- Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062753258
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ジャック・リーチャーを探しに来た探偵は殺された。世話になったガーバー将軍は誰かに頼まれて自分を捜していたらしい。その将軍も亡くなった。昔好きだった将軍の娘ジョディ再会、弁護士になっていた。フックはヴェトナムに行ってきた元兵士で今は悪どい金貸しをしている。今度は経営者に金を貸し、会社を乗っ取ろうとしている。リーチャーが向かう先とフックがぶつかり・・・
めちゃくちゃ面白かった。フックという悪役キャラ、筋、ロマンス、そして真相。すべてが好みだった。
※ネタバレ
ヴェトナムで息子ヴィクターが行方不明になった親から捜索を依頼されたガーバーはリーチャーに頼もうと思った。ガーバーはヴェトナムで遺体捜索をさせ、アメリカに遺体が移送されることになった。その結果、ヴィクターは死んでいてことが分かる。殺人犯の兵士アレンはヴィクターに成りすまし、アレンの認識票をヴィクターの死体の首にかけた。そのことがバレないようにリーチャーを殺そうとする。アレンは片手を失ってフックと称して金貸しになる。ずっと成りすましがバレるかと思いながら。 -
リーチャーが根無し草のような生活スタイルを愛するのは計画性の放棄である。計画や努力は社会的成功を目指す。そこで得られるものが何であるかよりは、羨望の眼差しが注がれることで幸福を覚えるのだろう。有名人、政治家、官僚など。ただし彼らの姿が幸せには見えない。ひょっとしたら私の眼が曇っているのだろう。
https://sessendo.blogspot.com/2022/02/blog-post_85.html -
予想とは違った終わり方となった。
気分よく読めたので、今後の作品にも期待したい。 -
警鐘(下) (講談社文庫)
-
第1作があまりに完璧過ぎるため、後に続く作品が物足りなく感じるシリーズは、さほど珍しくない。読者に好評であれば、当然出版社は同じ主人公による継続を求め、著者は期待に沿うべく書き続けるのだが、エンターテイメント性を高めようとして、逆に失敗することもままある。要は活劇を主体とするシリーズが駄目になってしまう理由とは、どれだけ窮地に立たせようとも、「不死の主人公」がいる限りは適度な冒険の中に収まってしまうことにある。あれこれと余分な要素を加えることで弛緩を生じさせ、ヒーローらは須く「ジェイムズ・ボンド」或いは「ランボー」化しいていく。本作はその見本といえる。
「キリング・フロアー」が活劇小説として傑作なのは、鍛え上げられた強靱な肉体と戦闘能力、さらに冷徹な智力で瞬時に情況判断が出来る主人公が、持ち得る能力の全てを出し切って闘う姿を、五感を通して見事に活写しているからであり、予測不能の結末へと向かって疾走するスピード感/緊張感が分厚いカタルシスへと導いていたからだ。
第2作目から、三人称へと変えたこともマイナス要因で、転々と変わる視点のためにスリルが持続しない。かつての恩師の娘によって骨抜きにされるリーチャーの姿は、第1作でみせたストイシズムの片鱗も無く、個の闘いも精彩を欠く。活劇小説にロマンスが不要とは思わないが、本筋とは関係の無い色恋でボリュームを稼いでいるとしか受け取れない。さらに言えば、軍人にありがちな仲間意識、帰属意識が強調され、孤立無援の男というクールなスタイルも失われている -
下巻に入ってから、怒涛の進行。そうかぁ、ここでもどんでん返しは有るんだな。でも、少しばかり、都合のいい設定のような、結果のような気もします。もうちょっとばかり、リアリティがあると、もっと面白いんですけどね。