトル「朽ちる散る落ちる」
これは今回のミステリィを如実に表していたのね。
最後に、私には林さんの魅力がさっぱり分かりません。
これは、いつか分かる時が来るのかしら… -
再び登場の舞台、超音波科学者たちの施設。森博嗣らしい大掛かりなトリックが明らかになる終盤は読んでいて楽しい。そして前回の登場から仄めかされていた練撫の過去との繋がり。森博嗣の短編「地球儀のスライス」に登場するこの物語と繋がる一作品を読んでいると、より楽しめる。想像以上に絡み合った人間関係の糸が解けるが、もろもろ読み直したくもなった。
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地下深くにある秘密の部屋、密封された部屋。
その密室から朽ち果てた死体が出てきた。
彼は自殺したのか、他殺だったのか。
宇宙で起きた殺人が奇妙な形で繋がってくる。
暗躍する力の動き
力の流れ
その流れの向きを知ったとき見えてくる、この事件の意外な着地点。
シンプルでシャープでスパイシィな瀬在丸紅子のVシリーズ9作目。